モブな僕らの日常
「うちのクラスは全員仲が良いんです」
え?そんなことないって。だって、見てみろよ、ほら。見事に陰と陽に分かれてるじゃないか。
僕?僕はもちろん、陰キャだよ。
くっそ~、なんでよりによって・・・
今日は始業式。つまりはクラス替えがあった。そこで僕は・・・彼と同じクラスになってしまったのだ!
いつも人に囲まれ、学年一の陽キャとも言われる彼と!
しかも隣の席とは・・・今日から僕は陽キャに囲まれ、いじられ、パシリになって・・・最悪の一年を過ごすんだ・・・はは・・・
じゃあせめて、最初の方だけでも平穏な学校生活が送れるようにできるだけ関わらないようにしようじゃないか・・・
僕の名前を呼ぶ声がするけど、どうだっていいよね・・・はは・・・
キーンコーンカーンコーン
終わったぁ!さあ待ちに待った放課後だ!今日の予定は一件!友人とカフェに行く!さあ行こう!友の待つ場所へ!ッタァー!
*****
なんなんだよ今日は・・・隣の席の奴がすごい奴だって聞いてたんだけど?
思いっきし変人じゃねぇか・・・いや、俺もね?よく周りの奴から変人だって言われるけどよ、俺はあんな奴と同じ分類にされたくねぇ・・・
え?何があったのかって?それ聞くか?その出来事で傷ついてる奴に?
ったく・・・しゃあねぇなぁ・・・今日クラス発表のあとに教室に行ったら、席表が張り出されてたわけよ。それ見たら俺の隣の席に人が座ってたんだ。んで、そいつと元同クラの奴に聞いたらさ、めっちゃすげぇ奴とか言うわけよ。けどその席に座ってた奴なーんかパッとしなくてさ。ずっとぼーっとアホ面しててさ。そんな奴すごいわけがないよな?まぁでも?一年間一緒にいることになるわけだし、一応話しかけたんだよ。
そしたらそいつ、どんな反応したと思う!?無視だぞ無視!ずうっとアホ面のまんま!俺生まれてこの方あんなに無視されたの初めてだよ・・・
で!その後面白かったのがさ、チャイムが鳴って、放課後になった瞬間に、あいつの顔つきが急に変わってさ!呼び止めようとする俺を無視して教室飛び出してったんだ。ったく・・・もう何がなんだか・・・
*****
「いや、普通に接すればよくね?」
放課後のカフェ。親友が「隣の席が陽キャになった〜」とか泣きついて来やがった。
「僕ら凡人以下の陰キャと彼ら陽キャの普通は違うんだ!君はこうして接してくれているけど、彼らと友達になんてなったら・・・」
こんだけ避けられてるとなんだか陽キャくんが可哀想になってきた。
てかこいつ今、自分のこと凡人以下って言ったか?・・・こいつが凡人以下だったら俺は何なんだよ。
しかも、こいつがカフェで勉強してみたいけど一人じゃ無理だからついてきてとか言うから来たのに。勉強どこいった?
まぁ、しょぼくれてるこいつを見ることなんてそうそうないし、今日はこの珍しい親友を堪能しとくか。
「ねぇ聞いて・・・」
カランカランカラン
ドアベルの音。誰か入ってきたんだろう。あれ?親友の言葉が止まったな。どうしたんだ・・・って。
顔を上げると、そこには親友がいたはずなのに・・・誰もいない。え?は?え?親友が・・・ドアベルの音とともに消え去った。
*****
いやー、びっくりしたよ。行きつけのカフェに行ったらあいつがいるんだから。まぁ一瞬固まるよな。けどあいつの行動は早かったぜ。カップに残ったコーヒーを飲み干して、傍らに置いてあったカバン掴んで、俺の横をすり抜けて出ていったんだから。反射神経と運動神経バツグンだよな。え?運動神経いいのは当然だって?なんで?え?運動も勉強も学年一?は?そっちのほうがびっくりなんだが。まぁそれはそうとして、俺もびっくりしたけど、あいつの連れも相当びっくりしてたぜ。顔を上げたら目の前にいた人が消えてんだから。思わず声かけちまったよ。・・・にしても俺、そんなにあいつに嫌われることしたっけな・・・?今日初対面のはずなんだけど。
*****
「えーっと、君あの子の友達?」
は?え?誰?あ、いや見たことある。うちの学校一のイケメン野郎だ。女子がキャーキャー騒いでたから知ってる。で、なんでこいつが俺に話しかけるんだ?俺、未だに状況が掴めてないんだけど。ちょっと親友?どこいった?この状況は一体どういうこと?てか、あいつ食い逃げした?コーヒーだけちゃんと全部飲まれてるぞ。俺に払えってことか?親友?次会ったら覚えとけよ・・・とにかく今は、この状況をどうにかしないと・・・
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ごめんよ親友・・・逃げちゃってごめん。俺の身代わりになってくれ。
んー・・・なーんか忘れてる気がするんだけど。
あ!お会計・・・!
君の世界は君が主人公なんだよ。




