ストーカー男 【★★★】
女子大学生の栄子は、夕暮れの帰り道を自転車で走っていた。
すると後ろから声をかけられた。
「すみません、ハンカチ落としましたよ」
振り返るとそこには若い男の人が立っていた。
栄子は会釈をして、ハンカチを受け取り、家に帰った。
翌日、栄子は勉強をするために図書館に来ていた。
「今日はこの本を読みながら勉強しよ」
栄子は勉強の合間にに本を読むのにハマっていた。
栄子が本を読んでいると肩を軽く叩かれた。
振り返るとそこには昨日の男がいた。
「あなたは昨日の…」
栄子は思わず声が出る。
「よくこの図書館に来るんですか?」
男は気味の悪い笑みを浮かべる。
「あ!もうこんな時間帰らなきゃ」
栄子はそう言いうと荷物をまとめて急いで図書館から出た。
その日の夜、栄子はコンビニのバイトをしていた。
「いらっしゃいませ~」
栄子が客を見るとあの男だった。
(え?偶然じゃないよね、もしかしてストーカー?)
栄子は恐怖を感じながらも接客をする。
男は商品を買うと何も言わずに店から出て行った。
休憩時間。
「帰るの怖いなー」
栄子がぼそっと呟くとバイトの先輩の圭太さんが話しかけてきた。
「どうしたの栄子ちゃん」
「私の勘違いかもしれないんですけど、もしかしたら私ストーカーされてるかもしれないんです」
「なら俺が家まで送ってあげようか?」
「迷惑じゃないですか?」
「大丈夫だよ」
栄子は圭太さんに車で家まで送ってもらうことにした。
(圭太さんってチャラい人だと思ってたけど意外といい人かも)
車が住宅街に入ると、圭太が窓の外を見てつぶやいた。
「家の前に誰か立ってるけど、あれお兄さん?」
圭太がそう言うと栄子は怯た顔をしていた。
「えっ嘘なんで私の家知ってるの」
「もしかしてあれがさっき言ってたストーカー?」
栄子はうなずくと圭太はドアを開けて外に出る。
「おいお前!栄子ちゃんにつきまとうな」
男は慌てながら去っていった。
「圭太さんありがとうございます」
「またなんかあったら言ってね」
そう言うと圭太は車を走らせて帰っていった。
どこかの路地裏。
あの男と圭太が何かを話していた。
「言われた通りにしてやったぞ」
「よくやった報酬の金だ」
圭太は財布からお札を取り出し男に渡す。
「これで栄子も俺に惚れただろ」
END
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