かかし人間 【★★★★】
俺はかなりの田舎に住んでいる。見渡せば田んぼか畑しかない。
田んぼや畑が多いのに比例してかかしも多い。
学校が終わり俺はいつも通りまわりに田んぼや畑しかない道を通って帰っていた。
すると昨日までは、なかったかかしがあった。
俺はそのかかしが気になり、かかしの顔を覗き込んだ。
「うわっ」
そのかかしの顔はとてもリアルな人間の顔だった。
「本物じゃないよな」
不気味に思った俺は走って家まで帰った。
俺は今日見たリアルなかかしのことを父さんに話した。
「この村でかかしなんて珍しくもないだろ」
「普通のかかしじゃないんだよ。顔が本物の人間みたいで不気味なんだよ」
「そんなかかしのことよりお前気をつけろよ」
「何の話?」
「この辺で若い奴が行方不明になっただろ?」
そういえばそんな話を学校で聞いた気がする。
次の日
俺は学校が終わり昨日と同じくあの道を通っていた。
だが一つ異なるところがあった。それはかかしがもう一つ増えていたのだ。
増えていたかかしの顔も本物の人間のようだった。
次の日もまた次の日もかかしは増えていた。
俺はこのかかしを置いているのが誰なのかが気になり夜に張り込むことにした。
最初は張り切っていたが、明かりがなくとても暗くて不気味だったので帰ろうとしたその時、こちらに歩いてくる人影が見えた。
俺はとっさに姿勢を低くして隠れる。
「あいつが犯人か」
俺は腕に違和感を覚え、腕を見ると大きな虫がついていた。
「うわっ」
俺は驚いて大きな声を出してしまう。
「誰かそこにいるのか!」
驚いた声でそいつに気づかれてしまった。
そいつは俺が隠れているとこに近づいてくる。
「ひっ!」
俺は驚いた。
なぜならそいつの顔がかかしだったから。
「そういえばよ最近変なかかしがあるよな」
「あのリアルなかかしのことだろ」
二人の中学生が学校帰りにあのかかしの話をしていた。
「これこれ」
中学生たちの前には若い男の顔をしたかかしが立っていた。
END
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