ねこまんま食堂のまかないメニュー その16
ちょっとお下品な男子高校生たちの会話です。気になる方はスルーしてくださいませ。
【料理倶楽部一年男子たちの悲劇~ダルメシアンは見た】
「なぁ、見た?」
三年生追い出し会終了後、俺たちは学食ホールの掃除をしていた。女子は調理室の片付け担当だから会話の内容に遠慮しなくていいということもあってか、内緒話をしているように思えない声量だ。
ビーグル(マツノ)とトラ(タケウチ)とリス(ウメモト)が箒を持ったまま頭を突き合わせている。
俺も拭きあがったテーブルに椅子を載せながら、耳だけはしっかりとそちらに意識を向けていた。
なんでって? そりゃ、俺も男だからさ。
誰が可愛いとか、誰のコスプレがイケてたという会話を聞いているうちに、話題はどうやら美晴先輩に移ったことが分かった。
「見ちゃった……俺、その後目が合った玉野先輩に睨まれた」
「ヤバイよな、マシュマロみたいに白くて柔らかそうで……」
「あの谷間! マリアナ海溝みたいだったよな! 挟まりてぇ!」
「そんなに深くねぇだろ、バカかお前は」
「サイズいくつなんだろうな。Eかな、Fってことはないよな」
「Fって! ぎゃははっ。それヤバイ!!」
「顔埋めてみてぇ~~」
盛り上がってるところに水を差すのもなんだかなー。
でも後ろ、玉野先輩が腰に手を当てて立ってっぞ。
「美晴先輩、あれワザと見せてんじゃねぇ? でなきゃあんなに深々お辞儀しちゃダメでしょ」
「無防備過ぎ!!」
「玉野先輩と付き合ってんだろ?」
「うらやましーー!」
「つーか、玉野先輩心配なんじゃん?」
「あー! 『今晩のオカズにどうぞ♡』って感じだったよな」
「美晴先輩かよ、今の。似てねー!」
バカだ。とうとう名前出しやがった。しかも身体をくねらせて胸を寄せる仕草まで……。
あーあ、玉野先輩の顔がめっちゃ怖ぇぇ。
「マツ、タケ、ウメ。お前らちょっとこっち来い」
「ヒィ! た、た、玉野先輩!!」
「違うっすよ? 美晴先輩のマリアナ海溝の事なんか話してないっす」
「あ、バカお前!!」
「いいから、ちょっと来い、な?」
犬とトラとリスの首根っこ掴まえて玉野先輩が学食ホールを出て行った。
後に残された俺たちは気まずい顔で顔を見合わせた。
そりゃちょっとは思ったけどさ。
俺も見ちゃったけどさ。
口は災いの元だよなぁ……。




