肉弾戦専門部隊
今後の更新時刻についてですが、今までのような夜中ではなく朝に更新しようと思います。
寝過ごしたことから更新が非常に遅れてしまい、本当にすみませんでした!
「ねえねえ。いっそのこと、高速移動で行かない?前やってた風と雷の奥義でさ」
「ああ、別にいいが…?ちょっと待て」
「?どうしたの?」
「それは息ができるのか?」
「うん。私の中には空気があって、水を分解させて酸素だけを中に入れるようにしてくれてる。すっごく快適だよ!」
「…そうか」
そう話し合っている折、水の奥義は解けたようだ。
だが、高速移動の件においても疑問があった。
「イメージしながら頑張ったらできたよ?あの高速移動の時に風の奥義と併用してみた」
「光と同化するイメージでやってみたらいけたんだ!
実は風と光の奥義併用でさ。あの時の速度、凄かったでしょ!?」
そうケイトが言ってきた二つの言葉が、頭によぎったことで。
「…ケイト、例の高速移動は…風と雷と光ということか?」
「うん。そのつもりで話したよ?
そうでなきゃ、物質をすり抜けることができないでしょ?全身を神氣と同化しつつすり抜ける。
そのためにはどうしても光の奥義・無斬が必要不可欠だったからね。
そうじゃなきゃ、すり抜けた対象を痺れさせちゃうでしょ?」
「なるほど」
冷や汗が頬を伝う中、やったことがどういうものなのかを教えてもらうために納得するまで話した結果…
つまりを言うと、こういうことらしい。
1.まずは風と雷の奥義で身を纏い、雷の光速移動に風の奥義でさらに加速させるという「光速以上の光速移動」を実行可能にする。そのまま光速移動すると物質にぶつかり、ぶつかった側もぶつかられた側も両者共に多大な損傷をきたす可能性大。
2.上記の理由から、光の奥義をその二つにかけ合わせる要領で発動。物質にあたっても透過し、すり抜けるようにする。ケイト曰く、上から被せて包み込む要領で丸ごと光と同化しているのだそうだ。
3.光速以上の速度で光速移動を実行する。それにより、結果として一瞬で着いた。
以上がケイトが自然環境保護専門部隊の本部へ向かっていた時にやっていた事柄だという。
言葉があれだったから伝わり辛かったが、そこまで説明を受けてようやく飲み込めた。
「自身に光の奥義を纏って光速移動しつつ、その上に雷の奥義を併用して外側は防がれても内側から感電させて倒すってのもありかもね」
「もうやめてくれ。考えるだけで死ぬ」
「ええええ」
(負ける以外の選択肢がないではないか)
若干、気が重くなったのは言うまでもない。
すりすり
「くぉん」
気を使ってかライオがすり寄ってくれた。
空間ごと燃やし尽くすぐらいに、空間属性を会得するしかないな!
そう結論に至る中、肉弾戦専門部隊の本部へ着いた。
わけなのだが……
「チャールズー!」
そうケイトがぶんぶんと手を振る中、当の本人は……
ががががががががががががががががががががががが
どれだけ激しく戦っているのだろうか…凄まじい勢いで、周囲の者たちと戦い続けていた。
1対5とはどういう状況だ?総員で倒しにかかられているとは…
「またそんな無茶な修業してー。フロイスに叱られるぞ~!」
「うっせえ。今いいとこなんだよ!!」
「…幼馴染なのか?」
「うん。
フロイスにとって5年だけ早く生まれた幼馴染、私がフロイスに付きまとってた幼少時に世話になったんだ。
体術しこたま仕込まれた」
「なるほど。通りで身体の動かし方に無駄がないわけだ」
「正確には相手の出方に合わせて無理のない動きで、ってのを繰り返してるだけなんだけどね」
そう呟く中、レイゼン隊長とケイトの戦いを思い出していたが…そんな風には全く見えなかった。
そうして…
「ヴィージュア!!」
『ヴィージュア!!』
びしぃっ!!
チャールズ隊長に敬礼をされた瞬間、私達もそれに倣って敬礼した。
「来たよ!特殊警務部隊として、神器&神獣研究専門部隊の一隊員として!」
「ああ!よく約束を果たした!!
そして任務はこうだ!俺とガチのバトルをしてくれ!!!」
「……え?個人的な任務?」
「そうだ!!
最初は水の奥義を会得するまでって話だったが、総集奥義を会得するまでって形に変わったからな」
「はっ!まさかレイゼン隊長の根回し!!?」
「ん?ああ。聞いてなかったのか?」
「そういえば回復すれば修業を山ほどつけてやると言ってたような…」
腕組みしながら私が冷や汗交じりに呟くと、ケイトはそれに大はしゃぎしていた。
「やったー!!やろう!!!やろうー!!!!」
(まさか…ここまで手の込んだことをするとは、思いもしなかったな)
隣でその場を飛び回って小躍りし続けるケイトを尻目に、私は思っていた。
確かに…あまりにも話がうまく進んでいた。
レイゼン隊長から、こう成長するのを見据えて与えられていた任務だと言うのなら…なるほど、納得だ。
「俺にとってもいい修業になる。これ以上ない申し出だ!」
そう快活に、先程まで暴れていたためか汗を全身に纏いながら満面の笑みで笑っていた。
いつものサラサラな緑髪も思いっきり頭にべたついている。容姿端麗が台無しにも思えるほどに…
まあ、それはどうでもいいことだな。
総集奥義…
それは、本人が使える奥義の最終形態。
各々に適性となる属性が複数ある場合にのみ辿り着く、最果て最強の奥義だ。
やり方は極めて単純な方法だ。
使える属性の奥義を全て同時に出し、かけ合わせ、覚醒融合と同じ要領でやる。
消し合うのではなく、補い合い、互いの威力を極限を超えるほどに高め合い、最大の奥義と化す。
その覚醒融合は、本来なら最低でも100年はかかると言われるほどのものだ。
だが…ケイトの場合は生まれた時から神氣に非常に好かれていた。
研究によると、どうやら非常に純粋なものを神氣だけでなく神までもが好むらしい。
精神汚染、いわゆるストレスが長年に渡って非常に多くかけられたことで闇などが心を覆うことになっても
変わらず、人を大事にしようと思えるような人格を持つケイトだからこそ、余計に自ら進んで融合されようとしているのだろう。
だから威力があれほど高いのもわかるし、覚醒融合が極めて速いのも頷ける。
空間結界を吹き飛ばしかけたものは、この国の長い歴史上ケイト以外いない。
どんな奥義が生まれるのか…
ケイトとチャールズ隊長が対峙する中、新たに生み出した奥義で何か壊しはしないだろうかという不安よりも…
それ以上に、新たな奥義への興味とワクワクが止まらなかった。
何故か、うずうずと笑みが零れ出る中…
二人は同時に動き、その中央で激しい衝撃波と共にぶつかり合った。




