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101回目の異世界転生!  作者: 絢野悠
九章:転生とか関係なく強い奴がいると転生者の価値がなくなってしまう件について
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三話

「で、俺だけは許されると」

「お主は目立とうとか権力を振りかざそうとかそういう気がないからのう。だからお主にだけは協力する」

「知らず識らずのうちにとんでもない力を身に着けていたみたいだ」

「お主のゲスさは可愛いから許せる」

「お前に可愛いとか言われても嬉しくない」

「とりあえずその赤い点で分身を倒してくるといい。ただし距離が距離なので一日で全部片付けようとか思わん方がよいぞ。それに分身そのものも手強い」

「でも急いだ方がいいだろ?」

「そりゃね。でも分身だからって弱いわけじゃないんじゃよ」

「まさかイズルと同じくらいとか言わないよな」


 分身がアレくらい強いってなると本体はとんでもないぞ。絶対に倒せない。弱体版イズルと強化版シアが一緒でも無理。


「さすがにそこまでじゃない。がしかし、お主が一人で相手にするギリギリの強さって感じじゃな」

「見計らったかのように丁度いい強さなんだね。よーくわかった」


 短時間でなんとかできないように調整されてるのすごいなって思う。ボスを倒すための適正レベルって感じ。


「じゃあ最初どこいく? ビーチ?」

「いきなりウキウキして話かけんな。遠足じゃねーんだぞ」

「そういう気分で動いた方がいいじゃろ? 無駄に肩肘張ってもいいことないぞよ? それはお主だってわかっとるはずじゃ」

「俺は暗い雰囲気とかが好きじゃないだけだ。沈んだ雰囲気とかひりついた空気とかも嫌いだし」

「じゃったらいつもどおりに行くのがよろしい。さ、ビーチじゃな」

「ブーブルマップで見る限りビーチは前半の終わり際って感じだな。まずは近くからぶっ潰しにいこう」


 距離でいけば百キロくらいの場所、森の中に赤い点がある。


「さーて、今回は誰を連れて行くのかな」

「誰か連れてかなきゃダメなやつ?」

「まあお主一人じゃ花がないからのう。絶対につまらん」

「めちゃくちゃかっこいい戦闘シーンのオンパレードなのに?」

「それカッコよくないやつのパターンじゃないの。それに実力が拮抗してるってことは泥沼化するの必須じゃよ? 最終的には打撃の音もバシッとかドカッじゃなくてペチンとかポスンみたいになるんじゃよ? どこがカッコいいんじゃ?」

「うるせーなわかったよ。とりあえず暇なやつかきあつめてパーティ組むよ。それでいいだろ」


 文句多いじじいだ。まあ言ってることは間違ってないんだが。俺も一人でやりたいわけじゃないし、面倒くさいから。


「さて、今回のパーティが楽しみじゃな」

「あんまりいい予感はしないんだけどなあ……」


 こういう時は決まって悪い結果になる。俗に言うフラグってやつだ。まだ完全にフラグが立ってるわけじゃないし、なんとかパーティメンバーを強化できるように頑張ろう。


「んじゃ行ってくるわ」

「うむ。頑張るがよろしい」

「うし」と意気込んでから部屋を出た。良くない感じになりそうな時は、せめて気持ちだけでも上向きに修正しておかないと本当に良くない結果になるからな。


 誰から勧誘するかは決まっている。首を縦に振ってくれればいいんだが、なんだか嫌な予感しかしないんだよな。

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