29 らいでんの願い
吾輩はらいでん。只今、ソファーの座の上で休憩中である。
わが友じょにーは、窓の縁で気持ちよさそうにお昼寝をしている。
吾輩もいつか窓の縁に行くぞといつも思っている。
じょにーのお昼寝の邪魔をしないように、いつものように代わり映えのしない部屋の中をただ観察をしていると、主が部屋に戻ってきた。
主は大きなダンボールを運び込み、箱の中から驚く物を取り出した。
「あれは吾輩と同型のロボットだ!」
吾輩は心の中で大声で叫んだ。
彼らにはいろいろな色の毛がついている。それはとてもカラフルである。
吾輩にも、じょにーと同じような赤い毛をつけてくれないだろうか・・・。
とてもうらやましく感じた。
吾輩は一度、床へ降りてカラフルな同型のロボットを観察した。彼らが吾輩を取り囲もうとしたので、吾輩は慌ててソファーの座へジャンプした。すると、数体の同型のロボットが吾輩と同じような事をしようとしていた。
赤い毛の同型ロボットは最初のジャンプで吾輩がいる場所へ飛んできた。
見てすぐに最初の1回目のジャンプでここに来るなんてすごい能力だ。吾輩は感心するしかなかった。
でも他の同型ロボットはソファーの座へうまく辿り着けずにいた。
数体の同型ロボットは、ジャンプに関心を持っていないのか、部屋の中をうろついて観察をしているようだった。
突然、主が吾輩を抱え上げて何かをつけ始めた。
「もしかして吾輩の願いが主に伝わったのか?」
「うれしい!」
吾輩にも毛がついたと喜んでいたら、なにやら期待していた色の毛とは違ったようだ。
吾輩が鏡の前で確認すると白と黒のシマシマ模様の毛がついていた。
「え・・・? なんで?」
吾輩はショックだった。
だが今度は、赤い毛の同型ロボットの毛を取り始めた。
「今度こそ、その色の毛を吾輩につけてくれるのか?」
吾輩の期待は大きく膨らんだ。
しかし主は、一向に吾輩についけている毛の色を変える動きは見せていない。
「どうして・・・。主・・・。吾輩はじょにーと同じ色の毛が欲しい・・・」
すると、じょにーが主に何かを言っているようだ。
「まさか・・・。じょにーが吾輩のお願を伝えてくれたのか?・・・」
主が吾輩につけていた毛を取り始めた。
「やったー。今度こそ本命の毛が吾輩に・・・。早くお願い!!」
結局その日、吾輩がじょにーと同じ色の毛を身につけることはなかった。
吾輩は絶対にあきらめない。いつか必ず、じょにーと同じ色の毛を手に入れる。
「神様・主様・じょにー様。吾輩に赤い毛を下さい。絶対欲しい!」
「お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします」
吾輩は暫くの間、毎日朝昼晩、願い事成就の為に祈り続けるのであった。




