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二話02〜歓迎〜

文とか描写とか初心者ゆえかなり汚いですが、今後精進しますのでよろしくお願いします

本来、静謐かつ壮大で、生命を育む自然の気配に溢れているはずの樹海に人の気配が在った


――――その数、実に十一人

登山者や遭難者と見るには明らかに多すぎるその数は、常人ならば勿論その類のカテゴリーに当てはめる事は到底出来ない程に物騒な格好をした者達である

その迷彩服を着た十人はコートを羽織った男一人を円状に取り囲み銃を向けている


囲まれ絶体絶命の状況にいるはずのコートの男――ジンは万が一の逃走に備えて戦闘態勢を整えてはいるものの本人に交戦の意志は無かった


(かなり警戒をされている。問題はこれからどうやってこちらに敵意が無いことを示し投降の意志が有るかを証明するかだ)


そう、彼は武装したゲリラ達と無駄な殺し合いをする気は毛頭無かった

ジンの目的は“南部”に投降し、どうにかして自分が逃がした少女に会うためである

この場を切り抜けた後にどうするか、といった事は実を言うと全く考えていない

今はただ自分が逃がした少女に会いたかった


あの時

シントに復讐を果たした後、彼の心中を少女が正解に看破し自分に伝えた事に対し真実を知りたかった


どうやって自分の心の中を見られたのかは解らないが

少なくとも少女に言われたことは事実だった


ただ

それを確かめるしかやることなすことが思いつかないだけだったが、復讐に打ち込んでいる時の様に何かを行動を起こさないと、自分の存在が虚空に溶けて無くなってしまう気がしたからだ


「お前、“教団”のエージェントだな。何故こんな所に居る?まさか一人でここに攻め入った、と言うわけではあるまい。それにその格好は戦闘に巻き込まれたのだろう」


彼の回想を絶つかの様にゲリラのリーダー格らしい筋骨隆々な体格の良さげな身長約百九十センチの大男が言った


「その通りだ。俺は“教団”を裏切った。もう向こうに戻るつもりもないし、先程俺を始末するための追っ手と戦ってきた、このなりは戦闘に巻き込まれたお陰だ」


とジンは返事する

そして再度、言葉を口にした


「事はそういう訳だ。こちらとしてはそちらの南部同盟に亡命したい。必要に応じるのならば拘束した上で俺の武器を全て取り上げてもいい」


それを聞いて

リーダーらしき男が訝しげに眉を顰める

「随分と潔いな。ならこちらとしてもそうして貰いたい所だが、それが貴様の罠である可能性も否定出来ない。なぜなら我々が知りうる限り“教団”のエージェントは素手であっても人を簡単に壊せるように調整された人外共だ。それで我々の本部に侵入し、最高司令官を殺されでもしたら笑い話にもならない。最も、、」


そこで思い直したかのように彼は言う


「お前が殺してくれたら、こちらとしても大助かりなんだがな」


その時にリーダーが見せた表情は明らかな侮蔑

だがそれはジンに対して向けられたものではなく、先程この男の独白に出てきた“最高司令官”とやらに対してのものらしかった


「、、、?」

少しだけ男の態度に疑問を感じたが、そんな些細な事はどうでも良かった上に、このままだと埒があきそうにないと判断したジンはこう告げた


「そうか、だがご生憎様だったな。俺にはその最高司令官とやらを暗殺する気は無いし、あんたらに対して敵意も抱いて居ない。俺が投降する目的が知りたいのなら“教団”の報復が怖い。という理由はどうだ?それだけでヤツらは俺を殺す理由がある。何せ俺が殺したのはよりによって教祖の息子、“聖者”のシントだからな」


「何、、、だと?」シントを殺した

その事実を口にした時明らかにゲリラのジンを見る目が畏怖に染まった

中には信じられないといった表情をする者も居る


「お前、それは本気か?」


「事実だ。確かにこの手で心臓に刀を突き立てた。あいつは死んだ」


ゲリラ達は動揺している

リーダーに対して

「上からそんな事は聞いていない!」

「どうする?信用するか」

などと言う者もいる

そしてしばらくすると


「解った。ひとまずお前を連行する。シントの生死はこちらで判断を行う」


とだけ告げると


「では武器を捨てろ。刀と袖、靴に仕込んだナイフもだ」


目論見が上手く行ったことに心中安堵したジンはそれに従い先程より構えていた刀を地面に置き、袖から投擲用ナイフ、靴から仕込みナイフを抜き取り刀と動揺に足下に放った


次の瞬間に

統制の取れた動作で数人のゲリラがジンを取り囲み、後ろに回した両腕を手錠で拘束、前の者は刀とナイフを拾い上げジンから離れる


そして一行は歩き出した

南部同盟第十機動部隊基地に向かって、、、、

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