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巻き込まれた魔法使い  作者: 白銀
第二章砂漠の都
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第16話再会


―――リスティナ貿易国家:東区:砂鮫の骨休め亭―――


俺は今、東区にある砂鮫の骨休み亭とかいう宿屋の1階にいる。

この宿屋は1階が食堂兼酒場みたいな感じで、2階と3階が宿の部屋になっている構造だ。結構デカくてそれなりに歴史のある老舗の宿屋で、なんでも過去に何度か『勇者』も泊まりに来たらしい。まぁ、ホントかどうかは知んないけどな。

んで俺がなんで此処にいるかというと、リーディアスさんが気絶した後にあのオークが戻ってきたんだよ。しかも大勢の私兵を率いてな。もう面倒くさかったからさぁ、即行でリーディアスさんを担いで逃げたんだよね。案の定あのメタボリックボディーのオーク共じゃぁ、俺の全速力での逃走には追いつけなかったみたいでね、あっという間に突き放せたよ。

その後は簡単だ。振り切ってからもそのまま走り続けていると、何処をどう通ったかは忘れたが東区のこの宿屋の前に出たんだよ。俺はリーディアスさんを担いだまま、宿屋に入って泊まりたい旨を伝えたら此処のオヤジが豪快に笑いながら。


「がっはっは。若いっていいねぇ。よし!いいだろう。半額の1500Lで部屋を1部屋貸してやる!」


といろいろ勘違いしたまま部屋を貸してくれた。あとで誤解を解いとかんといかんな。

その後、俺は借りた部屋に行きリーディアスさんを部屋のベットに寝かせて書置きを残しバックパックを置いて、1階の食堂の席に座って本を読んでいる。あ、もちろん変装してな。服とかペンダントはそのままだけどヘルメットとガスマスクは外していて、今は同じ迷彩柄の丸天帽子とターミネーターが付けてそうなグラサンを付けている。

俺は時計を見てみる。11時29分か。腹減ってきたなぁ。何か食うかな。そんなことを思いながらテーブルに置かれているメニューを見てみる。


「………………何これ。」


いや、文字は読めるんだよ。でもねメニューには『砂魚すなざかなとポリントロンのゴルゴン炒め』っていう類のメニューが書いてんのよ。正直言って美味いのかが分からん。どしよ……。

と悩んでいると宿の扉についているベルを鳴らしながら誰か、おそらく新しい客が来たのだろう。食堂の給仕をしていた少女が『いらっしゃいませ~』と言っている。まぁ俺には関係ないか。それよりも飯だ。どれが美味いのかなぁ~。

なんて考えていると後ろから。


「あ、あれ?ザザさん?」


と声を掛けられた。驚いて振り返ると、そこにはリスティナに入ってから分かれた魔女っ娘リディシア男の娘パロクとロディアスさんが入口に立っていた。

3人は俺を確認すると給仕の少女に何か言ってこっちに歩いて来た。


「ま、また会いましたね。ザザさん。」


と微笑みながら言う魔女っ娘リディシア。なんか若干嬉しそうな……自意識過剰だな。


「あれ、仮面は外したんですか?」


と聞いてくる男の娘パロク


「ああ、あれは悪目立ちしたからな。外したよ。」


「あぁ、なるほどな。」


と言い何やら合点がいった。とでも言いたそうに頷いているロディアスさん。


「なるほどって何でですか?」


と俺が聞き返すと、3人は俺が座っている4人掛けのテーブルに座った。ちなみに席順を言うと俺が左でその隣にロディアスさん。んで俺の前に魔女っ娘でその横に男の娘が座っている感じ。


「実はな、儂がワークで依頼の報告をして2人を待っている時にな、他の冒険者の奴が言ってたんだが、珍妙な格好の奴を見た。って噂で持ちきりだったぜ。これ、多分おまえだろ。」


「ち、珍妙って。…………そう見えるの?」


と3人に聞き返すと。


「見えました。」


「最初にあったときはそう思ったけど今は普通だよ。…………まだ、ちょっと変だけど。」


「物凄く怪しかったぜ。」


という返事を頂きました。

……………………ま、マジかよ。orz

と心の中でへたり込んでいるとロディアスさんが。


「それで、登録したのか?」


と聞いてきた。


「ん、登録したぜ。」


「そ、それじゃあ、フレンド登録しませんか?」


と魔女っ娘が聞いてきた。

……何それ?


