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吾輩は猫である。夢は秘密である。  作者: ゴリさん


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37 スター誕生

今日もチャッピーのプロモーション活動は無事に終了した。

チャッピーのプロモーション活動の旅に出てから1週間が経過し、明日行く場所で最後となるようだ。


イベントの最後には必ず、吾輩との握手会企画が予定されており、吾輩にはまったくもって理解出来なかった。一時はプレゼントでおいしい食べ物が貰えるからと喜んでしまったが、今では後悔しかない。

吾輩の握手会は日を追うごとに人数が増えていた。最初は100人だったのに今では300人になっている。「ふざけるにゃー!」と吾輩は声を大にして叫びたい。


握手会と並行してチャッピーの購入予約をすると特典として先着100人限定で写真撮影が出来るなど、吾輩を本当にニャンだと思っているのだ。写真撮影では吾輩への頬擦りやキスなどは禁止にもかかわらず、ママさんのような強烈な視線を送ってくる人が増加している。イベントに毎回参加している強者(つわもの)が数人おり、必ず握手会と写真撮影で吾輩にアピールしてくるのでとっても怖いのである。


吾輩の衣装にも問題があった。毎回少しずつ違うようなのだが必ず豪華な衣装であった。吾輩には細かいことは分からないが、白いスカーフみたいなものを首に巻き、焦げ茶色のベストを着る。その上に深緑色の生地で袖に金色の刺繍がされた上着を着て、ズボンは裾が少し短くなったものをはく。


今では吾輩の呼び名はハーフ&ハーフである。

ではなく、じょにーとあんどれである。

知らない人の名前を呼ばれても吾輩は反応に困るのである。

ユイちゃんは知らないことで困ったらググって調べると言っていたが、吾輩もググってみたい。

でもユイちゃん。ググるって何?しばらく吾輩の頭の中は迷宮入りとなった。




今は電車で移動中である。今日の電車も新幹線である。向かう先は大都会らしい。港の近くの大きな会場でフィナーレらしいが、吾輩にはなんだかやな予感しかしない。本当に吾輩グレちゃうかも・・。



ホテルの部屋に着いた吾輩はお疲れ度MAXである。凝り固まった体をのびのび体操でほぐし、窓から外の景色を眺めて心を癒すのであった。



吾輩がだらだら過ごしているうちに翌日の朝になっていた。


「さあ、じょにー。今日が最後だからね。もう少しだけ辛抱してね。今日はじょにーにうれしいサプライズがあるらしいよ。楽しみだ」


主の言うサプライズとは何だろう。本当に吾輩が喜べることなのか怪しい。この悪魔のささやきを信じてはいけない。今度主が噓をついたら、主が寝ている時に吾輩のヒップアタックを顔に食らわせて鼻の上にお座りしてやる!

でも、もう我慢できないから今夜は主をお仕置きするのだ!今夜は必殺仕事猫のベールを脱ぐタイミングなのだ。世闇に紛れて静かに仕事をする。それが吾輩。ブラック ジョニー。静かに夜を待つ。




今日の吾輩には静かに夜を待つことが許されなかった。今日のイベント会場は今まで行われたどの会場よりも大きな場所であった。人も桁違いの数が集まっている。


「なんじゃこりゃ?」


もう吾輩、お家に帰りたい。




『チャ。チャ。チャチャ。チャ。チャァーッピー♪ チャッピー♪ チャッピ!』


いつもの変な歌が流れ始めた。どうしてこんなヘンテコな歌を作ったのだろう。これではチャッピーを買いたいとは思わないのではないだろうか。人間て本当に不思議。


吾輩の気持ちとは関係なくチャッピーのプロモーション活動最終日のイベントが開始された。


「皆様お待ちかね。貴公子じょにーの登場です!」


「きゃー」「じょにー!」「きゃー」「アンドレー」「あいしてるー」


「え?」「何これ?」


「チャッピーのイベントなのにもう内容が変わってない?」


今日の吾輩は今まで以上に状況を理解が出来なかった。



「今日の衣装も輝いています。まさにスター。流石、貴公子じょにーですね」


「近日、写真集の販売が決定しているようです。スター誕生ですから当然の流れですね」


司会の人が訳の分からないことを言っている。

今日の会場には映画館で使用されるような大きさのスクリーンがあり、そこに吾輩がでかでかと映っている。

少しすると、吾輩が猫スマッシュでチャッピーを弾き飛ばしている映像も流れている。その度に会場から声援が送られてくる。今日も吾輩はユイちゃんに抱えられているが、すでに吾輩の手は車のワイパー状態で忙しく動いている。


なんだかチャッピーはおまけのような状態になっているけど大丈夫?

吾輩はしらんけど。


チャッピーの紹介、ちゃちゃっと終わったけどいいの?

吾輩しらんけど。


吾輩の握手会&撮影会は非常に理解が出来なかった。今回は500人が参加している。


「馬鹿にゃのか・・・」「もう、いや」「吾輩いじけてもいいよね?」「うん」


吾輩は壊れてしまった。


次回からは、らいでんの物語が始まります。って言っちゃうぞー。

吾輩はお家に帰りたい。か・え・り・たーい。


らいでんは吾輩をガン見したままだった。




長かった握手会&撮影会も終わったと思ったら、別会場で写真の撮影があるらしい。

吾輩が V・I・P らしい。そんなのかんけーねー。吾輩しらんけど。



会場に着くと プリティ キャット ガァ~ル 数匹が吾輩を待っていた。

貴公子 じょにー 只今、参上でござる。


「お待たせ。ハニー達」


「吾輩のこの胸のモフモフに飛び込んでおいで」


「吾輩のこの赤い毛は、吾輩の バァーニィィンググ ハァァァーット の現れさ」


吾輩は彼女たちにキャーキャー言われながら有頂天になってしまった。

なんだかとてもスウィィィートな時間を過ごしている。素晴らしい時間である。


吾輩は女の子に気を取られてしまった為、衣装を何着も着替えさせられ、写真を取られている事に気が回らなかった。甘い時間が過ぎるのはとても早いものである。夢のような時間は流れ星のようにあっという間に過ぎてしまった。


写真の撮影が終わると女の子達は帰ってしまった。吾輩もまたホテルに戻るのであった。

今の吾輩は寂しさに包まれながら人生とは何か考えるのであった。



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