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巻き込まれた魔法使い  作者: 白銀
第二章砂漠の都
13/25

第13話出会い


―――砂漠:遺跡~リスティナ―――


「はぁ、はぁ、はぁ、」


俺は今、リスティナへ向けて砂漠を横断中だ。移動はもっぱら日が沈んでからまた昇るまでの夜の間に移動し、日が昇っている時間は天幕を張って寝る。という感じで5日間が過ぎた。んで今日も何時も通り寝るはずだったのだが、現在は昼にもかかわらず砂漠を全力疾走している。まぁその理由は後ろの……


「「「「「グゴォォォォオオォォォォォォォオオオオオォォォォ!!!」」」」」


「うおぉおおぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉお!!!!」


とデカい咆哮を上げながら俺を追掛けているのはデカい爬虫類、いや、まんまトカゲか。トカゲの集団に追掛けられているからだ。全長3m程のデカいトカゲが凄いスピードで俺を追掛けている。まぁ俺も『気』の身体能力強化を使用してるからそうそうには追いつけないと思うけど……


「ガアァァァ!!」


とトカゲの1匹が叫ぶとトカゲの周囲に炎の矢が2本、形成された。そして、作られた炎の矢は俺に向かって勢いよく迫ってくる。


「チッ!ウザい!【氷の矢フリーズ・アロー】」


俺は走りながらエクスカリバーの柄を握り魔法陣を描き、呪文を唱える。これ、エクスカリバーに触れながらだったら『水系統』の呪文の詠唱を省くことができるみたいだ。流石『氷の聖刀』って感じだぜ。

そんなことを思いながら俺は氷の矢を4本作りだし2本を炎の矢の迎撃に回し、2本を炎の矢を放ったトカゲ、もとい『魔物:デザートドラゴン』に向かって解き放つ。炎の矢と氷の矢は互いに当たった瞬間に爆発した。その爆風でデザートドラゴンを2匹、バラバラにして吹き飛ばす。

そして、残りの2本の氷の矢が別の2匹のデザートドラゴンに突き刺さりデザートドラゴンは氷漬になり、砕け散る。さっき斃したので合計50匹ほどのデザートドラゴンを葬って残りは約10匹程だ。あ~疲れた。けど、止まったりしたらヤバい気がするからな。さっさと片すか。

俺は走りっぱなしのまま後ろを見る。……増えてる?確かに、最初見た時は約60匹程のデザートドラゴンが、俺に襲い掛かろうとしていたのだが、今見てみるとデザートドラゴンが10匹と、オオカミのような外見だけど目が4つあって足が6つある『魔物:デザートヴォルフ』が20匹、

デカい鷲のような鳥だが羽が2対4枚あって口から火が出ている『魔物:デザートバード』が2匹、……多い!いくら砂漠固有の魔物だからって数が多すぎだよ!チクショー!そんなことを思っていると……


「ガアァァァァ!」×10


とデザートドラゴンが咆哮したと思ったら空中に炎の矢が20本程出現する。

チッ!ヤバいぞこりゃ。あんなの食らったらいくら俺でも足が止まっちまう。もし止まったら……囲まれる。数で負ける。んで食われる。結論、死ぬ。……絶対嫌だ!

俺はエクスカリバーの柄を握り直し空中に魔法陣を描き、呪文を詠唱する。


「【空と大地を渡りし存在(もの)よ。優しき流れ、たゆとう水よ。幾百幾十の力となりて、天に集いて力となれ>>>・氷結弾フリーズ・ブリッド】」


俺が呪文を唱え終わると魔法陣から空に青い光球がおよそ100個程度浮かんでいる。この魔法は一応アレンジ魔法だ。詠唱しないと普通の氷結弾になっちまうからな。まぁそれでもエクスカリバーの力で威力は増幅するんだけど。おっと、そんなことよりも、っと。

俺は氷結弾を魔物共に向かって解き放つ。百数十単位の数の氷結弾が魔物に向かって降り注ぐ。だが、その瞬間……


「ガアァァァァ!!」×10


デザートドラゴンも炎の矢を氷結弾に向かって解き放つ。空中で炎の矢と氷結弾が衝突する。そして衝突した炎の矢と氷結弾は爆発し辺り一面に爆風を巻き起こす。爆風でデザートバードはその場に叩きつけられて身動きが出来なくなり、デザートドラゴンとデザートヴォルフは吹き飛ばされはしなかったが足を止めてしまう。

