第四話 ビンタ
ライブ終わりのウイスターを迎えに行く有真!
そこに突如現れる一升瓶ソムリエ・ウイスター!!!!
ダメ!吐かないで!まだいける!!!
次回「禁断の五段ハシゴ」
っていう話かきたい
有真は少し足早に駅前に着いた。
大勢の人々が行き交っていた駅前は日付が変わり、ちらほら飲み会終わりの若者たちやビンタを食らっている金髪男などで行き交っている。
「?!」
有真は物陰に隠れる、なぜなら金髪男には見覚えがあるからだ。
いや忘れるはずがない、あの長髪金髪でギターケースを背負っているんだから人違いでもない。
そもそもあんなファンキーな人が駅前にアイツ以外見たことない。
「いてて…本気でたたくことねーじゃん」
見覚えがある金髪男は自分の頬をさすりながらこっちに向かって歩き始めた。
「何やらかしたんだ?」
有真はウイスターを脅かすように物陰からぬうっと飛び出す。
「うわあ!!.....ってお前かよ、脅かすな」
「ははは、すまんすまん」
ウイスターは少し一息置いて、こう切り出した。
「ここじゃ何だし飲みにいかね?」
「いいね行こう」
二人は駅前にある飲み屋に足を運ぶ。
この飲み屋はウイスターが演奏するライブハウスの目と鼻の先にある、おしゃれな居酒屋だ。
おでんと焼き鳥がおいしいしビールがおいしくかなり飲んでしまうのがこの店の悩みどころだ。
さらにウイスターは、ここの大将と仲がいいらしく、一人で来ても結構サービスしてもらえたりするのだ。
扉を開け、ウイスターが開口一番に
「おっさん!!!ビール!!」
とほかのお客さんの目も気にせず叫ぶ。しかしこの時間帯のお客さんは常連が多く、
いつも通りだ、と言わんばかりの顔で怒るどころか、親しく話しかけてくる。
「よお!ライブ終わりか?」
「まあな!」
「また飲みつぶれんなよ!」
「勝負っすか!?」
「今日一緒にどーお?」
「わり今日はダチと飲むんだわ」
高い時計を付けたおじさんから綺麗な女性が次々とウイスターと会話している。
そうこうしているうちに奥から大将が出てきた。
大将は背が2m近くあり、ごつい男前って感じの人だ。
「今日は俺に用なんだろ、さ、個室あいてるよ」
大将はそういうと僕達二人を手招きしてくれている。
それを見たウイスターはなんとか、ほかの常連から逃げ出してきた。
「大将、助かったぜ」
「いいってことよ」
そういうと店の奥に案内してくれた。
実は大将のお店で個室が使える条件があって
それは【何回来たか、どれだけ金を使ったか】ではなく【家族と思えるか】どうかなのだ。
ウイスターは、それに選ばれたのだ。
僕はまだ、一人で個室に通してはもらえないらしく、
ウイスターの友達として一緒にくるならOKという少しシビアな一面を持った大将でもあるのだ。
個室に着くと、大きめのテーブルに柔らかそうな椅子が二脚あり、90度の角度で対面にならないように置いてある。
「それじゃ大将、あと適当に料理頼むよ、腹減った」
「わかった、頃合い見て持ってく」
大将はビールを出した後、個室を後にし、二人は席に着く。
「じゃあ今日は色々話してーこともあるし飲み明かそうぜ。」
「先に酔いつぶれた方の負けでいい?」
「いいぜ!!」
二人の夜はこれからだ_____
第四話 ビンタ 続く
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眠たい