00 ヒマだったので考えてみた
このサイト内外で『テンプレ』と揶揄される作品は、ご都合主義が多分に含まれていると言ってだろう。
死んだと思ったら、剣と魔法の中世ヨーロッパ風異世界に?
なんの取り得もないごく普通の一般人が、必要とされて召喚される?
ゲームの中でしか存在しなかった法則や人物と共に第二の人生を歩んでいく?
小説の場合は『異なる世界で』というのが前提になっているが、人生やり直したいというのは、誰しも一度は考えることだ。しかも自分の思い通りになったら、きっと愉快きわまりない。
そんな願望を全面に出しているテンプレ作品が、広く共感され受け入れられている理由のひとつであるだろうし、同時に他人の醜悪な願望を見せつけられるから嫌う理由でもあるだろう。
最近は落ち着いたと思うが、以前テンプレ一色なサイト (ランキング)状況の是非について語られていた。
実際のところ、声を上げないほとんどの読者は『テンプレは嫌いではない』『どっちでもない』という、中立ないし消極的賛成になると思う。テンプレ展開だろうと面白いものは好きで、下手クソでつまらない作品は嫌い。それが普通の感覚のはずだ。
テンプレ好きを公言する読者でも、つまらなくて評価できないテンプレ作品はあるだろうし、リアル寄りの小説が好きな読者でも、『面白い』と評価するテンプレ作品はあるはず。
内容の如何に関わらず『テンプレだから』一点のみで作品の評価を決める読者は、偏見の塊と判断するしかなく、極少数と思うしかないので、考慮する必要性を感じない。
個人個人はともかく広く見ると、懐の深い『普通の読者』でも、作者&主人公の都合にまみれた展開ばかり、その作品は嫌われ、見放されるということだ。
ならば、テンプレ展開からどこまで『ご都合主義』を削り、リアルっぽさを入れることができるか?
リアル思考寄りで細かいことをが気になる読者であっても、テンプレ展開を受けれいる――要するにツッコミどころの少ない展開にするにはどうすればいいか、考えてみた。
尚、『テンプレ展開』の定義を、作品の序盤に以下の展開があるとする。
・異なる世界、時空間に生きる主人公が、なんらかの方法でもって移動させられる。(肉体そのもの、あるいは魂のみ)
・移動時、元の世界はもちろんその世界でも一般的ではない、特別な能力(チート、前世の記憶)が付与される。