そこにまだ健在な百数個の氷結弾が降り注ぎ、辺り一面全てを氷漬けにする。そして、次の瞬間に粉々に砕け散る。


「はぁ、はぁ、はぁ、ふぅ。あ゛あ゛~~、ヤバかったぁ~。」


俺は立ち止まって息を整える。いくら『気』で身体能力強化を使っていたからって、半日ずっと走っていたらそりゃ疲れるわい。あ~、しんどかった。俺は息を整えながら現在地を確認するために脳内HDDに保存してある地図を呼び出す。地図は『魔眼』とはまた違う視界の中に表示される。お!魔物に追掛けられたせいで随分距離が縮まってら。こりゃ明日には着くな。

ちなみに、この地図はオートマッピング機能があるんだぜ。……まぁいいか。俺は魔物がいた方を向く、そこにはもう砂が湿ったような跡しかなかった。


「……まぁ、悪く思うなよ。」


俺はそう呟き目的地の方へ歩いていく。どうせもうすぐ夜になるしな、もう今日は1日中歩いとこう。そう開き直り俺は歩き続ける。



~翌日~



「ほぉ、夜明けだ。」


俺はあの後、目的地に向かって黙々と歩いていた。途中、音楽でも聞こうかと思ったが止めた。危険が満ち溢れているこの世界で耳を塞ぐのは危険すぎるからな。まぁ今思ったらしなくて良かったは、その後だいたい3回ぐらいにデザート系の魔物に襲われたからな。けど、どの魔物も等しく返り討ちにしてくれたけどな。ふぅ、『バイト』で殺しも経験しといてよかったぜ。

まぁ当時はかなり精神的に死にそうになったけど、今振り返ったら経験しといてよかったと思うわ。……あぁ、考えたら鬱になってきた。もう今日はこのまま進もうかな。

俺はバックパックから携帯食料を取り出して、モサモサと食べながら歩く。すると……


――――――ぃ……ぃ、……―――……ぃ……―――


「ん?なんか音がしたような?」


今、砂漠は夜明け前と言うこともあって耳が痛くなるほどの静けさだ。唯一の音源は俺の携帯食料(朝食)の粗食音と、砂を踏みしめる音だけだと思うんだがな。魔物か?俺は耳をひそめ音を必死に聞き取ろうとする。


―――――――キィィン……ィィ……―――――…キィィン……―――


「あ゛!剣戟音か!?」


俺は音がする方へダッシュで向かう。砂丘を2つほど乗り越えたらだんだんと剣戟音がハッキリと聞こえてきた。魔物の声が聞こえないから誰かと誰かが闘ているみたいだな。俺は3つ目の砂丘の頂上に上って下を見た時に剣戟音の発信源が見えた。どうやら予想的中の様だ。

片方は十数人の集団だ。全員がアラビアンな格好をしていて、曲刀シャムシールを片手にドスゲネポスのような『魔物:デザートストーカー』に乗っている。お世辞にも善い人には全く見えない。

もう片方は3人で、装備はバラバラだが隊列を組んでいることから何かしらの集団なのだろう。よほど苦戦したのか3人とも肩で息をしている。

すると魔物に乗った集団が3人を囲んだ。そして、3人の前にいかにも御頭という肩書が似合いそうな強面の髭達磨が出てきた。ちなみに俺は砂丘の頂上で伏せていて双眼鏡片手に観察している。


「ぎゃははは、さすがに貴様らもこの人数を相手にするのは無理なようだなぁ。」


と下品な笑い声で叫ぶ髭達磨。


「っく、貴様ら、卑怯だぞ!」


と叫んだのはバスタードソードを右手に持っていて、腕と脚には鋼鉄製だと思わしき手甲と脚甲を付けていて、それ以外は白いマントで覆っている強面の男が叫んでいる。ふむ、襲われてんのかな?


「ぶひゃひゃひゃひゃ、卑怯?いやいや、戦術って呼んでほしいねぇ。」


とニタニタと笑っている髭達磨。なんかムカつくな~。


「っく!」


と悪態をついているのはロングソードとラウンドシールドを持っている男。


「ひゃひゃひゃ、おうおうおう、言ってくれるねぇ~。だけど、テェメーらはもう抵抗する事も出来ないんだぜぇ。」


と醜く笑い続ける髭達磨。ウザいな~。


「あうあうあう、な、何で魔法が発動しないのぉ~。」


と杖を振りながら必死に魔法を発動させようとしている……魔女っ娘?いやだって格好がそのまんまだもん。ぶかぶかの黒いローブにぶかぶか黒いとんがり帽子、んでその上から白いマントを羽織っているっていう格好だぜ。魔女っ娘って思っても仕方がないだろう?


