最終話
数日後、畑仕事をするために外に出た。そこにはなぜかネティスが立っていた。両手には大きなバッグを二つ持っていた。
なによりもめちゃくちゃ泣きそうな顔をしていた。
「どうしたんだ。男にでも捨てられたか」
「男どころの話じゃないですよ!」
「そうカリカリすんなよ。シワが増えるぞ」
「アナタのせいで国を追い出されたんです!」
「妊娠がバレたのか……?」
「してません! スパイだって疑われて、打首になるところをを国外追放で勘弁してもらったんです! どうしてくれるんですか! あのままだったら楽してもっと上の階級にだっていかれたのに……」
「いや、お前が一人で抜け駆けしようとしなきゃ、お前の部下たちと一緒に飛ばしてやったんだぞ? それを逃げようとするからこうなった」
あ、ヤベ、歯ぎしりしながら涙をぼたぼた流し始めた。
「わかった、わかったから。ここで暮らすといい。ちゃんと面倒見てやるから」
「当然です! ローラの家に居座らせてもらいますから」
俺の家じゃねーんだな。まあいいけど。
「お、ネティスじゃないか。帰ってきたのか」
ちょうどいいタイミングでローラがやってきた。
かくかくしかじかと説明すると、ローラは快く引き受けてくれたようだ。
こうして、またこの町に住人が増えた。たぶん、俺が気付かないうちにこの町もまた発展していくんだろう。
「ああそうだ、お前仕事はどうするんだ?」
「そのへんは大丈夫です。元々父が軍人じゃなければなりたい職業があったので。それでは失礼します」
プイっと顔を背け、ローラに連れられてローラの家に行ってしまった。
夢みたいなのがあったんだな。それならこれって成功なんじゃないだろうか。また俺は人の心を救ってしまった。
「そういやアイツ軍人だったんだよな」
タブレットを取り出してネティスのレベルを見てみる。
「レベル34……しかもマックスまで上げてある……」
たぶんだが、アイツはあのまま軍人でもダメだったんじゃないだろうか。本人には言わない方がいいだろう。
「やはり俺は人を幸福にする天才……」
「それはさすがに勘違いよ」
気がつけば、シアが隣に立っていた。
「やっぱり? 俺もそうじゃないかと思ってたんだ」
「思ってたのならこれからは生き方を見直しなさい。それより気になってたんだけど」
「なんぞ」
「あの時、アンタの腕ふっとばされてたわよね。どうなってんの、アンタの身体」
「それ、今聞く?」
「今まで忘れてた」
今日も、平和な一日になりそうです。




