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現代に生まれた魔法使い  作者: レベルタロウ
プロローグ
22/28

第十七話 夢から 目覚めた

 


謎の声に問いかけをしヒントを得た有真の目覚めの先は?





「うっ.......」

ここはどこだ?と考える有真。

しかし彼は瞼を開けようにも五感がはっきりとしないらしく、身体の筋肉すらほぼ動かせない状況だ。


「だ.....れ.......か」

このかすれそうな声を誰かに届いてほしい、そう思う彼は未だに力なき声を発する。

「だ....れ…」


声かけに反応する人影が見えた気がした。

その声は有真の肩を掴み、必死に叫んでいる。


しかし聴力が戻ってない有真からすると、声は靄がかかったように何を発しているかわからない。


「す.....ま...ない」

そういうと声の主は発する事をやめて、有真に影を落とした。


それはボウリングボールサイズの拳が有真の顔面にめり込む。


痛い!と有真は全身の感覚が戻る感覚とともに顔の痛覚を感じる。

「痛い!」

「ふう荒療治だがすまない」


目の前には屈強な初老の男性がいた。


「誰だ!お前!」

有真は突然殴られたことに対して混乱する。

初老の男性は首を傾げた。

「何言っているんだ、望月有真」

続けて顔を強ばらせてこういった。

「ふざけている場合か!」


その覇気に有真の全身はピリピリと危険を感じたが、有真は負けじと反論した。

「すまないがここ最近の記憶がないんだ。一体何が起きたか教えてくれないか?」

さっきと変わって、その冷静な態度に初老の男性は有真に近づき囁くように語り掛けてきた。

「時間がない、詳しい話はあとだ。」

「分かった」

「私はアランだ。いかようにも呼んでくれ」

「アランさん、よろしく」

「ああ、私たちと君たちはスクランブル交差点で出会った。そして行動を共にした。その道中、奴が現れた。」

「奴?」

アランは一息置いて言葉にした。

「ダレス合衆国大統領のウィスター・アベレンジだ。」

有真はその名前に聞き覚えがあった。なぜなら全世界の3/1を占める超大国であり、国として誕生してからわずか六か月という速さで世界の頂点に立った国だからだ。


「その大統領様が何故ここに?」

「うむ、大統領は世界支配を企んでおり、最終工程にはいったからだ。」

「どういうこと?」

「それは話すと長くなる。また今度」

アランは少し話しにくそうだった。それは有真にはわかったが、あえて触れなかった。


しかし有真は違和感を感じた。

あるものがない、何がない?

有真は慌ててアランに質問した。


「里栖は?!」

「落ち着け、そこが本題だ。」

アランの顔に焦りが見える。

「いいか?大統領の目的は『世界に散らばったルールを集め、一つの本にすることによって世界を征服する』ことだ。」


「それと里栖は何の関係がある?!」

「実は私の娘メリッサにも関係があるのだ。」

「だからどういうことだ!?」

「それは、」


アランは言葉を紡ごうとした。

しかし、それは別の声によって弾かれる。


『出てきたまえ!!博士!!!魔術師もどき!!』


有真はその声を知らなかったが、アランは別だった。

「私と君は自分の大切な者を奪われ、アイツを倒すために作戦を考えていたのだが、君はひどい怪我を負ったのだ。」

「えっ.......」


有真は感覚が鈍っていた為、気付かなかった。


____自分の右腕がなくなっていることに。



有真は混乱し、悲鳴に近い大きな声を

「う、うわああああああああ!!!」

「バカ!ばれたぞ!」


アランは有真を掴み、走り出した。


その二秒後その空間は


『切り取られた』かのようにその場所だけなくなっていた

アランは能力を使い走った、その速さは時速150キロに相当する。

しかしその速さと並ぶように走る人影がアランの隣にいた。


『どこへ行こうというのかね!!!』

アランと有真は人影に【圧力】を受けそのまま地面に叩きつけられる。


「く、くそ......たれ....」

アランは負傷しながらも意識がハッキリしていた。

有真はアランに間一髪投げられた、おかげで怪我することなく立ちあがる。


有真は炎揺らめく町の中で、大統領の姿をみた。

そう人影の正体は大統領だった。有真から大切なモノを奪った人物。


そして彼の後ろに並んでいるロボットだろうか、人間の形をした人形が大統領の護衛と言わんばかりに後ろに並んでいる。


そして、ロボットの二人が持っている少女たちに見覚えがあった。


僕の事を心配してくれた人、僕を救ってくれた人。


その人達に似ていた。非常に似ていた。


「.......おい」

有真は大統領に立ち向かった

『どうしたんですか?旧世界の人間よ』

大統領は嘲笑うように、有真を見つめた。


「その二人を知っているか?」


有真は後ろのロボットを見つめた。

大統領はなんだそのことか、と言う感じで

『ああ、あなたが里栖と織田さんと呼んでいた人たちですね!』


        



『それは残念、彼女らは』





______有真にとって、次の言葉は自身を瓦解させるのに





『もうただの屍ですからねぇ!!HAHAHA』





________充分だった。





              第十七話、覚めよ、この夢よ 続く     




最後までお読みいただきありがとうございます!!



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