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激突

戦闘が始まる。


ミツルが【聖剣召喚】を発動し、巨大な光の剣を作り出す。それを振り下ろすと、強烈な聖光が放射される。


カズマは【時空境界の鎖】で応戦する。周囲の時間と空間を固定化し、攻撃を停止させる。


「これは…」


ミツルが驚く。


「君の魔法、王国のデータベースにない術式だ」


「古代魔法だ」


カズマが答える。


「この世界の本当の力だよ」


リーフィアが【精密射撃】で援護射撃を行う。魔力を込めた矢がナギサの装備の隙間を狙い撃ちし、動きを封じる。


「きゃあ!」


ナギサが後退する。


「こんな田舎エルフが!」


【希望の歌声】を発動し、周囲の王国兵士たちの能力を向上させる。


一方、精霊たちも戦闘に参加する。


セルヴァンが【疾風召喚】で突風を起こし、王国軍の陣形を乱す。


アクエリアが【浄化の水流】で負傷した魔族兵士たちを治療する。


しかし、召喚者たちの力は想像以上に強力だった。


リュウヤが【狂戦士の血】を発動し、異常な身体能力で魔族兵士たちを次々となぎ倒していく。


「最高だぜ!もっと殺させろ!」


その狂暴な笑い声が戦場に響く。


ナギサは【民衆の盾】で王国兵士たちを守りながら、【英雄の演技】で味方の士気を鼓舞する。


「私たちが負けるはずないでしょ?神に選ばれし者なのよ」


そして、ミツルの【審判の光】が発動される。天空から巨大な光の柱が降り注ぎ、魔族の兵士たちを薙ぎ払う。


「これが神の裁きだ!」


カズマは必死に応戦するが、徐々に劣勢に追い込まれていく。古代魔法は強力だが、三人の召喚者を同時に相手にするには限界があった。


「くそ…」


魔族兵士たちも次々と倒れていく。このままでは全滅してしまう。


その時、魔族女王ヴェルザが動いた。



女王の決断


「これを使いなさい」


ヴェルザが一冊の古い魔導書をカズマに投げ渡す。


「早く開け!」


カズマが魔導書に手を触れると、強烈な魔力が流れ込む。これまでにない規模の力だった。


古代魔法【空間断絶斬】。


空間を切り裂く斬撃。物理防御を無視し、空間ごと対象を切断する究極の攻撃魔法。


「これは…」


カズマの体に新たな力が宿る。しかし、この魔法の威力は想像を絶する。使えば敵を確実に倒せるが、同時に自分の魔力もほぼ底をつくだろう。


迷う暇はなかった。


「食らえ!」


カズマが魔法を発動する。空間が裂け、次元を超越した斬撃がナギサとリュウヤを襲う。


「ぐあああああ」


二人は避ける間もなく、致命的な傷を負って倒れる。


「ナギサ!リュウヤ!」


ミツルが駆け寄る。しかし、二人の傷は深く、すぐに治療しなければ命に関わる状態だった。


「君は…まさかそこまでの力を」


ミツルがカズマを見つめる。その表情には驚きと、そして悔しさが混じっていた。


「今日のところは引く。だが、これで終わったと思うなよ」


ミツルが仲間たちと共に撤退する。



戦いの後で


戦場に静寂が戻る。王国軍も召喚者の撤退と共に引き上げていく。


カズマは魔力を使い果たし、その場に膝をつく。【空間断絶斬】の反動は想像以上に大きかった。


「カズマ!」


リーフィアが駆け寄る。


「大丈夫?」


「ああ…なんとか」


カズマは立ち上がろうとするが、足に力が入らない。


「無理をしてはいけません」


アクエリアが【水流操作】で治療を施す。清らかな水がカズマの体を包み、疲労を和らげる。


「ありがとう」


魔族兵士たちも次々と集まってくる。先ほどまでの敵意は消え、代わりに敬意の眼差しが向けられていた。


「あの人間、本当に我らのために戦ってくれた」


「魔族を守るために、同族と戦うなんて…」


バルログも感心したような表情を見せる。


「見直したぞ、人間」


そして、魔族女王ヴェルザがカズマの前にやってくる。


「よくやった。お前の覚悟、確かに受け取った」


精霊女王ミュリエルも微笑んでいる。


「素晴らしい戦いでした。真の共生への第一歩ですね」


「でも、これからが本番だ」


カズマが立ち上がる。


「王国は必ず報復してくる。もっと大規模な軍勢で」


「その通りです」


ヴェルザが頷く。


「だからこそ、我らは準備をしなければならない。あなたたちの力も含めて」


カズマは魔王城の城壁から地平線を見つめる。遠くで王国軍の撤退する様子が見える。


「必ず平和な世界を作ってみせる」


その言葉には、強い決意が込められていた。今日の戦いで、カズマは新たな力を得ただけでなく、真の仲間も得た。魔族との同盟は、種族を超えた共生への大きな一歩だった。


しかし同時に、王国召喚者たちとの対立も決定的になった。


リーフィアがカズマの隣に立つ。


「これからどうするの?」


「分からない」


カズマは正直に答える。


「でも、諦めるつもりはない。きっと道はある」


セルヴァンが飄々とした調子で口を開く。


「まあ、退屈はしなさそうだな」


アクエリアが優しく微笑む。


「私たちも一緒です。最後まで」


カズマは仲間たちを見回し、温かい気持ちになる。確かに前途は多難だが、信頼できる仲間がいる。それだけで十分戦える気がした。


「ありがとう、みんな」


夕日が魔王城を赤く染める中、新たな同盟が結ばれた。種族の壁を越えた真の絆が、ここに誕生したのだった。


しかし、この戦いは序章に過ぎない。王国は必ずより強大な力で報復してくるだろう。そして、召喚者たちとの最終決戦も避けられない。


カズマは決意を新たにする。どんな困難が待っていようと、必ず平和な世界を築いてみせる。それが、この世界に召喚された自分の使命だと信じて。


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