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完全なる屈服

完全なる屈服


散々痛めつけられた後、ヴェルザは感覚を戻してやった。二人はもう完全に戦意を失っていた。


「【暗黒魔法・魂の烙印】」


最後にヴェルザは二人の魂に永続的な烙印を刻み込んだ。これにより、二人は今後魔族に害をなすことができなくなる。


「これで二度と我が民に危害を加えることはできぬ」


完全に打ちのめされた二人は、ヴェルザの足元に這いつくばって土下座した。


「ごめんなさいギョ!ボクが悪かったギョ!もう二度と魔族様に逆らわないギョ!」ナギサが額を地面にこすりつけながら謝る。


「女王様、お許しくださいゲコ!ボク達が間違ってましたゲコ!魔族様を殺したりして本当にごめんなさいゲコ!どうか命だけは助けてくださいゲコ!」リュウヤも鼻水と涙でぐちゃぐちゃになりながら必死に頭を下げる。


「命は取らぬ。だが、お前たちは今後一生、自分の罪を背負って生きていくことになる。そして二度と魔族に手出しできぬよう、お前たちの力は大幅に制限させてもらった」


ヴェルザは冷たく言い放った。二人はただただ震えながら、許しを請い続けることしかできなかった。


リーフィア対ミツルの激闘


一方、リーフィアが前に出た。「私がミツルの相手をする!」


リーフィアが【精霊召喚陣】を発動した。魔法陣が光り、三体の精霊が同時に現れる。セルヴァン、アクエリア、イグニスが彼女の周囲を守るように配置された。


「エルフが…面白い」ミツルが聖剣を構える。「君も魔族の仲間か。なら粛清の対象だ」


ミツルは【聖剣召喚】により現れた光の剣で、あらゆる魔法を切り裂く。セルヴァンの【風刃結界】も無効化されてしまう。


「これが選ばれし者の力だ!」


ミツルは【審判の光】を発動した。天空から神々しい光の柱が降り注ぎ、リーフィアたちに襲いかかる。


リーフィアは【自然との調和】で周囲の情報を読み取り、完璧なタイミングで回避しながら【精密射撃】で反撃する。矢がミツルの肩に突き刺さった。


ミツルの聖剣とリーフィアの精霊術がぶつかり合う。風と水と炎が融合した攻撃に対し、ミツルは聖なる光で対抗した。二人の戦いは拮抗し、互いに決定打を与えることができない。


「君は強いな、エルフ」ミツルが認める。


「あなたも…でも、私は負けない」リーフィアが決意を込めて答える。


ミツルの劣勢と過去への執着


女王ヴェルザとカズマの連携により、ミツルは徐々に劣勢に追い込まれていく。聖剣も傷つき、【絶対正義】の力場も弱くなっていた。


「こんな…こんなはずじゃない…」


ミツルの脳裏に、過去の記憶が蘇る。


元の世界での学校生活。優等生として振る舞っていたが、クラスメートたちの陰口が聞こえていた。


「あいつ、偽善者だよね」

「お利口ちゃんぶって、ムカつく」

「本当は性格悪いくせに」


そして異世界召喚。初めて「本物の英雄」として認められた喜び。王が跪いて頼み込む瞬間。魔族を狩り、数千の兵士に英雄扱いされたこと。城に帰った時のパレード。民衆の歓声。


「ミツル様!」

「我らの救世主!」

「ミツル様がいれば安心です!」


「ボクは…ボクはこの世界で活躍するために生まれてきたんだ!」ミツルが叫んだ。「この世界でボクは特別な存在なんだ!選ばれた英雄なんだ!」


戦場に響くミツルの絶叫と共に、決戦はさらに激しさを増していく——。


その時、戦場に冷たい笑い声が響いた。


「その通りだ、ミツル。お前は特別な存在だ」


宰相バルザックが現れた。彼の手には怪しく光る注射器が握られている。


「宰相!」カズマが警戒の声を上げる。


「興味深い現象ですな。まさかこれほどの力を持った逃亡者がいるとは」バルザックは冷静に戦況を観察していた。「しかし、これで終わりです」


バルザックはミツルに近づき、注射器を彼の首に刺した。


「これは何を…」


「古代神竜の血だ!転生者にこの血が混ざれば、貴様等など一瞬でおしまいだ!」


注射された液体は暗い赤色をしており、ミツルの血管を通って全身に広がっていく。



ミツルの変貌


「うああああああああ!」


ミツルが苦悶の叫び声を上げる。彼の体が膨れ上がり、皮膚が鱗に変わっていく。背中から翼が生え、顔は竜のそれに変貌する。


「ミツル!しっかりしろ!」カズマが叫ぶが、もはや人間の言葉は届かない。


巨大なドラゴンと化したミツルは、自我を完全に失っていた。本能のままに咆哮を上げ、無差別に破壊を始める。


「素晴らしい。これが龍神の血の力だ」バルザックが満足そうに呟く。


しかし、ドラゴン・ミツルの暴走は止まらない。


「な、何をするギョ! あたしは仲間だギョギョ!」

「ミツル! やめろゲコ! どうなっちまったんだゲコー!」


彼は近くにいたナギサとリュウヤを丸呑みにしてしまう。


「おい、まさか…」


二人を取り込んだドラゴンは、さらに巨大化した。体長は50メートルを超え、翼を広げると100メートル近くになる。もはや建物を破壊するだけで街全体が崩壊の危機に陥った。


「クソッ!制御が効かない!」バルザックも慌てふためく。


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