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神ノ島 ~自然文明が発達した国~  作者: tke
第二章:特殊警務部隊編
21/52

創意工夫

礼儀を書く→礼儀を欠く(2017年2月26日AM6:05訂正)

「いいか?私のように気心の知れている人に対してだと、先程の行為は悪気のあるものではないと通じるだろう。

だが、初対面の人にとっては違う。

知らないままいきなりされれば腹を立たせることもあるし、ことに礼儀を欠くというのは非常に不快な思いをさせることにもなりかねない。


だからこそ、先程私は怒っていたんだ。わかったか?」

「うん。私のためを思って、怒ってくれたんだよね。ありがとう」


腕組みをしながらケイトへちゃんと伝えると、つもりと意見を理解したようでそう満面の笑みで返された。



「わかったならいい」

赤面する中、「青春だねえ」とばかりにウェルソン隊長は笑っていた。


ウェルソン隊長が光属性の自然の力をエネルギー化し、ケイトの体内を診た結果

凄まじい神氣の質の変動による負担で負った疲弊だけでなく、怪我までもが完全に治ったらしい。



ケイトの神獣、ウォーもまたケイトと同じような感じで、神器だけは全くの無傷だった。


ウェルソン隊長曰く

そのケイトの神器は「周囲の神氣を取り込み、質を圧倒的に高めることによる負荷を空間ごと無効化させる」という性質を持っており、それと覚醒融合していたからこそ

神氣吸収で無効化させると同時に体内の質と密度を跳ね上げた際、無事でいられたらしい。していなかったら耐えきれず、内側から爆発して死んでいたとのことだ。


まあ、これらもまたケイトが目覚める前に先程聞いたことなのだが。ケイトに対して説明するためだろう。



「だが、念のために無理はしないように。普通なら爆死レベルなんだからね?

少なくとも、今日一日は療養に専念して安静にしてなさい」

「はい。わかりました」


ケイト曰く、身体を動かすのにまだ違和感があるらしく、無理が出来ないのは自分にもわかっていたそうだ。



「空間結界に干渉するほどの神氣求心力だ。今後を期待しているよ。

今はまだ、神氣が体内に濃密に存在している状態に慣れていないようだが、これから徐々に慣れていけばいい。


少しずつ、少しずつ増やしていくようにね。

今日が1なら、明日は無し、明後日は1.25、明々後日は無し、その次の日は1.5といった感じで、身体が完全に休める「休憩の日」を作って挟むように。

身体を完全に休ませる休憩の日にどうしても使わないといけない場合は、体外の神氣を自在に操れるように修業するといいよ」

「わかりました。助言、ありがとうございます」


そう言って、頭を下げた。

それからレイゼン隊長に自然を介して報告すると、今日一日は休養に専念する任務に就かされるという点は変わらないと申し渡された。


本部に行かせるわけにもいかず、未だに病室でベッドに横になるように促して休養に専念している。



私達は自然を介して遠く離れていても、各々の意思を伝え合うことが可能である。


と言っても自然が意思を持っているからこそ、それにこちらの意図を伝えるように頼むことで成しえているわけである。



「今日は休憩の日、明日から修業。ならば今は体外の神氣の修業の日」

キラン

そう言いながら、瞳をキラつかせるが早いか、ケイトは瞬時に行動に移していた。


神氣を一点に集めてあり得ない密度にしてから後、自由自在に形を変えたり、辺りへ目に映らないほどの速度で動かしていた。



その動きは渦のようで一瞬で台風が出来上がり、凄まじい風と衝撃波のバリケードが出来上がっていた。




「…そういえば、レイゼン隊長と互角に渡り合っていたな?

あれは神氣吸収ではなかっただろう。何をしたんだ?」

「ん?それは創意工夫だよ。ずっと一人だけで考え続けてたの、戦法」

「?やり方か?」

「うん」


そう言ってから後、ケイトは次々に説明してくれた。



「普通に神氣を放出させるとなると、それこそ自然に周囲へ分散するでしょ?だからそれを意図して制御してないと、スポンジ程度の密度になっちゃう。

要するにスカスカ。


でもそれを金属並みの密度になるよう制御すると、それこそガッチリと隙間なく詰め込まれてるわけだから。

どれだけ普通のスポンジを集めて分散してぶつけたとしてもビクともしないの。


だから、一番大事なのは量よりも質。つまりは密度にあるって私は考えたんだ」

「なるほど。ちゃんと考えているんだな」


「それだけじゃないよ?ちゃんと実践したんだ。


同じ神氣の量がここにあるでしょ?左を50、右を50。

普通に集めただけで圧縮してない密度に変化がない状態を「左」として、限界を超えるまで圧縮して密度を最大限まで高めたのを「右」とすると、こうなる」

ぼぉっ!!!しゅんっ!!!