「ごめん、フレンド登録って何?」


「え。か、係りの人に教えてもらわなかったんですか?」


と小首を傾げている。


「ああ、自情報表示ステータスの出し方しか教えてもらってないな。」


「そ、そうなんですか。」


と憐みの目で見てくる男の娘。

そ、そんな目で見ないでくれぇ~。


「と、言うことはだ。お前、そのカードの使い方ほとんど知らないんじゃないのか?」


「……まぁ、そういうことになりますね。」


このカードは『魔眼』で視ても意味不明の部分が多いしな。


「……お前、何処の受付で登録したんだ?」


「誰も並んでなかったところでやったんだけど。」


「……それって受付の人がカウンターで寝ているところですか?」


「そうだけど。それがどうかしたか?」


「そ、そこの受付にいる人は、こ、此処のワークのワ、ワークマスターなんですよ。」


……わーくますたー?何それ?ギルドマスターみたいなもんか。


「へぇ~、そうなんだ。」


「そうなんだ~。って、お前それがどういうことか分かってんのか!」


「はぁ?どゆこと?」


「……ザザさん。」


と呆れ顔で見てくる男の娘。

え?え?どういうこと。


「ワークマスターってのはな、あそこの冒険者ワークの最高責任者なんだよ。しかも、噂では此処の王族とも親交があるとかないとかっていう噂があるぐらいの凄いお方なんだよ!」


と声を荒げながら語るロディアスさん。

…………はぁ?


「ええぇぇ!!あの爆睡少女がワークマスタァァァァ!?マジで!?」


「おま、爆睡少女って!何言っちゃってんの!」


「……まさかザザさん。それ本人に言ったんじゃ。」


「…………バッチリ言っちゃった。」


「ザ、ザザさん。」


と憐みとも同情とも取れる視線で俺を見てくる3人。

…………………………………………………よし、過ぎたことは忘れよう。


「……俺は過去を振り返らない主義だ。というわけで、このカードの使い方教えてくれ。」


「おまえ……いや、もう遅いか。」


「ザザさん。カッコよく言ってるけどそれ、問題を先送りしただけじゃぁ……。」


無問題モーマンタイだ。それよりも、早く教えておくれ。」


「……ザ、ザザさん。」


と残念なモノでも見るかのように俺に声を掛ける魔女っ娘

早く!魔女っ娘の視線が痛い!というアイコンタクトをロディアスさんに送る


「はぁ、しゃぁないな。んじゃ言うぞ、っとその前に。」


「あん?その前になんだ?」


「飯だよ。すいませ~ん!」


と言うとロディアスさんは給仕の少女を呼んだ。


「『モリディウスのガンビク焼き』を5人前だ。」


とロディアスさん。


「『ポリクスインのガガロ煮』を1つください。」


と男の娘。


「『砂魚とポリトロンのゴルゴン炒め』を、ひ、1つ、く、ください。」


と魔女っ娘。

え!え!ど、どうしよ!えっと、えっと。何か知ってそうな食い物は~。無い!どうしよ。あ~!給仕の少女が待ってるぅ!早く決めんと!う~う~

…………………っは!もう、これでいいや!


「……お、おすすめで。」


「かしこまりました~。」


と言い給仕の少女は厨房の方へおそらく注文を言いに行った。

給仕が去るとロディアスさんが。


「さて、んじゃ説明するかな。」


と言いロディアスさんは説明を始めてくれた。

……料理はどんなのが来るのかな?

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