表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神ノ島 ~自然文明が発達した国~  作者: tke
第一章:始まり
2/52

誕生

自然文明が誕生した理由



というのも、神の力による所が非常に大きかった。


結界内=島が常に神の力で満ち満ちたことにより、人間や動物から愛され護られていた「自然」に意思が宿り

遥か昔、祖先が移住してきた時から護り続けていたことで、人間や動物に力を貸すようになったのだ。




要するに、神の力を長年に渡って受け続けた影響が現れ出したのだ。


植物達は神性を宿し、その「結界」が常に在り続けるよう働きかけだし、この島を護り続けるようになった。

動物達は自然の力と一体となり、「神獣」と化した。

人間達は自然の力をその身に宿し、具象化することで自分だけの神具、「神器」を手にした。



それこそが自然文明の誕生の瞬間であった。




最初に神器を手にしたのは、10歳になったばかりの「人間の王・エヴァン」の子孫。


それ以降

この島では10歳になると、神器を与えられる儀式を執り行われることとなった。



自然文明誕生から180年経った、現在(2017年)――




ここは古くからある、自然を護るために一切伐採や開拓をせずに作られた「地下の遺跡」。


この島の民は皆、そこで暮らしている。

総合人口は864人、一人一人に神獣がつくことになっている。



その地下の遺跡は非常に透明度が高い湖の下に作られたわけだが

その湖の底部分が自然の力によりガラスの役割をしていて、明るく温かくなっていた。




たったったったっ


「はっはっはっ!」

キラキラと目を輝かせ、笑いながら走っているこの少女。

その名はケイト、本小説における主人公である。



何に目を輝かせているかというと

その走っている道の上空で、自由に飛び回る神獣と、自然の力を神器と共に自在に扱う国民にである。




「ケイト!」

エイの神獣に乗って天をかけ、金髪のショートカットをたなびかせながら現れたのはフロイス。

特殊警務部隊の、美食専門部隊に属している人だった。


「フロイス!」

「お前、いい加減呼び捨てはやめような?

俺の方が50も年上なんだから!」

いつものように呼び捨てで呼びかけてみると

キリッとした目を細めて苦笑交じりに答えてくるのは、もはや日常茶飯事である。



「それは違うでしょ?ここでの年齢で言えばたった5歳じゃない」

「そりゃあ、まあ…

あの自然文明誕生頃から、俺達の身体に異変が起きたもんなあ」


「うんうん。10年経つごとに身体の年齢は1歳だっけ?」

「ならなおさら年上に敬語を使わないと、な!」

その言葉に頷きながら返していると、わかめを頭に乗せてきた。



「!!もらってきたの!?」

「ああ。いつものように自然を通して話し合って、恵みを分けてもらったんだ」


「やった!今夜はわかめスープだ!」

「相変わらず好みのものだと嬉しそうに笑うよな、お前。可愛い満面の笑みだこって。

ほらよこしな。いつものように料理作って、皆に分配するからよ」


「はーい!」

そう元気に答えながらわかめを返すと、笑って頭を撫でられた。


この瞬間が、私は好きだ。

とても温かいし、何よりフロイスの優しさをより近くに感じていられるから。

・神器

10歳になった時、国民に与えられる。

それは武器から防具、布など、様々な形態と性質を成している。


この世に一つしかない、「最後の切り札」とも言われており

授与された瞬間から使用者オリジナルの力として形を成し、使用者にしか扱えない。



ただし、その時から力あるものとして認められ

その力を悪用してはならないという重責を持つこととなる。



・神獣

この世に生まれ落ちた時から共に育っていくパートナー。

人間が死ぬと神獣もまた死に、逆もまた然り。


この島で人間が生まれた時、同時に動物もまた生まれ、互いにつくこととなる。

磁石のように引かれ合う、「分身」とも言える存在。


一人に一匹しかおらず、その形態は多種多様。

グリフォンからドラゴン、ペガサスに至るまである。



それが外界に出たことから神話になったのではとも言われているが、詳細は不明。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