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101回目の異世界転生!  作者: 絢野悠
一章:女の子を三人口説き落とせ!
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八話

 おそらく、一般人には見えないだろうくらいの速度で家に戻った。ベッドの下の木箱からあるものを取り出し、急いでじじいの元に戻ってくる。


「それなんじゃ?」

「こんなこともあろうかと、変装道具を用意しておいたんだよ。服にマントに仮面。一応剣も作った」


 武器はドワーフだった頃に作れるようになった。あの頃のドワーフは鎧とか服とかも作ってたから、材料さえあれば一式自分で作れる。


 服もマントも仮面も黒。そこに赤いラインが入っている。


「厨ニか!」


 じじいにぶった切られるとは思わなかった。


「かっこいいだろうが! 黒と赤!」

「さすがにそれはちょっと、ワシでも引くぞよ」

「うっせーな。もう作っちゃったんだから文句言うんじゃねーよ。じゃあ行ってくるわ」

「次のクエストもちゃんと考えておくでよー」

「もっと難易度低いの頼むぞ。あとしばらくそのへんにいろ。あの速度で上昇してったらお前の存在バレるぞ」


 言うこと聞くとも思えないが、じいさんにかまっているだけの時間も惜しい。あっちの魔族をなんとかしないと本当に町が吹き飛びかねない。


 とりあえずあの女もヤバそうだし、とっとと魔族の前に行くか。


 上空高く飛び上がり、ゆっくりの速度で降下していく。こうしてみると魔族の数が本当に多い。こんな数で襲われたら王都でも一瞬で滅びかねない。


 シアの隣に着地。こちらを見上げたシアは気付いたようだが、唇に指を当てて黙っているようにと促す。これもちょっとやってみたかったんだよね。かっこいいよなぁ、唇に人差し指を当てて「シー」ってジェスチャーするの。


「貴方は?」


 と、中年の魔族に言われた。


「俺は……」


 そういえば名前を考えてなかったな。もうここまでやったんだからとんでもなくダサい名前でいこう。半ばヤケである。


「俺の名前はブラックノワールだ。しかし人に名を尋ねる時は、まず自分から名乗るものではないのか?」


 黒に黒を重ねてしまった。いやこれでいいだろ。何回も出番あるわけでもないし。


「これは失礼、ブラック殿。私はレドラと申します。それで、アレクシア様とはどういう関係で?」

「そうだな、通りすがった俺がコイツの病気を治した。いわば俺は恩人にあたる」

「そうでしたか。これはこれは、また余計な真似、いえありがとうございます」


 全然隠すつもりねーな。


「それで、なんの用事でございましょうか。私はアレクシア様と話をしたいのですが」

「お前らはアレクシアを連れて帰るつもりなんだよな?」

「まあ、そうですね」

「んでこの町はどうするつもりだ?」

「当然、消させてもらいますよ。ここまで魔族を集めてしまったものでね、このまま帰るというわけにもいかないのですよ」

「ちょーっと待ったー!」


 と、ここでローラ乱入。コイツ本当にややこしいな。


「あの町を襲うというのであれば、まず私を倒してからにしろ!」


 俺の前に出てきたローラはほぼマッパだった。パンツくらいしか身に着けていない。それにしてもすげー乳してんな。オラびっくりしたぞ。

「そうじゃない。お前服どうしたんだよ」

「相手の攻撃で破かれた」

「破かれたって……恥ずかしくないの?」

「なにを恥ずかしがることがあるか。人間、生まれた時は皆裸だ」

「生まれた時はね? 今は違うじゃん?」

「お前の価値観を私に押し付けるな!」


 キミもさっきまで服着てたよね。なんでいきなりキレてんの、怖すぎなんだけど。


「あーもう頼むからちょっと大人しくてて。今大事なとこだから。シア、彼女に服を着せてやって。スピカにでも言えば持ってきてくれるから」

「不本意だけど、わかったわ」


 シアは本当にいい子だな。


「離せ! 私はまだ戦える!」

「戦わなくていいから、とりあえず服着て出直して」


 こんな女でも幼女には弱いのか、シアに手を引かれると大人しく離れていった。これでまともに会話ができそうだ。


「ブラック殿、いくつか質問よろしいですかな?」

「ん? ああいいぞ。答えられることなら答える」

「どうやってディアボリックシンドロームを治したのですか? 見たところ、レベルなどもそこまで高くないようですが」

 コイツ、見ただけでなんとなくでもレベルがわかるのか。そうか、今の俺はそんなに強くないんだな。

俺も見ればなんとなくレベルがわかるけど、自分のレベルはまったくわからない。


「別に治したわけじゃない、正常に戻しただけだ。元々アレクシアは魔力を自然放出し辛い身体だった。だから魔力が溜まりすぎないように、外へのパイプを増やしただけだ。つまり、数十年後には普通にまた再発して死ぬ」

「そんなことが可能なのですか?」

「俺ならそれくらいはできる。ただ、さっきも言ったが治したわけじゃない。アレクシが老人で、自然発症したものなら俺にも治せない。つまりすごい強い魔王がいたとしても、そいつの延命はできないってことだな」

「なるほど、貴方はそれほどまでの力を持っていると」

「それほどでも」


 ドヤ顔が似合うセリフ、最高だな。


「それなら尚更、この町を滅ぼさなければなりませんね。そんな人を、ここで生かしておくわけにはいきませんから」


 ドヤ顔の代償がデカすぎる。極端なプライスレスはやめていただきたい。


「そこでちょっと相談だ」

「人間と取り引きなどすると思いますか?」

「新しい魔王が誕生すると言っても?」

「どういうことでしょうか。アレクシア様を貴方が殺すと?」

「方法はこれから考えるけど、アレクシアが持ってる魔王としての特性を消せば、実質この世から魔王がいなくなる。そうなれば新しい魔王が誕生するだろ」

「特性を消すから町を襲うな、ということでしょうか」

「簡潔に言えばそうだな」

「ふむ」


 レドラが右手を上げて、顎に指を当てようとした。次の瞬間、その指から魔力の塊が超高速で飛んできた。


 まったく意識していなかったのと、最近そういう場面に遭遇してなかったせいでもろに食らってしまった。


「おやおや、これくらいも避けられないのですか?」


 結果、俺の左肩がふっとばされた。肩の辺りが焼けるように痛い。いろんな武器で攻撃された経験もあるし、いろんな魔法を食らった経験もある。でも痛いのだけはどうやっても慣れない。

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