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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

世界のヤンデレシリーズ

世界のヤンデレシリーズ~赤ずきん~

作者: YUKI

×月1日

今日、初めて君と出会った。

森の中で迷子になっているようだったから、こっそり道を教えてあげたら嬉しそうに笑って「ありがとう」って言ってくれた。ふわふわの金髪がとてもきれいで、白い肌はとても柔らかそうな女の子だった。また、会いたい。


×月2日

食料を探し森の入口まで行った。

ちょうどいい娘がいたので、喉を引き裂いて声が出ないようにした後、家まで連れて帰った。やっぱり新鮮な肉の方がおいしい。生きたまま腕や足を自分から差し出してくれる食料があればいいのに。


×月3日

今日は君の名前を村人が呼んでいるのを聞いた。「赤ずきん」。それが君の名前なんだね。嬉しくて何度も何度もその名前を呼んだ。何度も何度も呼び過ぎて、気が付いた時には喉がからからに乾燥して血が出ていた。


×月8日

なかなか君に会える日がなくて寂しい。

だから、村人の一人を脅して、君のお家の場所を教えてもらったよ。あれから毎日のように君を見に来ている。

君は相変わらず可愛い。

君を間近に見るようになってからいろんなことを知ったんだ。あの赤い頭巾はおばあちゃんに作ってもらったものだということ。グリンピースのスープが苦手なこと。女の子なのに冒険とか探検って言う言葉が大好きなこと。だからそれを止める両親を少し煩わしく思っていること。その他にもいっぱい君のことを知ったんだよ。

それにしても、君のお母さんは森には危険が多いからってあまり外を自由に出歩かせてもらえないんだね。かわいそうな赤ずきん。でも、僕がなるべく君の傍に行くから、寂しがらなくていいんだよ。


×月10日

あぁ、赤ずきん。もっと君の近くに行きたいな。その小鳥のような声をもっと近くで聞きたいんだ。

そしてね、出来ればでいいんだ…できれば。その声で優しく僕のを呼んでほしいんだ。

君のその綺麗な瞳が僕を見て、君のそのみずみずしい唇が僕の名前を紡ぐ。

あぁ、考えただけでなんて素敵なんだろう!


×月12日

会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい

会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい………(最後の方は日記帳から文字がはみ出し、あまりの筆圧にページが破れている)


×月13日

そうだ、君に会えないなら君の人形を作ってみたらどうだろう?

君とお話しするその時の為に、練習することにするんだ。君を怖がらせたりしないように優しく優しく囁く練習。「こんにちは、お嬢さんご機嫌はいかがですか?」なんてね。


×月17日

今日、君の人形ができたよ、赤ずきん。

こっそりとった君の写真と、村の娘を咬み殺して奪った君によく似た服をマネキンに飾ったよ。

なんだか君が傍にいるみたいで嬉しい。

あぁ、君に会いたい。会いたいよ、赤ずきん。

それにしても、完成した後はひどくお腹がすいた。だって人形を作るのに夢中で、少しもご飯を食べていなかったんだよ?君のことを考えると、食べるのも眠るのも忘れてしまうんだ。少し痩せたけど、君の為に頑張っているのだから僕は満足さ。


×月20日

食料を探しにまた森の入口に行った。人間は僕を見たなり醜く叫ぶし、逃げ回るし、顔を歪めるし、本当にひどいよね。今日殺した娘は、あまりにも甲高く叫び逃げ回るものだから、手足を潰して、口に石を詰めてやったよ。赤ずきん君は優しく賢い子だから、僕を見てもそんなこと絶対にしないよね?


×月22日

今日、君の人形に誰にも気づかれないようにキスをしてみた。

少しぐらい心が満たされるかと思ったけど、人形の唇じゃ君のみずみずしい唇に及ぶはずもなく、ただただ君に会いたいと思う気持ちが強くなるだけだった。


×月23日

君とお話をする練習をすればするほど、君に会いたいと思う気持ちが強くなっていくのがわかる。こんな偽者なんかじゃダメなんだ。

やっぱり本物じゃないと。

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう…………。


×月24日

ウフフ、いいことを思いついたよ赤ずきん。

君のお母さんを殺してしまえばいいんだ。あの女さえいなければ、君は僕の元へ自由に来れるだろ?

僕が君を自由にしてあげる。そうしたら君も僕を感謝してくれるに違いない。


×月27日

あの女を殺したのに赤ずきんが来てくれない。

どうして?あぁ、そうか自分で来るのは恥ずかしいんだね。仕方ないな、僕が迎えに行ってあげるね。村人から奪った綺麗な服と、森で摘んだ花で花束を作って持っていこう。

あぁ楽しみだな。君が僕を見たときに最初に言う言葉をずっと考えているんだ。


×月28日

今日、とてもショックなことがあった。

赤ずきんが僕の顔を見て「人殺し!!こっちに来ないで!!」ってどなったんだ。あんな顔初めて見たよ…。

どうして?僕がこんなに君を思っているのに、君は僕が嫌いなの?

きっと何かの間違いだよね?

ちゃんと話をしなくちゃダメだ。きっと彼女は僕を勘違いしている。

僕がどんなに彼女を思っているか、きちんとわかってもらわないと。


×月29日

今日、赤ずきんを僕の家に連れてきた。

せっかくいい服を着て行ったのに、赤ずきんを連れていくのを邪魔した男を殺したせいで血塗れだ。食料がなくなったから、一応持って帰ってきたけど、あまりおいしそうではない。赤ずきんは僕が話しかけても、僕を怖い眼で睨んで、逃げたり、暴れたり、騒いだり。本当はこんなことしたくなかったけど、椅子に縛りつけなければならなくなった。

きっと気が動転してるんだ。もう少し落ち着いてから話をしよう。


×月30日

食事を用意してあげたのに、全然食べてくれない。

「お父さんやお母さんを返して!」「あなたなんか嫌い!」ってずっと叫んでたけど、食事を見るなり泣いて、一度だけ奇声をあげた後、何も話さなくなってしまった。

やっぱり、アイツはおいしくないからダメなのかな?

でも、ご飯を食べないのはやっぱり心配だから、食べさせてあげることにした。でもやっぱり吐きだして、食べてくれなかった。


×月31日

君とお話しするためにいっぱい練習したのに。もっと僕を見てよ赤ずきん。こっちを見て、僕を見て、笑ってよ、お願いだよ。どうして言うことを聞いてくれないの?

こんなの全然僕のほしかった赤ずきんじゃない。

あの食料たちみたいに僕の顔を見るなり叫んで、顔を歪めて、逃げようとしても、僕は君だから許してあげていたのに。

何とか僕の方を向かせようと、僕は彼女の首元に手をまわしていた。

でも、彼女があんまり抵抗するものだから、僕も少し力が入ってしまって爪が君の肌に食い込んでしまった。

止めようとしたけれど、全然血は止まらなくて、結局赤ずきんは動かなくなってしまった。

ごめんね、赤ずきん。でも、君も悪いんだよ。

いつまでも僕を拒絶するから…。

でもね、赤ずきん。




やっぱり君の肌はとてもとても柔らかかったよ。











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