「ひゃっひゃっひゃ。そりゃそうさテメェの魔法には何時も何時も苦労させられてるんでね。今回は対策させてもらったぜぇ。」


と何やら黒い野球ボール大の球を持ってほざく髭達磨。ほう、魔法を封じるとな。どれどれ、どんなのだろうなぁっと。

と思いながら『魔眼』を発動させる。すると視界の端に『窓』が開き、黒い球の情報を表示していく。……ふむふむ、どうやらあの黒い球は対象の放出する魔力を全て吸い取る、という効果があるみたいだ。なるほどねぇ、まぁ許容量は少なそうだけどな。

とそんなことを思っていたら髭達磨が手下に向かいこう叫んだ。


「よ~し、んじゃ男は殺せ!女はアジトに連れ帰るぞ!連れ帰ったら好きにしな!」


「オオッ!!」×十数人


……………む。こりゃやばいな。う~ん、どうしよ。助けるか、助けないか。助けたら後々面倒なことが起こりそうだけど、あの人たちに街まで案内してもらえるかもしんないしな。助けなかったら面倒事には巻き込まれないけど本当に在るのかもわからない街に行くことになる。ふぅ~む………………助けるか、な。まぁ一番の理由は一人旅が寂しくなった。ていうことなんだけどな。

そうと決まれば、俺はその場に立ち上がりバックパックから紅いレンズが付いているガスマスクを取り出し、装着。そして、エクスカリバーを鞘から抜く。刀身は淡く水色の輝きを放っている。俺はエクスカリバーを右手に持ち構える。


「ふぅ、さて行くか。」


俺は『魔眼』を発動したまま『気』を体に巡らせ身体能力を強化する。そして砂を蹴り、盗賊どもに向かって駆ける。


「な、何だテメェ!」


と残りあと少しということろまで来て、やっと盗賊どもは俺の存在に気づいた。そして、盗賊の1人が此方に弓を構え、そして、射る。だが……


「遅い!!」


俺は飛来してきた矢をエクスカリバーで斬り弾く。盗賊は3人を包囲したまま陣形を変え、曲刀を持つ盗賊どもが俺に向かって襲い掛かってきた。その後ろでは杖を持ったおそらく魔法使いと弓兵、そして髭達磨が此方を見たまま警戒している。


「オオオオオオオ!!」×10


曲刀を持った盗賊どもが俺に襲い掛かる。戦闘の盗賊が曲刀を俺に向かって縦一閃、俺はサイドステップで左に避ける。そして、エクスカリバーで盗賊を魔物ごと縦一閃で斬り捨てる。


「ギャッ!」


俺は血を吹き出しながら真っ二つになった盗賊には目もくれず、後ろに回り込もうとしていた盗賊2人を振り向きざまの横一線でまとめて首を飛ばす。首から噴水のように血が出て俺にも付着するが今は無視する。俺は左手でナイフを抜き、そして投擲!


ブシャ!バシュ!


此方に斬りかかろうとしていた2人の頭に突き刺さり、血を噴水のように流す。2人の体は、騎乗していた魔物からずり落る。残りの曲刀を持った盗賊どもはナイフに驚いたようで移動を止めて呆けていた。そこを見逃さずエクスカリバーを砂に刺し勢いよく斬り上げながら『言霊』を紡ぐ。


「【地撃崩斬ブレードハウト】!」


斬り上げた所から6つの衝撃波が迸り盗賊どもに迫っていく。盗賊どもは慌てて魔物を操り逃げようとするが、衝撃波は方向を変え追尾していく。盗賊どもは必死に逃げているが衝撃波からは逃げきれず追いつかれ、そして、あたりに血と肉を6人分撒き散らしながら爆発した。残りは6人、1人は杖を、4人は弓を曲刀を、最後に髭達磨が2本の曲刀を持っている。

