7歳 ー 3
歩いて一時間はかかるが、学校にも通い始めた。つっても俺にとっては知ってることばかりだから面白くない。
さすがに七歳、学校の勉強もめちゃくちゃ楽だ。でも筋力がないから、文字を書いてもぐにゃぐにゃになってしまう。
体育もそうだが、思ったように身体が動かせない。無理矢理やろうとすればできるのだが、それだと七才児の運動能力を超えてしまう。
この小等部学校までは一時間かかる。毎日父さんが馬を出してくれるのだが、尻がいたくて仕方がない。が、これも家族の愛だと思って頑張って受け入れていこう。
「それじゃあ今日はお父さんとお母さんへの手紙を書きましょうか」
クラスメイトは「はーい!」と元気に返事をしていたが、俺はため息をついてしまった。
そりゃそうだ。両親への手紙とか恥ずかしくてどうしたらいいかわからない。
いや、忘れるな。俺は今、現実世界でいうところの小学生なのだ。小学生になったつもりで頑張って書くのだ。
四苦八苦しながら、なんとか両親への手紙を書き終えた。誰だよこんな授業考えたの。たぶん一番難しい授業だぞ。
学校での楽しみは給食だけと言ってもいい。人によっては体育が楽しみっていう人もいるだろう。しかし俺にはロリ属性はない。いやでも体育は先生も薄着になるから悪くはないな。先生巨乳だし。
「おいアル! カレーよこせよ!」
どうしてビリーはこうも絡んでくるのか。俺のこと好きすぎるだろ。
「嫌だよ。自分の食えよ」
「自分のはもうたべた!」
「ご飯残ってるじゃねーか」
「だからお前のよこせよ!」
「ヤダつってんだろ。んなことしてるからデブになんだろ。ちょっとは自重しろよ」
「センセー! またアルがむずかしいこと言って俺のこといじめるー!」
ビリーが俺を指差し、先生が俺の前にやってきた。
「こら、アルくん、イジメはダメよ?」
「イジメてませんから……」
先生が目線を合わせてくる。これ、これだよ。最高の谷間ポイント。もうちょっと時間を引き伸ばしてこの谷間を堪能したいものだ。
「ビリーくんも、お友達の給食を取ろうとしちゃいけません」
「はーい」
「よしよし」
ああ、いいなぁ。俺も頭撫でられたい。それ以上にあの谷間に顔を突っ込みたい。
ガツンと、イスが蹴られた。隣のソニアだった。
「なんだよ」
「な、なんでもないよ」
こいつの将来、ちょっと心配だな。