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巻き込まれた魔法使い  作者: 白銀
第二章砂漠の都
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第23話チンピラ・パート2


「…………あれ?俺疲れたのかな?変態が見える」


と言いながら俺は目を擦る。

俺はあの後、侍女を背負い男性店員の嫉妬の視線に耐えながらなんとか買い物を済ませてから冒険者ワークを出て、適当な路地裏で服を着替えて、着ていた服と買った服は亜空間に放り込んでメイド服はリーディアに渡した(なんか指輪の前に服を持って行くと吸い込まれた。)。

そんでから宿に帰ってきたのだが……なんか宿の玄関前にレイザーラ○ンHGみたいな恰好した筋肉ムキムキの奴が仁王立ちしているんだぜ。あ、その後ろに昼間にボッコボコにしてやったホブゴブリン(仮)とタイガーヘッド(仮)もいるな。いやぁ~変態のインパクトがデカすぎて気づかなかったぜ。

っと、あれ?タイガーヘッド(仮)が給仕の娘さんを人質っぽく掴んでんだけど。あれ?また何かあったのかね。

とそんなことを思いながら突っ立ていると。


「あ!ママ!あいつだ!あいつだよ!俺達をコケにしやがったのは!」


とタイガーヘッドが給仕の娘さんを後ろに突き飛ばしながら俺を指さして喚いている。突き飛ばされた娘さんは即行で宿の中に逃げ込んで行った。

……うん。此処で関わったら面倒そうだし知らない振りするか。

そう思いながらまるで後ろに人がいるように後ろを振り返る。


「そこで振り返っている奴!お前だよ!お前!」


となおも喚き続けるタイガーヘッド(仮)。

チッ!うるせぇな。また叩きのめすか。

と思いながら視線を戻すと。


「テメェが家の可愛い子供達を痛めつけたっていう奴か」


と平凡ヤクザも顔負けのドス声で言ってくる他称ママと言う種族不明、性別不明の人物。


(……えっと、どうしたらいいと思う?)


とリーディアにSOSを送るが。


(というよりこの人たちは誰ですか?)


と至極真っ当なことを聞いてきた。

俺は簡単に後ろの2匹との関係を説明する。


(……そうですか。まぁそんなことをしたら報復に来るのは当たり前ですよね?)


(ですよねぇ~。ってまぁそんなこともあるけど実際どうしよ。このままこの他称ママと言う奴と後ろの2人をまとめてボッコボコにできるけど、そうしたらまた報復に来そうだよな?)


(確かに。執念深そうだし勝つまで何度でも来そうですよね)


(でしょ? となると選択肢は3つ、まず1つは俺が負けるという選択。だけどこの場合何をされるか分かったもんじゃない。下手すると殺されそうだ。よって却下。2つ目はこいつらを殺すという選択。こいつらが賞金首でない限り此処で殺すと国に追われることは分かりきっている。よって却下)


(まぁそうでしょうね。それで、3つ目は何ですか?)


(3つ目はこいつらをボコして気絶させたところを適当な船に詰めて何処かに運んでもらう。金を払うことになるがこれが一番いい方法だと思うんだけど、どう?)


(そうですね。普通に気絶させた後自警団に運ぶ。というので良いんじゃないでしょうか?)


(…………そ、そうだね。そうするか)


(クスクス、そうですね。そうしましょう)


と楽しそうに笑っているリーディア。

は、恥ずかし!あんな普通の答えも考えられなかったなんて……ちょっと怠けてきてるかな?いかんな。しっかりせねば。

と反省していると他称ママと言う奴が。


「オイ!テメェ聞いてんのかゴラァ!あんま舐めてっと『燃やし尽くす』ぞ」


と言うと他称ママと言う奴の周りに鬼火のような黒い炎の球体が2つ現れる。

おぉ!何だ?何だ?どうやったんだ!?不覚にもまったく分からなかったぜ。

と微妙に心の中で狼狽えていると。


「ヒャハハハ! ママの称号タイトルは『黒炎を征する者』なんだぜ! テメェなんか足元にも及ばないんだよ! 今のうちにテメェの所持品と背中に背負ってる女を置いて行ったら見逃してやるよ!」


とホブゴブリン(仮)がネタバレしてくれました。どうもありがとうございます。

と心の中で手を合わせ礼をしながら考察する。

『窓』の過去ログには黒い炎の出現時にわずかにだが周囲の『魔素』に変化があった。多分あの黒い炎は『魔素』によって作られたモノと見て間違いないはずだ。となるとタイトルは『魔素』を燃料に発動する魔法ということなのか?ということは俺のは身体強化系の魔法ということか。

っと話が脱線したな。まぁ取り合えず『窓』に黒い炎の情報を映し出す。……ふむ、どうやらあの黒い炎は闇と火属性の合成魔法と見た方がいいな。火と闇はどちらも破壊の属性を含んでいるから威力が普通の炎の5~6倍ぐらいになってるみたいだ、しかも普通に水を掛けても火属性が消える前に闇属性が水を飲みこみ消し去ってしまうみたいだな。

ふ~む、厄介だな。黒い炎を打ち消すには水と光の合成魔法じゃないと無理そうだな。……そんな魔法あったかなぁ?むむむ。

と考えていると。


「……そうか、無言ということは抵抗するっていうことだな。いいぜぇ! 『燃やし尽くしてやる』よ!」


と他称ママという奴が叫ぶと黒い炎が2から6つに増えて、俺に向かって放たれた。

黒い炎は2つ1組で左右と上から大きく弧を描く形で俺に迫ってきた。ちなみにさっきまで野次馬がいたが他称ママと言う奴が黒い炎を出した瞬間に逃げて今道には俺と俺に背負っている侍女さむらいおんなと3人組だけだ。


(御主人様!!)