盗賊と3人組はなんか口を開け馬鹿みたいに呆けている。


「ふぅ、で、まだやるか?」


とナイフを回収しエクスカリバーの峰で首を軽く叩きながら聞いてみる。


「な、何もんだテメェ!お、俺達を『砂漠の牙』と知っているのか!」


と訳分からんことをほざく髭達磨。俺は盗賊どもの方に歩きながら答える。


「はぁ?知るわけないだろが。俺はただの旅人だ。てかお前ら何?盗賊団か何かか?」


「な、テメェ、俺達を知らないで襲ったて言うのか!」


「|Exactly(その通り)!貴様らなんぞ俺は知らん。んで、盗賊なの?違うの?どっち。」


「……俺たちはこれでも名のある盗賊団なんだ。それを知らないだと。ふざけるな!おい、オメェ等!あいつをぶち殺すぞ!」


「オオッ!」×5


そう叫んだあと髭達磨と盗賊4人が俺に向かって来る。後ろでは杖を持った奴が詠唱を始めているのが『魔眼』で見て取れるが、ふっ構成がお粗末だ。こりゃ此処の魔法は進歩してないんじゃないのかな?

そんなことを思っていると盗賊の1人が俺に向かって斬りかかる。俺はそれを身体を傾けることによって回避、すれ違いざまにエクスカリバーを横一閃し胴を2つに斬り裂く。すると今度は3人の盗賊が三方向から斬りかかってきた。俺はバックステップで避ける。


「ひゃはははは!掛かったな!やれ!」


と髭達磨が叫ぶと斬りかかってきた盗賊が俺の前から下がり杖を持った奴との道を作った。


「【炎の咆哮フレア・ヴォイス】!!」


と杖を持った奴が呪文を唱えると杖から紅い閃光が放射された。だが、『魔眼』が瞬時に紅い閃光の構成を解析し『窓』に映す。俺はその情報をもとに対抗魔法を発動する。左手を紅い閃光に突出し『言霊』を紡ぐ。


「【亜門アモン】!」


そう叫ぶと俺の1m程前の砂が盛り上がり、そこから俺を覆うほどの巨大な青白い『壁』が出現する。そして出現と同時に着弾。あたりに轟音と閃光と爆風を撒き散らす。そのせいで砂が巻き上がり砂塵が俺と亜門を覆い隠す。俺は瞬時に亜門を解除し消滅させて砂塵から駆け抜ける。


「な、何ぃぃ!」


と髭達磨が驚きの声を上げているが無視して近くにいた盗賊に斬り掛かる。盗賊は迎え撃とうと曲刀を振るが、俺は曲刀ごと盗賊を叩き斬る。呆けていた残りの二人が気づき、弓で射ろうとするが俺はそれより速くナイフで2人を狙い、そして投擲。


ズシャ!ブシャ!


ナイフが刺さった2人の頭部から血が止めどなく流れる。俺はナイフを素早く回収し魔法使いに向けて投擲。


バキ!バキン!


魔法使いはおそらく障壁っぽいモノを展開したようだ。だが脆い。障壁は1本目のナイフを受けた途端に砕け散る。そして2本目のナイフは魔法使いの頭部に突き刺さり。頭部を貫通し脳みそを弾け飛ばす。残りは1人。


「ひ、ば、馬鹿な。あの人数が全滅だと。俺達には魔術師が居たんだ。なのになんでこんな……。」


と髭達磨はぶつぶつ言っている。


「さて、残りは貴様1人だ。」


「な、っく、し、死んでたまるか!!」


と言いながら魔物を反転させ逃走する髭達磨。


「だが、遅い!」


俺はエクスカリバーを鞘に戻し居合の構えをとる。エクスカリバーに『魔力』を込める。


キイイイィィィィィィィィン


という音と共に刀身が震え、水色の光が鞘から漏れ出す。俺はその場で足を踏ん張り……


「【気合流抜刀術:真・気合一閃】!!」


という気合の言葉と共に刀を振るう。すると、刀を振るった線上にあった砂丘や髭達磨が一瞬にして凍りつき、そして砕けた。俺の前方には最早起伏するものはなくただただ平坦な湿った砂漠が広がっていた。



俺はエクスカリバーを鞘に戻して、盗賊の頭部に刺さったナイフを回収する。

俺はチラッと3人組の方を覗くと。……全員口をだらしなく開けてポカンってな感じで呆けてるよ。あ~やっぱ最後のがダメだったかなぁ。てかどうしよう。声を掛けるか?でもなんか面倒なことになりそうだしなぁ。う~ん、どうしよう。

