あなたとの出会いは
この小説には、第三帝国[ナチスドイツ]時代の描写、ヒトラーやヒムラー、ナチスについての肯定的な描写があります。
そういったものが苦手な方には、閲覧をお勧めできません。
また、この前書きを読んでから小説を閲覧され、気分を害した、などの苦情、誹謗中傷を書き込むことはお控えください。
いつも同じことの繰り返し。
籠の中に入って、地球のみんなでラットレース。
誰かが止まっても誰も気にしない、気にできない、気づかないふりをするしかない。
自分はそうならないようにと気を引き締め、心では止まった敗者を見下ろし見下し嘲笑う。
そんな日常から抜け出したい――――、でも抜け出せない。
諦めきって、鉛色の空から目をそらして、黒いコンクリートを見つめて。
希望なんてどこにもなくて、足掻くだけ無駄で。
カミサマに助けを求めても愛を欲しがっても、そんなものは結局全て売り切れで。
一日が早く過ぎ去りますようにと今日も私は祈る。
そんな。
ありふれた。
日常。
の、
筈、だった。
「ただいまー……」
誰もいない家。
声は壁に吸い込まれて消えた。
鞄を部屋に持って行き、ジャケットをハンガーに掛けようとしたとき、
「動くな」
静寂を鋭い声が切り裂いた。
私は反応ができなかった。
ただ動きを止めて、じっと固まるしか。
「動くな。両手を上げて、私の質問に簡潔に答えろ」
そろそろと腕を上げる。
以前背は向けたまま。
「ここは何処だ? 官邸か議事堂か、……収容所か」
官邸、議事堂? 総理大臣とかそっち系の?
それに収容所って……。
私は答える術もなく、ただ黙った。
「喋れ」
「……っここは、官邸でも議事堂でも収容所でもはありません」
「私はモレル医師と話をしていたはずだ。医師はどこだ」
医師?
ここは日本の普通のマンションなんですが。
「……そんな人、知りません」
「端的に言う。どうして私を拉致した」
「……拉致?」
後ろの人は痺れを切らしたように早口で捲し立てた。
「お前は何も知らないのか? それにこのカレンダー。2013年? ふざけている。今は選挙期間中で一軍人である私を拉致しても利益はないと分かっているはずだろう? それにしても見張りに女一人とは……甘く見られたものだ、つくづく情けない。……さて。私の質問に簡潔に正直に、答えろ」
何なのこの人。
選挙とか拉致とか見張りとか……。
頭逝ってる。
泣きたくなった。
「知りません……っ」
「尋問でもそればかり繰り返すとは面白みがない。とりあえずこちらを向け。手は上げたままだ」
私はそろそろと後ろを向いた。
「……………………!!」
私の後ろには、拳銃らしきものを持った……軍人が立っていた。
褐色のシャツに黒いネクタイ、黒のズボン。
に、左腕に神社か寺院のマークみたいな腕章。
気狂いがいる。
完全にアブナイ人だ。
「……何人だお前」
軍人さんはぽかんとした表情で言った。
「……日本人です」
「日本人? 可笑しい。なぜベルリンに日本人がいる? 」
銃を突きつけたまま言うのはやめてください。
膝が笑う。
「ここは日本です……正確に言えば福岡です」
殺されるかもしれない。
いや間違いなく殺される。
軍人みたいな気狂いさんは怪訝な顔をした。
「は? 日本? ワープでもしたというのか? …………有り得ない」
軍人はすっと銃を仕舞うと、私に近寄った。
首元に手が伸びる。
「言え。私をどこに連れてきた」
両手で首を絞める。
「…………知り、ま、せん……っ」
「お前の上司は誰だ」
ぎりぎりと力が込められる。
「…………ん、なの、……いない……」
「目的は何だ」
「……私は、なに、も………………!」
軍人さんは手を離すと、
「それならここに用はない」
私の部屋から出ていった。
夜7時13分の、できごと。
警察に電話しようかと迷って、やっぱりやめることにした。
今日のは夢を見たということにして忘れよう。
作者:はじめましてΨ蒼龍Ψです。わあ! ここまで読んでくれてありがとうございますです!
にぱー☆ なのです。
???:そのひ●らしはやめたほうがいいと思うが……。
作者:まあまあ。とりあえずこの頃のナチスSSさんの制服はSAと酷似していてダサいですね。
???:そう言うなよ……。
自分だって好んで着てるわけじゃないんだから。
作者:あれ、君まだ出てきてないよね。名前とか。
???:次回だな。うん。
作者:生意気な(笑
一回目くらいは一人にさせてくれてもいいんじゃないの?
???:そこはまあ、ご愛嬌ってことで(笑
作者:名前なんにするか、今考えてるんだけど?
???:いきあたりばったりか!
作者:あー……まあ、うん。そうとも言うね。
???:作者が筆を投げたので最後は俺で締めます。
次回をお楽しみに~