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一話04〜逃亡者〜

ようやく一話終了

あー疲れましたf^_^;

「、、、、。」


爛はジンの右腕を踏みつけた体勢のまま言った


「やっぱり何か隠してたのね。貴方があっさり倒れたから罠だと気付いたけど近づいてあげたのよ。でも、、、」


彼女は踏みつけた脚に更に力を込める

踏まれた腕は軋み、鈍い音と共に完全に砕けた


「罠にしては陳腐すぎるわね。私の性格を知っていたからこそ、受け身を取らないでそのまま倒れたのだろうけど、わざと引っかかって近づいてあげたのは共に訓練所で頑張った同僚に最後の死にゆく手向けを送ろうって思った訳」


その後、クスクスと笑った

耳障りな笑いに顔をしかめながらジンは一言だけ悪態を付く

「昔から思ってたんだが、性格悪いな。あんた」

爛はすぐに答える

「当然よ。教祖様に楯突いた異教徒にはなるべく痛みと屈辱を味わせて殺す。見せしめの意味も有るけど、秩序を乱す異教徒は地獄へ行く前にこの世のなかでも苦しみを味わって貰わないとねぇ、なにせ教団に楯突く汚れきったテロリストなのだから」


ジンはそれを黙って聞いていたが自らの危機的状況に置かれながらも問うた


「何故あんたはそこまで教祖を盲信する。過去に、、、」


そこまで言ったところで何か思い出したくない様な辛い表情を造り口をつぐむ


そこで爛は初めて彼に対して狂気以外の感情を見せた

それは先程見せた彼女が向ける異教徒への憎しみでも、テロリストへの基地外じみた異常な程の敵意でもなく

ただ、かつての同僚に対しての同情だった


「そうか、何も過去に家族を失ったのは私だけじゃないのね。貴方は私以上に酷い境遇だった」


それに対しジンも一瞬驚いたような顔をし


「やはりあんたもだったか。だろうな、好き好んであそこにわざわざ入る奴は居ない。いるとすれば自衛隊での作戦に満足出来ない筋肉馬鹿かか、ただの変態か俺達の様に、、、」


そこで爛はジンの後に言葉を続ける


「復讐に狂ったバーサーカーだけね」


そこで過去を懐かしむかのように目を細めた


「いいわ、冥土の土産に教えてあげる。同じ復讐者のよしみでね。」


そうして爛は語り出す

教団を盲信していたとは言え立場的には一般人だった彼女をリベンジャーへと駆り立てた、凄惨な過去の出来事を


「、、、、以上よ。ま、一家全員惨殺された貴方よりはマシな方かもしれないけど」


ジンは静かに話を聞いた後、言った


「それで、あんたの一家はみんなを幸福にする教祖様ってのを信じてあんたの弟は天罰を受けるべきテロリストに殺された訳だな」


それでふてぶてしく猛獣のように鋭い笑みを見せた後に一言だけ言った


「馬鹿だなあんた。教団がそうやってテロリストのせいに見せかけて信者を増やしてるっていうマインドコントロールに何故気付かない?思考したり調べたりするなりして裏を取らなかったのか?ましてや思考するのも教祖サマとやらに任せちまったのか」


「何ですって?」

爛は驚きの表情を浮かべた「そんなの嘘よ!教祖様は私を騙す筈がないだってあの方は、、、」


その狼狽はジンの冷徹な一言によって断ち切られる


「あんたを受け入れてくれたからか?違うな。それは信者、、いや便利なコマを忠実な猟犬にするための儀式。下らない上に面白くないエンターテイメント、演出の一環さ。あんたが家族と一緒に有り難い演説とやらの中で起こった襲撃もそれだ。良くできた自作自演だ。ああやって信者の忠誠心を集中させてる、手口が上手すぎて吐き気がするがな。」


爛は混乱から未だに立ち直れていないながらもはっきりと尋ねた


「そんな、教祖様が私を騙してたっていうの?何でそれを貴方が知ってるのよッ!どうせ狂ったテロリストの詭」


「違うな。俺はあらかじめ知っていたのさ。何故なら教団のいけ好かない連中に惨殺された。俺の親父はお前らから言わせれば狩るべきテロリストだったからな!」


爛はやつれながらも僅かに狂気を取り戻した瞳をギラつかせ叫ぶ


「その狂った考え、教祖様を陥れる言動、狩られるべきテロリストを親に持ち恩を仇で返す血塗られた血筋。やっぱり貴方は狂っているわ!」


「黙れッ!」


罵倒されたジンは叫び動かない筈の右腕で邪魔な爛の脚を掴み握り潰す

右足を潰された爛はたまらずジンから離れる

「、、、っ」

それでも彼女が膝をつかなかったのは流石としか言いようがない

束縛を逃れ先刻とは打って変わり怒気に満ちた表情で彼は叫ぶ


「お前たちがテロリストという区別はいったい何だ?武力をもって傍迷惑な騒動を起こす連中が親父だとしたなら殺されても仕方ない。だが俺の親父は教団との諍いも話し合いで決着を着けようとしたッ!親父はなるべく平和的に教団の規模を縮小しようとしていたんだ。なのに何故死ななければならない?」


今度は爛がが目を見開いていた。先程折ったはずのジンの右腕が何故動けたのといった疑問すら吹き飛んでいた


「それは、、、」


ジンは侮蔑を露わに吐き捨てる


「疑問を持たない教団に都合の良い人形になっているからそんな事すら分からない、考えようともしない。そんな連中に家族は殺された。重度の罪にはならないとはいえ協力したお袋も10歳にも満たない妹すらも殺した。だから俺も殺したよ。家族を殺した連中を、そいつらを仕切っていた教祖サマご自慢の息子もだ!」


そして折られたはずの右腕を掲げ

「驚いたか?この体質も復讐の為に教団に入って数々のナチス顔向けの人体実験を受けた結果だ。最も」


そこで一旦怒りを納め自分を嘲笑うかのように暗く笑い


「その結果、殆ど人間を辞めてしまったがな、奴を殺すにはこれくらい必要だったけどな。」

爛は目を見開き呻く

「再生者。それで右腕が、でもそれじゃあ貴方が、、、」


ジンはもう橋の向こう側に向かって歩いていた

そして一言だけ告げる


「わかったか?俺は自分の命なんかに興味は無い。元々家族を殺された復讐を誓った時点で俺はもう死んだ。ここにいるのはただの幽霊だ」


そして遠ざかるその背中は最早彼女の方に関心を払って居なかった


夜の闇に星が瞬く

この夜国境を通過して一人の裏切り者が南部入りを果たした


夜の闇に星が瞬く

この夜国境を通過して独りの裏切り者が南部入りを果たした

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