第六話 出会い
バトル要素はよ出したい
「えっ…僕が君の命を救った?」
正直、目から鱗だ。
僕はこの22年で救ってもらったことはあるけれど、救ったことはない。
里栖が言う人は、他人の空似ではないかと思ったが
「私は間違いなく有真さんに救ってもらいました。どん底にいた私を。」
「ごめん.......覚えてないや.......本当に」
僕が困惑しながら言うと、里栖は悲しそうに
「.......そうで.......すか、多分今は思い出せないだけなのですね」
「本当にごめん.......もしよかったら、教えてくれないか?」
この違和感を無くしたい、その思いと
里栖のために思い出したいという気持ちがある。
「それでは意味がないのです」
「どいうことだい?」
「.......私は有真さんに助けられたとき、有真さんはこう言いました。」
『もし再び僕に会ったら、彼をあまり助けないでほしい。そして話す機会が生まれたらこれだけ伝えてほしい。』
「.......と言われました。」
僕は唖然とした。
そう、何言ってるのか理解できない
というか、里栖の頭が壊れているんじゃないか?と疑っているところだ。
「えっと、僕はどうしたらいいんだい?君はどうしたいんだい?」
困惑しながら問いを投げてみた。
里栖は笑顔で
「私は有真さんに健康で楽しく過ごしてほしい、ただそれだけです。」
ああなるほど、里栖は優しい子なんだ
でも【何か】が壊れているんだ。
その【何か】は昔、僕が助けたときに助けられなかったことなんだきっと。
「うん.......ありがと、今は思い出せないけど、いつか思い出すよ」
そういうと里栖の顔に涙がこぼれる。
「ぜ、絶対ですよ!絶対思い出してくださいね!」
「わかったから泣かないで」
「あとメール忘れちゃいやですよ!」
「わかったよ」
「あ、あとあと!」
「はいはい」
女の子の泣く声が僕の部屋に響く。
僕は泣いている里栖を慰めながら今までの話を頭で必死に整理していた。
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「すう.......すう……」
里栖は泣き疲れて僕のベッドで寝てしまった。
無理もない今は夜中の三時だ。よく寝ずに僕の事を待っていてくれたと思う。
「今度何かお返ししなきゃな.......おやすみ」
僕は里栖の頭をなでた後、キッチンに向かった。
「さて里栖特製のカレーを冷蔵庫に入れるか」
コンロの上には二日分相当量のカレーが鍋の中に入っていた。
本人曰く、『これを食べながら私を思い出してくださいね?』
こういうのなんだっけ?若妻?母?ああ違うヤンデレかな?
いや僕はそういうのには疎いほうだ。あまり考えないとこう。
冷蔵庫に鍋を入れて、明日の用意をしだす。
「さあ風呂入ってさっぱ」
ガチャッ
僕は反射的にドアに振り向いた。
(なんだ今の.......)
この時間にノックもせずドアノブを回すなんて、家間違いか?それとも______
《________!!!》
「?!」
いま大声でなんて言った?!早すぎて聞こえなかった。
あー酔っ払いかな?それはあり得るな
この時間帯はよく見かけるし
うーんこのままでも帰りそうだけど、里栖が居るから起きてしまうと怖がらせてしまうし
念のため、声だけでもかけようか
「あ、あのー家間違えてますよー」(あ、警察呼ぶのが先か、まあいい___)
突然、黒くて平べったいモノが厚さ三センチの鉄製ドアを突き抜け
僕の____胸に突き刺さった___
僕は胸の痛みに腰を落とし苦しく悶えた。
その間に訪問者は鉄製のドアをまるで紙のように切りボロボロにした。
痛みに答えながら、顔を上げるとそこには______
第六話 出会い 続く
最後までお読みいただきありがとうございます!!!!!!
敵?との邂逅です!