第七話 歪んだ運命
花粉擬人化してください。
僕の胸に黒い鉄板のようなものが刺さって、胸からは止めどなく血が流れ続けている。
それを見たとき僕は痛みのあまり叫ぼうとした、だが叫べなかった。
何故かわからない、まず何が起きたのかすら理解できない。
僕が混乱している中、僕の胸に鉄板を突き刺した加害者が
ガシャンと重圧音を出しながら僕に近づく。
ガシャンガシャン
「.....................」
しばらく沈黙が流れた。
僕は暗闇に落ちそうになりながら顔を上げ、そこに見えた人物に驚愕する。
そこには黒い西洋の鎧を着た【里栖】がこちらを見て不敵な笑みを浮かべていた。
「り.....................す............?」
苦しくて、うなるように声を出す。
「あ~先輩おひさしぶり~」”里栖に似た何か”は里栖に似た声でしゃべりかけてくる。
(何を言ってる)僕は血反吐を吐きながら困惑の顔を示した。
「う~んとね~あたし先輩を××したいほど愛してたんですよ?それなのに先輩は違う女の子に行っちゃうんから悪いんですよ!」
(お前は誰だ!里栖は僕のベッドで寝ているぞ!)
最後の力を振り絞り睨み付けた。
「やーん先輩こ・わ・いっ!!」
その瞬間、”里栖に似た何か”は黒い鉄板を思いっきり深く突き刺さるように足で押し始めた。
(痛い!やめろ!死ぬ!死にたくない!)僕の顔は血と涙でぐちゃぐちゃになり、悲痛な音の無い叫びをあげた。
「う.....................」
「あなたは【本当の先輩】じゃないけど【先輩】だからストレス発散にちょうどいいの!」
(ど....ういう…ことだ)頭が動かなくなってきた。
「まあ理解しなくてもいいの!」鉄板を深く押すように一蹴
「先輩は××されなきゃ!」一蹴
「だーいすき先輩!」一蹴
(や…やばい、何もわからなくなってきた…)胸に鉄板が一蹴されるたびに突き刺さり、僕の体が悲鳴を上げる。ミシミシと
「先輩」
「…?」
”化け物”はこちらを見つめて
「私のものになってくれますか?」
と純粋無垢な子供のような声で問いを投げてきた。
答えは簡単だ____
(YESに決まってるだろー!!)
死にたくないあまりに、救われるほうを自分なりに選択した
"化け物"は僕の答えを読み取ったのか
「うんわかった、じゃあばいばい」と
僕の胸に突き刺さっていた鉄板を思いっきり引き抜き___
僕は安堵し、薄れゆく意識の中、その鉄板が立派な剣だと理解した。
____しかし”化け物”は子供みたいに細い腕で剣を振り回して
「この【先輩】はいらない」
と一言告げた後、僕の首を刎ねた____
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「.....................」
「.....................」
「.....................」
「痛い!!!!!!!!!!」
僕は首を刎ねられた痛みで目が覚めた。
すぐにベッドから体を起こして焦りながら自分の体をさすった。
「首は繋がってる!胸も何ともない!.......はあ、夢か.......?」
夢なわけあるか、さっきまでの出来事は現実だ。と夢の中の痛みを思い出した。
そして全部位が無事だと確認が出来たら、安心したように自分が横たわっていたベッドに、また寝ころんだ。
しばらくして落ち着いた後、ここはどこかと詮索した。
「白い天井.......病院か?」
周りを見ると個室型の病室のようだ。特に特別なものはない。
「もしかしたら天国かもな」
と笑いながら独り言をつぶやくと
『そうだよ、ここは天国さ!』
と言いながら僕の目の前に【現れた】人物は_____
僕の姿をした”何か”だった。
縦続けざまに”ぼく”はこう言った。
『はじめまして…254億3200万人目の僕、君が最後の希望だ。』
第七話 運命は終わらない 続く
最後までお読みいただきありがとうございます!!
頭が混乱してきた!!
難しい~~~~~~~