そんなことを考えていると……


「あ、あの!」


とどうやらいろいろ回復したらしい魔女っ娘が声を掛けてきた。

あ~よかった。向こうから声を掛けて来てくれて、俺はあれだからね対人関係で臆病者チキンだからね。俺から話しかけることなんて無理無理。


「ん、何ですか?」


と当たり障りのなさそうな言葉を掛ける。


「あ、あの、た、助けてくれて、あ、有難うございます。」


「ああ、気にしないで、気にしないで。こっちも思惑があって助けたんだから。」


「え……。」


と俺が言った言葉にたいして警戒する魔女っ娘。あちゃ~、言い方間違ったな。


「いや、俺は旅人なのよね。だからここら辺の街の情報とか持ってないのよ、だから教えてもらおうかなぁ~。って思って。」


「あ!そ、そうなんですか。す、すいません。へ、変に警戒しちゃって。」


「いやいや、謝らないでください。こっちの言い方が悪かったんですから。」


「そ、そうですかぁ。」


と上目使いで見てくる魔女っ娘。う~ん、小動物チックでなんかこう頭を撫でまわしたくなる衝動が……。


「そ、それよりも、あれ、あのままで良いのか?」


といまだに呆けている2人を指さす。


「ほえ、あ!ちょ、ちょっと2人とも!」


と慌てて2人の方に行く魔女っ娘。

さて、これからどうするかなぁ~。とりあえず自分の種族を考えとかないとな。人間だぁ。とか言ったら面倒なことになるのは目に見えてるしな。え~っと、一番人型に近いのは何だったけ。あ、偽名も考えないとなぁ。……ネタに走るか。

とそんなことを考えていると魔女っ娘が呆けていた2人を連れて此方にやってきた。


「いやぁ~、助かったわい、ありがとな。儂の名前はロディアス。ロディアス・カロスティーだ。種族はオーガだ。」


とバスタードソードを持ったおっちゃんが頭を掻きながらやってきた。

ふむ、ロディアスのおっちゃんはオーガというだけに身長がだいたい2mぐらいあるな。額から角が1本生えていて、歯が尖ってらぁ。その上眼が深紅で肌が赤黒く禿ときた。いやぁ~、ね。むっちゃ怖いよ。


「助けてくれてありがとうね。僕の名前はパロク。パロク・クリスティンっていうんだ。種族はエルフだよ。」


とロングソードとラウンドシールドを持った男が名乗りながらやってきた。

……松村さん?って思ってしまうほどそっくりだ。だが、ちゃんと見てみると耳が尖っていてピンっと立っているのが見える。髪は銀髪のロングで下手すると松村さんより女っぽく見える。あ……いかん、一瞬女のように見えてしまった。


「え、っと。わ、私の名前はリディシア。リディシア・クロウシアと言います。種族はバンパイアです。」


と身の丈ほどのデカい杖を持った魔女っ娘が自己紹介をする。

ほほう。吸血鬼ヴァンパイアね。……でも地球の吸血鬼ヴァンパイアとは違うみたいだな。だって唯でさえ日の光が強い砂漠の真ん中にいる。ってことは、太陽光に耐性がある。ってことだからな。あぁ、あと魔女っ娘の身長はだいたい150㎝ぐらい。んで、その衣装でほとんど表情とかが分からん。まぁ脱げ。ともいえんしな。まぁいいか。

と思っていると3人が俺を見ていることに気づいた。…………あぁ!俺の番か。


「俺の名前は、……ザザ。赤眼のザザだ。種族は……人魔族だ。」


偽名は某デスゲームのキャラの名前を頂戴いたしましたよ。ガスマスクで赤眼だしね。種族の人魔族はあれだ、この世界で一番多い種族なんだよ。だから偽名……っていうか偽種族にはもってこいだったりするんだよね。……まぁ人魔は人間に似てるから大丈夫か。


「ザザだな。分かった。事情はリディから聞いたわい。街まででよければ案内しよう。」


とロディアスさんが右手を出して言った。

ん、街までね。了解、了解。


「あぁ、よろしく頼む。」


と言い俺も右手を出し握手をする。

うお、手デカ!俺の手の2倍ぐらいあるんじゃね?

そんなことを思いながら俺と3人は砂漠をリスティナ向けて歩き出した。

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