26 黒猫3兄弟 前編
今日の俺達は、飼い主オリバーの家で久々に療養中である。
俺達はじょにー&らいでんと戦い、名誉の負傷をした。
飼い主オリバーが研究所の部屋で俺達のおしりを見て驚き、病院に連れて行くのに数日の休暇を取ったようだ。
俺とマックはおしりが少し腫れている程度なので塗薬で済んだが、オルペカのおしりは盛大に腫れており、塗薬の他にとてもまずい薬を飲まされたようだ。
この家には広いリビングの他に5部屋もあるのに飼い主のオリバー以外は誰も住んでいない。
部屋の一つには、ロボットアニメのニャンダムのプラモデルが沢山置かれている。そして俺達に壊されないように透明のケースにしっかり守られている。
俺達も数えられるほどしか入った事のない部屋だが、俺達の名前の由来となるものが沢山置かれていたことを覚えている。サクⅠ・サクⅡ・高機動型サクⅡ・トムが3機ずつ置かれ、色も黒い3連星のパーソナルカラーとなっているとオリバーが言っていた。
飼い主のオリバーはニャンダムが大好きで飽きずによく見ている。
俺達が小さい頃、オリバーがニャンダムを見ていたので一緒に見ていると俺達と同じ名前の戦士が登場していた。そこで、オリバーが俺達にいろいろと説明をしてくれた。なんでもオリバーの好きなキャラクターらしい。俺達には、なんであんなおっさんを好きになっているのか不思議だった。でも、黒い3機のサクⅠ・Ⅱはカッコイイと思った。3機によるトムの攻撃もかっこよかった。
いつも思う事ではあるが、俺達はやられキャラなのではないかと思う。
随分前にオリバーが、黒い3連星が活躍するシーンも見せてくれた。敵の将軍を捕まえるまでの活躍する戦闘シーンも見れたから、出来るだけ俺達は強いと思いたいが、白い奴がいつも邪魔をする。にゃむろめー。
この家にいるとどうしてもリビングの居心地が良いから他の部屋に行くことがないが、部屋の一つが俺達用になっており、日ごろの雪辱を果たすための特訓をするには、必要な道具が揃っている。明日は皆で特訓しようと考えていたが、マックとオルペカが寝ているからか急に眠気に誘われてしまったので、とりあえず今は眠ることにした。
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「またお前達か」
「なんだとー」
俺の目の前にらいでんがいる。俺の横にはマックとオルペカもいる。俺達は砂漠のような場所におり、なんだか重い黒っぽい鎧を身に着けていた。
「マック、オルペカ。ここが何処だか理解しているのか?」
「「ぜんぜん。まったく分からない」」
「は?」
俺はこのおかしな状況を必死で考えたが、まったく何も分からなった。だから、この状況を少しでも理解するために目の前にいる奴に質問をした。
「お前は何者だ!」
「は?」
「吾輩?」
「そうだ」
「吾輩は勇者、らいでん」
「は?勇者?」
俺には状況がますます分からず頭の中が混乱するだけだった。
「カイア。僕は、おしりが痛いから戦いたくない」
「俺はどっちでもいいけど、俺も少しおしりが痛いかな」
「そうか。じゃぁ、とりあえず戦いは回避する」
俺も何故か少しおしりが痛かったので戦いはしたくなかったから丁度良かった。
「らいでん。俺達は戦うつもりはない。だからお前と一緒に行こう」
「そうか。いいだろう。では付いてこい」
「「「 ああ 」」」
らいでんの傍によると、らいでんから少し離れた場所に白猫のにゃむろがいた。
「にゃむろ、何故お前が此処にいるの?」
「それはこっちが聞きたい」
「なんだー。お前も分からないのか」
俺はらいでんに質問をした。
「らいでん。何処に行くつもりだ?」
「魔王じょにーに会いに行く」
「「「「 は? 魔王じょにー? 」」」」
「そうだ! 吾輩の憧れである魔王じょにーだ」
らいでんの言っている事が全く理解出来なかったが、とりあえず後をついていくしかないと思った。
しかし、魔王とは恐ろしい存在じゃないのか? 殺されないように注意しようと決意した。
らいでんの後をついて長い事歩いた。会った時には、お日様が頭の上のところにあったが、町に着いたのはお日様が見えなくなり、周りが暗くなり始めた頃だった。
「今日はもう遅くなったので、宿に泊まる」
「宿?」
俺はらいでんが言った事に理解が出来なかった。
マックとオルペカも同じだったようだ。
らいでんは宿らしき所へ入って行き、食事も一緒に頼んでいた。食事はお肉のスープが出てきた。肉はとても柔らかく、野菜も細かく刻まれておりあっさりした味でとても美味しかった。
食事をした後は、理解出来ない出来事があり過ぎて考え続ける事に疲れた事、そして重い鎧を着ながら長い時間歩いた疲れもあり、ベットに入ると直ぐに寝てしまった。
翌日、目を覚ましても、俺達のいる場所に変わりはなかった。
「さて、朝ご飯を食べたら出発する。ここから魔王城までそんなに時間がかからないはずだ」
らいでんは朝から元気いっぱいの様子だった。俺達はすでに疲労困憊の状態であった。
前の日は暗くなっていてあまりよく分からなかったが、宿を出ると魔王城が見えた。歩く距離は短く済みそうでホッとした。
城の門に着くとらいでんは衛兵に「吾輩は、勇者らいでん。じょにー魔王陛下に謁見を望む」と言ってその場に佇んだ。
俺は魔王に殺されないことを願って、らいでん達と共に待つことにした。




