6 グルーミング
吾輩が外で黄昏ていると辺りが暗くなってきたので急いで家に戻った。
家に戻ると吾輩の食事が用意されていた。吾輩の大好きな焼き魚である。
ママさんが魚の骨などを丁寧に取くれて、尚且つ、身の部分も食べやすいように小さくほぐされている。
最高である。そして、デザートには低脂肪のヨーグルトがあり、吾輩は夕食にとても満足した。
吾輩はお決まりの毛づくろいをはじめようとすると、家に帰ってきていた主の妹のミキちゃんが近づいてきた。
「じょにー、おかえり」「会いたかったよ」
「にゃー」
吾輩もミキちゃんに挨拶をした。すると
「じょにー。お風呂に入ろうね」
吾輩はミキちゃんに抱かれてお風呂場に連れていかれた。
そこには大きな桶が置かれており、とてもぬるいお湯が入れてあった。
「じょにー。まずは体を洗ってあげるね」
最初に吾輩が着ていた衣装を脱がしてから、吾輩を桶の中にゆっくりとおろした。
ミキちゃんの手は優しく吾輩をマッサージをするような感覚で、吾輩専用の石鹼を使って体を洗っていく。
吾輩がミキちゃんに身をゆだねているとぬるめのお湯で体の汚れを流していく。
その後、大きなモコモコしたタオルで全身を拭いてくれた。
「次はブラッシングをしてあげるよ」
タオルで全身を包まれた状態の吾輩はリビングに連れていかれる。
吾輩を抱えたミキちゃんがリビングのソファーに座ると、これまた吾輩専用のブラシで吾輩の体全体の毛をブラッシングしていく。
ブラッシングが終わると、耳のお掃除である。そして、爪を整え、吾輩の手と足の肉球に吾輩専用のクリームを塗っていく。最後に歯磨きをして、終了である。
ミキちゃんはとても満足そうな笑顔で吾輩を抱きしめる。
その後、ママさん同様にキス攻撃をしてくる。
キス攻撃の後、再び抱きしめ攻撃を受ける。
しばらくの時間、吾輩は拘束された状態になるのであった。
ミキちゃんは満足したのか、吾輩の拘束を解いた。
吾輩が束の間の安らぎを感じていると、食事の後片付けを終えたママさんが吾輩を抱きしめ、キス魔と変貌する。その後、ミキちゃんが再びリビングに来るまで吾輩は、ママさんに拘束されるのであった。
ミキちゃんが再びリビングに来ると、ママさんとささやかなバトルが勃発する。
「今日は私がじょにーと寝るの!だから早くじょにーを返して!」
「だめよ。じょにーの彼女は私なんだから彼氏は譲れないわ!」
毎度のことであるが、いつ、ママさんが吾輩の彼女になったのか不明である。
主とパパさんが遠くから見て笑いを堪えているようだ。
結局いつものようにじゃんけんで吾輩争奪戦の決着をつけたようである。
今夜の勝者はミキちゃんであった。
今の吾輩はママさんからさらなるキス攻撃を猛烈に受けている。
「ママ!いい加減にして!」
ママさんは渋々、吾輩をミキちゃんに引き渡した。
吾輩はミキちゃんの部屋へ連れていかれる。
そして、今の吾輩は絶賛ミキちゃんからの抱きしめ拘束中である。
吾輩はいつものように、是が非でも主と一緒に研究所へ帰らなければならいと決意するのであった。
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