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現代に生まれた魔法使い  作者: レベルタロウ
プロローグ
5/28

第四話 社長

 

遅れました!すみません!


タッタッタッタッタッタッ


僕は最寄り駅を降りてから、足早に会社へ向かう。

眠気も晴れて、体も起き始めた。しかし


社長にどう謝ろうかと考えていたが、

考えても朝の事しか浮かばない、

だんだんと考えることをやめた。


頭をクリーニングしていると無事、会社の下にたどり着いた。

織田商事が構える建物は三階建てだ

1階に倉庫があり2階に事務所がある


三階は社長しか上がれないらしく、恐らくそこに住んでいるという噂がある。

あくまで噂だから、みんな触れないようにしている。


会社に入るとパート従業員さん達に申し訳なく謝りつつ、挨拶していき

階段を上がると事務所の扉が目の前に見えた。


すうーと深呼吸してから、勢いよく扉を開ける。


「おはようございます!すいませんでした!」


ただ扉を開けるだけではなく、見事なスライディング土下座を決めたつもりだ。

しかも顔を引きずらせながら


しばらくすると、かわいい声をした女性が開口一番に困惑した様子で


「は?」


「…いえそれだけです。ありがとうございます。」

「うむ次からは無いように、早く仕事を始めて」


やっと顔をあげる許しを得た。

上げるとそこには_____


貧乳・低身長・童顔


自分の目の前には、どっからどう見ても小学生がいた。

実はウチの社長である、これで22歳だ。


「おい?今失礼なこと考えただろ?」

「ノーマアム」

「昼飯お願いね」

「イエスマアム」


そんな茶番をしつつ、僕は自分のデスクに座り仕事を開始した。


ここから夜中の2時までだ。


社長と二人で_____



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


雨の中ぼくは傘を差さずに駅のホームを歩いていた。



「君をウチに入れることはできないな」

「君は大丈夫でも親がなあ」

「がんばれ、仕事は選ばなければいくらでもある」

「かえれ」

「しってる?隣の有真さんね」



僕は必死に勉強した……いろんな経験だってした。

でも社会が受け入れてくれない......


それもこれも



僕の両親が巨額の横領、殺人、詐欺をしてどこかに消えたからだ。



あまりにも多すぎる事件を起こしてくれたおかげで、僕は極悪犯罪者の子供としてメディアに『誤って』紹介されてしまった。

おかげで全国有名人だよ。


どこも名前を聞いただけで、面接すらしてくれない始末。

メディアを訴えようにも、だれも取り合ってくれない。


名前を改名しようかと思ったけど、一応僕を育ててくれた親だ。

親につけてもらった名前は変えたくない。そう決意したんだ。



だけど僕の精神状態は限界を通り越していた。



電車が来た。



僕は足を空中に浮かせ、13番目の階段を登ろうと____


「まて」


かわいい声が不釣り合いな言葉を投げかけてきた。

僕は振り向き彼女を見た。


「君は_____」


電車が通過する。


小学生は僕に聞こえる声で語りかけた、その言葉で僕は____



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「......お....い...........おい!!」

「ん?うわああああああ!」

「まったく何時まで寝ているんだ!」


時計は夜中の1時を指していた。

やばい、いつ寝落ちしたのかも覚えてない。


「す、すいません!」

「もういい…まったく......」


「私は先に帰る。戸締りしとけよ」

社長は呆れている様子だ。


ん?.......僕の背中には毛布がかかっていた。

「あの社長、これ......」


「うん?自分でかけたんじゃないか?」

社長はデスクを片付けながら言った。


「あと明日と明後日、会社休みだから来るなよ?」

「え?!?!?」

僕は驚いた。なぜなら、この会社は休みがないようなものだった。


ほぼ社員は二人しかいないのでローテーション出来ないので仕方ないと思いつつ

自分は重々承知でやっていたが、まさか休みがあるとはな......


「休みの事はパートさん達には伝えたから心配するな、じゃあ帰るよ」

「いや待ってください!いきなりどうしたんですか?!」

「気まぐれ」

社長はめんどくさそうに言った。


「あ、最後に顔洗ってから帰れよ」


事務所の扉が閉まり、社長が去って少ししてから、僕は固まった体をほぐしながら

洗面台に向かった。


鏡を見るとめちゃくちゃ目が赤くなっているのがわかった。



「昔の夢を見たからかなぁ」

鏡を見ながら考えていると、社長の前で泣いていたことに気づき、恥ずかしさが込み上げてきた。



「泣いたとこ見られたの二回目か.......」



僕は戸締りをして、そそくさと会社を後にした。




  

                  第四話 社長と僕 続く






最後までお読みいただきありがとうございます!!

少し長文になってしまった


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