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現代に生まれた魔法使い  作者: レベルタロウ
第一章 神秘研究所
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第六話 意味


二年更新していないのって失踪にはいりますか…………?



望月は、グラスを机に置くと溜息交じりに自分の事を話始める


「僕がしている事は、君や織田さんみたいな特殊な人を世間から生き抜く為の処世術を教えているだけだよ」


ウイスターはその言葉に理解を示していなく、少し思考した後、理解したかのように指を鳴らす。

「ああ!いつも一時間ぐらい教えてもらっている、意味わかんねー問題か!」


あはは、と望月は困り顔をする。

「まあ受けるだけでも全然いいからね…」

「え、でもさ!先生の授業つーの?!あれって研究所兼俺たちの秘密基地となんか関係あんの?!」


ウイスターが望月有真を先生と呼ぶ時は、酔っぱらっているか、授業の時だけだ。

うるさいしかもとてつもなく、ここが防音設備の個室でなければマスターに殴られている事だろう


「うん、普通の人は気づかないんだけどさ、神秘って色んな所に転がっているんだよ。それに気づける人、まあウイスターや織田さんみたいな人だね、そういう人を研究、治療をしていくのが研究所の名前の由来さ」

望月は続ける。

「神秘っていうのは、よくある神の奇跡とか超能力とかオカルト系の事や何故人間のみがこの地球上で一番栄えたのかを明確に判断できる絶対不変の理論とかね」

ウイスターはビールをイッキしながら質問しだす。


「なんでえええ!!!人間は栄えたんですかああああ!!!」


うるさい。


「本当に色々さ、楽園説に宇宙人説、生存本能説、基本進化説、挙げればきりがない」

望月はグラスにある水を喉の渇きを消すために飲むと、話をつづけた。


「なんでここまで進化したのかは誰にもわからないのかもしれない、もしかしたら生物には認識できない‘何か‘があるのかもしれない、そういうの現象を認識できる人や物があれば、うちの研究対象になる」

「なんで人間が人間に応じた文化を持ち栄えたのか、今研究中さ」



望月は自分の想いを話した


しかし


ウイスターは既に机に突っ伏して寝ていた。

「ZZZZZZ…………ZZZZZ」


仕方ない人だ、と呟きながら寝相でグラスや皿を割らないように避けている。

そうしていると料理を持ってきたマスターがやれやれと言った顔をしながら入室してきた。


「こいつ飲むペースすごく早いだろ、迷惑掛けたな先生」

「いえいえ大丈夫ですよ」


マスターに先生と呼ばれるのは恥ずかしい気分もあるが

ウイスターが、よく僕の話をしているらしくマスターもそういう呼び方でて定着してしまったらしい。


マスターが毛布をウイスターに掛けてあげると俺と飲まないかと誘いを掛けてきた。

望月はマスターと親睦を深める機会だと思い、嬉々として快諾した。


「珍しいですねマスターが飲んでる姿が見られるなんて」

「はは、まあ店はスタッフ一人だけだし年中無休で営業時間も15時間と長いしな、飲む時間どころか自分の時間っていうのは無いからな、こうして飲んでいるのは先生と話す為だな」


なるほど所謂、飲みにケーションっていうやつね。


「ありがとうございます」

「いやいや気を使わないでくださいな、失礼なことを聞くかもしれないしな…ところで先生」


マスターは持っているグラスを静かに置くと

真剣な顔と何かを縛らせるような眼差しで望月に問答する。


「あんた、本当に彼らを治療しようとしているのか?」


問答の返答に少し間を置く望月。

その間は、何か説教をされたときに起きる逃げ出したい静寂に似ていた。


望月は重い口を開くと、まっすぐマスターの目を見るように返答する。


「ええ、もちろん治療したいです。」

「しかしその前に研究をしなくてはなりませんし、同じ症例の人が二人しかいないので長く時間がかかると思います」


マスターも間をおいてから

「一人で研究を背負う必要はあるのか?誰かに頼めないのか?」

「すみません、僕の研究は異端視されていまして、だれも手伝ってはくれないのです。」

「まあ、実例あんのに頭の固い連中だな」

「ですね…あはは」


料理を作るために席を離れるマスターが何か作ろうかと望月に聞いてきた。

望月はそれに対して、お構いなくと返答する。


個室の入り口で止まるマスターから重い言葉がのしかかる

その言葉は、研究の真意を捉えているのかもしれない。




「…………誰かを見返すために人の人生で遊んでいるなら、俺は許さない…………」




望月は何も言えなかった。



              第六話 真意 続く







最後までお読みいただきありがとうございます!!



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