(わかってる!)


とリーディアが念話で叫んできたので俺は返事をし気を身体に巡らせバックステップで黒い炎を避ける。

俺が着地をしたのと同じぐらいに6つ黒い炎が俺のいたところでお互いにぶつかる。

俺は爆発するんじゃね? っと思ったがそんなことは無く。むしろ6つの黒い炎が合体して1m程のデカい炎の塊となって再び俺に迫ってきた。


「チッ! しつこい!!」


と言いつつ俺は魔力を練りながら裾から『打神鞭』を抜き出す。

抜き出した勢いでカッカッカという音を鳴らしながら伸びる。

俺は片手で『打神鞭』を上から勢いよく振り下ろしながら言霊を紡ぐ。


「【風牙斬ブラム・ファング】!」


『打神鞭』を振り下ろしたところから真空の刃が生まれ黒い炎を2つに斬り裂く。が、黒い炎はそのまま2つに分裂しそのまま俺に迫ってきた。

って、やっぱり実体がないモノには風系統は効かねぇか。さて、どうしよ。

と考えている間にも2つの黒い炎は俺に向かって体当たりを仕掛けてくる。

多分当たったら消し炭だろうなぁ。

なんてことを考えながら避けていると突然思いついた。


「そうだ、実体がないなら実体を作っちまおう」


と呟く。

そうしていると黒い炎は今度は左右から挟み撃ちを仕掛けてきた。

……ちなみにチンピラ3人組は宿の玄関前で腕を組んでこちらをニヤニヤながら見ている。まぁイラつくだけだから別にいっか。

俺は上にジャンプし挟み撃ちを避ける。うぉ!気で強化してあるせいか軽く10m程跳んでしまった。まぁ大丈夫か。

下では黒い炎はお互いがぶつかり、そして合体して今度は上昇して俺に向かってきた。

俺は空中で身を捻り地面を向き『打神鞭』を裾に仕舞い右手を突出す。

黒い炎があと少しで俺の手に触れる瞬間に俺は言霊を紡ぐ。


「【結破冷断ライブリム】!」


と唱えると手の平から青っぽい冷気の波動が放たれる。

黒い炎は冷気の波動に触れたところから瞬時に凍り付いていき少し経つと完全に凍りついた。

よし。闇属性が氷を消し去る前に凍り付かせてやったぜ。これで物理攻撃で破壊できたらいいけどなぁ。……って、よく考えたらまた出されるだけだなぁ。う~ん。となると着地と同時に速攻で気絶させるか。

といろいろ考えているうちに俺と凍りついた黒い炎が落下を始めた。

俺は脚を重点的に気を巡らせ魔力を練りながら着地の体勢を作る。

まず最初に凍り付いた黒い炎が地面に落ちた。凍り付いた黒い炎は地面に当たったと同時に砕け散りダイヤモンドダスト?になって消えた。

次に俺が地面に落ちたが俺は極力衝撃を落とし身を捻りながら着地しチンピラ3人組に向かって右手を突出し言霊を紡ぐ。


「【雷撃破ディグ・ヴォルト】!」


と威力をかな~り落とした一条の雷撃を三人に向かって放射する。

チンピラ3人組は俺が黒い炎を凍らしたことに驚いていたらしく雷撃を何の反応もしないまま盛大に喰らった。


「「「アブギャブビラジベギリャァァァァ!!!」」」


と全身を焦がし煙を上げながら倒れ伏すチンピラ3人組。


(……偉そうに自慢していた割には弱かったな)


(いえ。この人たちが弱かった。というより御主人様がこの人たちより強かった。ということじゃないですか?)


(ふ~む、そんなもんかね?)


(そんなものですよ。称号タイトルを所持している人はあまりいませんからね)


(へぇ~。そうなんだ)


と俺はリーディアと念話で会話しながらチンピラ3人組の手足を氷の枷で拘束する。

さて、チンピラどもはこれで良いとしてとりあえず侍女を部屋に放り込んでくるかな。……てかさっきまで動き回ってたのに全然起きないんだけど。……まぁいいか。

そう思いながら俺はチンピラどもを放置し宿の中に入る。

宿の中は荒らされ形跡がないところから見るにチンピラどもは娘さんを人質に店の前で突っ立ていただけか。

そう思いながら2階に上がろうと階段へ歩いていこうとすると厨房から宿のオヤジが飛び出てきた。


「お、お前無事か?怪我ねぇか?大丈夫か?あいつ等はどうなった?」


と声を荒げながら俺に迫ってきた。

うぉぉい!暑苦しいおっさんに言い寄られてもキモいだけだからコッチ来るな!

と思いながら宿のオヤジを落ち着かせさっきまでのことを説明する。

宿のオヤジは。


「……そうか。分かった。あとのことは任せとけ!」


と自分の胸を叩きながらそう言って外に出て行った。

俺は腕時計を見てみるともう7時だった。外を見てみると真っ暗だ。

俺は侍女を背負ったまま階段を上り、俺が最初に借りた部屋に入るとベットに侍女を放り込み書置きを残しサッサと部屋を出て鍵を掛ける。

そんでから俺はさっき説明のついでに借りた隣の部屋に入り服も着替えずに即行で寝た。だって疲れたら……zzz……


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