12 奥義 ヒップアタック
昨日は、ねずみ型ロボット試作2号MR2に会心の一撃をお見舞いする事が出来なかった。
そして今日は再戦である。
今の吾輩は猫じゃらし君裏モード魔王で特訓をしたので、いつでも臨戦態勢に入れる。
しかしここで予想外の事が起こった。
なんと主は2匹目のMR2を出してきた。
吾輩はCR1と2匹でMR2を追い詰めて仕留めるつもりだった。
「これは予想外だ、プラン変更の必要がある」と思い、吾輩はまずCR1がどのような行動を取るのかを知る必要があった。その為、一度吾輩は1匹のMR2を追いかけてみた。するとCR1は、もう1匹のMR2を追いかけ始めた。「そうくるか」と吾輩の予想とは違った。CR1は吾輩と同じ獲物を狙うと思っていた。ならば吾輩は全力で1匹のMR2を仕留めるまで。
吾輩は1匹のMR2に的を絞った。最初は動きにフェイントを入れてみた。相変わらず反応が早い。吾輩は障害物が多い場所へとMR2を追い込んだ。そして障害物の陰に隠れながら接近を試みた。
飛び出すタイミングを計る。
吾輩の計画はジャンプして上から飛びかかり、尻尾でフェイントの攻撃を入れ、さらに猫スマッシュによる2度目のフェイントを入れる。そして最後に必殺技を放つ。
吾輩はCR1の状況を1度確認した。CR1はMR2を変わらず追いかけている状態であった。
吾輩は少し時間をおいてから勝負を仕掛けた。
「にゃ」と、MR2へ向かってジャンプした。
MR2は直ぐに反応する。
「はやい。だがしかし」
吾輩はすぐに尻尾を動かした。MR2は反応する。これは予想通りだ。
「にゃんの」
猫スマッシュを繰り出す。MR2は再び反応する。
「奥義 ヒップアタック!!」
「ぼふっ」
「おー」
必殺技を繰り出した後、吾輩はMR2の上に座っていた。
戦いをずっと見ていた主は吾輩の行動に驚いていた。
MR2は、吾輩からのフェイント攻撃で逃げ道を誘導されていた。
周りの障害物を利用して逃げ道の選択肢を消していき、最後の逃げ道となる先へ吾輩の奥義がさく裂したのである。これで、吾輩の勝利である。
MR2の動きを封じ、吾輩は感無量であった。
CR1は相変わらず、CR1を追いかけている状態であった。
「CR1。がんばれー」
吾輩は、高みの見物である。
しばらく観察していたが、状況が変わらないので、ひとまずは窓の縁で昼寝をすることにした吾輩であった。
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