第十二話 初めての連休 中編
あれから2週間お待たせしました
有真は自分のこれからを考えながら、自分の部屋の片づけをしていた。
その最中、彼の頭には昨日の記憶が呼び覚まされる。
自分は一度死んだ、そして生かされた。
今となっては夢か幻覚のように思える、いや
そうあってほしかった、
だけど、隣にいるカラスはその幻想をぶち破ってくる。
『君の彼女はいい子だね』
「…彼女じゃないのは知っているだろ」
『はは、まあ落ち着いて...........おや?』
カラスもといナハムは僕を茶化してきたが、僕の手元にある地図に目を移した。
『これはどこの地図だい?』
「ん?ああ、これは人間の世界地図だよ、僕はね世界旅行をしたかったんだ。」
『んー…どうしてだい?』
「いろんな人、様々な考え方を自分の目で見たかったんだ」
『なぜいかなかった?』
「あの時はいろいろあったし、なにしろ日本から出れないみたいなんだ。」
有真は狂っているわけではない、彼は過去三桁回、海外に行こうとした。
しかし全てにおいて【奇怪な事故】に見舞われた。
乗るはずだった飛行機が空港の滑走路へ墜落。
船着き場や漁港周辺に大きすぎるほどの渦潮の発生。
乗った飛行機がなぜか、日本の領空から出られなくて、必ず【戻ってしまう】。
全て現実で起きたことだからこそ、有真はあきらめた。
しかしナハムはその話を
『ふーん』
どうでもいいことのように軽い相槌をした。
「何かおかしなこと言ったかい?」
カラスの相槌に少し怒ったようだ。
『いや僕が思ったのは、この地図はどこのだい?ということだ』
「.....................?」
有真はナハムの言っていることが理解できていた、
だが
理解できなかった。
「この地図は僕達人間の世界地図だよ?」
『少なくともこの世界地図は僕の知りえる限り違うね』
「いやまて、ネットにも地理の教科書にもこの地図と同じことが書いてあるぞ?」
有真はナハムの言う矛盾に疑問を感じたが、その疑問はナハムを否定することにより終わることとなる。
『もしかしたら僕の思い違いかもしれないね』
とナハム自身も疑問に思いながらも話を終わらせた。
ナハムとはまだ合わない部分があることはお互いに感じていた。それがいつまで続くのかはわからないが
今やることは、身辺整理だ。
有真はナハムを無視して片付けを再開した。
そして、連休一日目は部屋の片付けで終わってしまった。
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有真が片付けで疲れて寝ている頃
地図を広げ、ひたすら見つめるカラスが居た。
『うんやっぱり……ダレス合衆国なんて僕は知らないな』
一羽のカラスが恐怖を抱いていた。
これから起きることに。
『もしかして』
と言葉を残して遥か空へ羽を広げた____
最後までお読みいただきありがとうございます!!
書き方忘れた.......