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ダブり

高2の夏休みは病院で過ごした。

 美樹は奇跡的に足を折っただけで済み,一週間で退院できた。

 事故って間もない頃はチームの奴らも見舞いに顔を出してくれたが,退屈で仕方なかった。

 9月の始め頃だった。

チームの奴らが見舞いに来てくれた時‥初めから何かおかしかった。

「祐一,知らねえよな‥」

 「あ?何かあったか?」

 「あぁ‥」

 「何だよ。気になんだろ!」

 「島倉な‥事故って‥」

 「祐太が?大丈夫なのか?いつ?」

 「この間の集会ん時‥ちょっとヤバいみてぇなんだ‥」

 「ヤバいって‥」

 「意識が戻らねぇって‥」

 「あのままかも知れねぇって‥」

 「あのままって?」

 「目ぇ覚まさねぇって‥」

 「マジか?ウソだろ!」

 「隆盛がお袋さんから聞いたんだと‥」

 「ウソだろ‥」

 病院では考える時間が嫌ってほどあった。

 お袋が言っていた様に,自分のバカのおかげで周りの者を悲しませる事になったら‥

 もしも,俺が死んでいたら‥美樹が死んじまったら‥

 歩ける様になり退院してから鉄クズ同然になった単車を見た時に怖くなった。

 集会にも自然に出なくなり,単車に乗るのを止めた。

 退院してからも,祐太の見舞いには怖くてなかなか行けなかった。

 祐太の姿を見るのと,お袋さんの悲しむ姿を見るのが怖かった。

 9月の終わりになってやっと,杖を突いて学校に行ける様になった。

 そして‥出席日数が足りずに留年が決まった。

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