「…右の方が凄まじく小さいな。

右のは分散を全く感じないが、左の方は周囲へ力強く分散していて強そうだ」

「見た目はそうなるね。

けれど、大事なのはここから。こうやって、互いへ向けて全力でぶつけてみると」


その瞬間、右に触れた瞬間に左は消し飛んだ。



「!!」

「つまりを言うと…その圧倒的な密度に耐えきれず、霧散していったって感じ。

見ての通り右の方は全く分散していないから、神氣を消費していないんだ」


「…つまり、塊で殴りつけることで「スポンジ程度の分散している程度のもの」は蹴散らせると」

「うん。たとえエネルギーを消費するとしても触れた個所だけだから、節約にも繋がるんだ。


で、実は神氣をエネルギーとして感じ取っていたんだ。私は。

そしてそれは体内にも、体外にもある。


体内ではその流れを扱って、その密度を高めてある箇所に集めることで、一時的にその機能を高める。

例えば、脳だと思考能力や判断力を高めたり、目だと些細な動きだけでなく広い視野が、耳だと些細な声が、筋肉だと一時的に筋力を高めたり、神経系だと動きを速めたり、骨や皮膚だとより頑丈にとか、脂肪だと衝撃吸収度を高めたり、触覚だと肌に触れる風やエネルギーを繊細に感じることで相手の拳やエネルギーが迫ってくるのを事細かに感じたりとかね。時と場合によって使い分けてるよ。


体外ではその塊を全く分散させないようにすると、消耗が明らかに減る。

自在に動かせると、鎧のように纏うことで防御力を上げたり、それを纏ったまま動かす速度を速めることで身体の動きに加えて塊の速さも加わることで相乗効果を引き起こして、昨日レイゼン隊長とやってたように「光速を遥かに上回る速度」で「1秒に50兆回」ぶつかり合うことが可能となった。

光と同化するだけでなく、光と息を合わせての相乗効果も必要になるんだ」


光速は299792458m/s…

互いにとって20m程度の範囲でやるとしても、その1秒ごとにぶつかり合うだろう回数は14989622.9。


なるほど1500万回程度のはずが、それをも遥かに上回っている。



1m程度だとしても全く掠りもせず、追いつかないほどの速度…光速の166782倍だ。




「…随分と奥深くやり込んでいるんだな」

「うん!こういった戦法を考えるのが好きだから、研究職ともいえる神器&神獣研究専門部隊を選んだんだ!!

といっても、これらは8歳の時にできるようになったんだけどね」

「8歳だと!?」

「うん。で、気付けばその神氣ってエネルギーと覚醒融合できるようになってた。

まあ、体内と体外の融合みたいなものだしね」


そう快活に笑いながら語るそれに、そんな単純な話じゃないと心底ツッコみたくなった。



それらの創意工夫ぶりに、私はただただ呆気にとられるばかりだった。

・ケイトが修業でやっていたこと一覧


その1:神氣を体外に出しつつ、その制御に専念。密度を上げるだけでなく、その動きを光速にする修業もしていた。

当初、本人はエネルギーだと思っており、それが自然の力に繋がるのだと思っていた。しかし、レイゼン隊長に教わったことにより意思を持っていることを理解した。ただし、薄々本人は感じ取っていたらしい。

その修業に入る前、6歳にしてただ集めて放出するだけでは限界があると悟ったが故、密度を上げるために圧縮する技術を高めていった。小さな塊で、相手の大きな技や神氣を吹き飛ばすのは痛快だったらしい。


その2:体内の神氣制御。

体内には重要器官もあり、その分空気と比べると遥かに抵抗が生じるので、空気ほど瞬時に動かすことはできない。体外で繰り出すのと同じ速度、すなわち光速以上の速度で動かしてしまえば内臓や重要器官が傷付くため。

未だに体外のエネルギーを使わない状態だと、光速でしか動けないと不服そうに本人はぼやいているが、それが周囲にとっては異常である。


その3:周囲に意識を拡げ、エネルギーを感じ、その意思と真っ直ぐに向き合い、理解し、受け入れ、心を一つにする。

無駄にさせないように尽力し続けたことにより、神氣の消耗や分散は皆無となった。それを常に続けるという行動をとり続けていたからこそ「自身が神氣を護ろうとする意志」は本物だと身をもって証明し、神氣から絶大な信頼を受けると同時に護りたいと思わせた。

それに伴って神氣求心力を跳ね上げ、神氣が自らケイトへ力になろうとさせたのだろうと考えられている。相手の技や奥義を構成する神氣までをも、自ら吸収させようとするほどに…


以上により8歳という歴代最年少にして覚醒融合を可能とした。その当時、ウォーとも同様に覚醒融合をしている。


護ろうとする行動を常に貫き続ける意志と、真摯に向き合い理解しようとする心、丸ごと全てを受け入れようとする器、それらが兼ね備わったからこその事象だと言われており、ケイトもまた神氣や神獣や神器に共に生きる欠かせない存在・相棒として絶大な信頼を寄せている。

そして神器もまた、ケイトと一体となってこの世に生成される際に神の力の一部である神氣を通してそれを感じ取っていたからこそ、もらったその日に覚醒融合を果たせたのだろうと考えられる。

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