19 マッスルじょにー いざ、参る
今日の吾輩は、らいでんと共に多目的ホールにいる。ここには、主とその同僚数人がいる。
「じょにー、久しぶりね」と言って、吾輩を抱き上げて頬ずりをするユイちゃんがいた。
吾輩にはこれから何が起こるのか分からなかったが、何かの実験を行うようだ。
「ビデオカメラの準備はOKかい?」
「準備OK」
「では、テストを始めようか」
主は、1匹のMR3をカバンから取り出して吾輩の目の前に置いた。
「じょにー。MR3を捕まえられるかな?」と言って、その場から距離を取った。
まずは吾輩との対決らしい。
吾輩も特訓のおかげで進化しているはずである。
吾輩的には、「マッスルじょにー レベル5」の気分である。
「MR3よ。尋常に勝負である。いざ、参る」
吾輩は、猛ダッシュでMR3との距離を詰めようとした。MR3はフェイントを何度も入れながら逃げ回る。この勝負は、MR3にとってはとても不利な状況である。なぜなら、ここは何もない広いスペースであり、吾輩の障害となるものは何もない。MR3には隠れる場所が存在しないため、急速な方向転換を繰り返し逃げる事しかできない。このマッスルじょにーに進化した吾輩から逃げることなど出来ないのである。吾輩に捕らえられるのは時間の問題である。しかし吾輩は、最初のミッションを捕まえる事ではなく弾き飛ばすことにしてみた。しばらくの時間追い続けた結果、吾輩はMR3の動きに対応できるようになっていた。
「必殺 猫スマッシュ!」
MR3に会心の一撃をお見舞した。MR3は大きくはじけ飛んだが、すぐに体制を立て直し吾輩から離れていく。吾輩はすかさずダッシュして距離を詰める。今の吾輩は一味も二味も違うスーパーマッスルキャァーットなのだよ。吾輩の時代がもうすぐ到来するかもしれない。期待の新星が現れちゃったよ。さあ皆で刮目せよ!
「吾輩の華麗なる奥義 ヒップアタック!!」
吾輩のおしりでMR3を見事に捕らえたのである。吾輩は手でMR3をペシペシしてあげた。
吾輩の完全勝利である。これで吾輩は「マッスルじょにー レベル6」になったかもしれない。
しばらくしてから吾輩は満足したので、MR3を開放してあげることにした。MR3はすぐに距離を置くべく逃げた。
「じょにーは特訓の成果が出ていたかもね。どちらも素晴らしい動きだった」と主が言うと、主や同僚の人達は満足気だった。
「さあ、次はらいでんの出番だね」と主が言うと同時に、吾輩はユイちゃんに抱きかかえあげられた。
ユイちゃんは「じょにーは私と一緒に見学ね」と言ってほほ笑んだ。
らいでんが動き出した。吾輩と同じように猛ダッシュでMR3との距離を縮めるようだ。MR3は吾輩と対峙した時のような動きを繰り返している。以前のらいでんであれば、全く対応が出来ずに終わっていただろう。でも今のらいでんは進化している。脚部の駆動性能が飛躍的に向上しているだけあって、あと一歩のところまで迫り続けている。らいでんは何度も猫スマッシュを当て始めた。会心の一撃こそないものの、らいでんにとっては十分な成果といえる。そのまま同じような状況が続き時間切れとなった。
「よし!もういいかな。十分な成果が得られたんじゃないかな」
「「「 そうだね 」」」
「じゃあ、今日の実験はここまでという事で。皆、色々と協力してくれてありがとう」
主は同僚たちに感謝の言葉を告げていた。
吾輩も今日の結果には満足している。だが、吾輩の強化計画に終わりは来ない。
猫じゃらし君やモグラ叩き君の魔王モードを打倒するまでは、吾輩の戦いは続く。
「にゃおーん」と吠えてみた吾輩であった。
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