表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソード・ワールド 軽戦士アークの旅  作者: ジョー・タイター
1章 初陣
7/11

3

森の中は、初めて見るアークの目には平和そのものに見えた。聞き覚えのある小鳥のさえずり、わずかに吹く風が揺らす木々のこすれる音...

この森に初めて踏み入ったのにアークは不思議と安心感を感じていた。

しばらく散策しながら、自分が歩いて来た道を忘れないように小さな目印を木につけていく。

自分だけがわかる痕跡としてつけていくその行為は母から教わった知識である。

しかし、それは知識で行動する存在のいないあの平和な森だからこそ成立することであったが、今の彼はまだ知ることはない。


森に入り30分ほどあたりを散策していると、目の端に気になるものが映った気がした。

よくよく見ると、人に似た二足歩行の何かの足跡だった。

アークの持つ知識からは、それがフッド族、それも近接攻撃を得意としたダガーフッドであると判る。

さらに、その足跡が比較的最近この近くを通ったことと、森の外であろう方向に向かって動いていることがわかった。

どうやら森の中で野生動物でも探していたのだろう、踏み荒らされた足跡の中に鹿か何かの足跡も混じっていた。


数は少ない、一人でもなんとかなるだろう。


アークは、初陣の相手を求め、足跡を追った。


しばらく時間が空き、森の奥から奇妙な鳴き声のようなものが聞こえてきた。

目標に追いついたようである。


ダガーフッドの獲物はやはり鹿だったようだ。

上機嫌に持ち帰ろうと二人で持ち上げるために重さを確かめていた。


絶好のタイミングだ。奇襲とまではいかないが少なくとも有利は取れるはず。

そう思い、ダガーフッドたちのもとへと飛び出しながら剣を引き抜いた。


ダガーフッドたちは突然の闖入者に対応が遅れてしまい、慌てたように体勢を立て直している。

この差は戦士にとっては有利な差となった。


これが、アークにとっての正真正銘最初の戦闘である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