☆第四話☆『お友達になっちゃった』
クラス中の人に羞恥を曝した私たち。そんな私たちと仲良くしてくれそうな男子に声を掛けるために、私たちはクラス中を見渡していた。
クラスには、いろんな男子がいた。ほとんどの男子は、一般的にイケメンと呼ばれるような顔立ちをしている。
「ねぇ、陽。誰に話し掛ける?」
「桜姫は、誰が仲良くしてくれると思う?」
「うーん、あそこにいる人とか優しそうだよね」
「うん。優しそう」
「でも、ちょっと私のタイプじゃないかも」
「あれ? 性格も重視するんじゃなかった?」
「そ、そうだったわ」
そんな会話をしていたら、会話の中心になっていた男子が近づいてきた。
「ねぇ君たち、さっきまで面白そうな話をしてたよね? 次は何の話をしているの?」
思いがけないチャンスが舞い込んできた。
「うーん、……あなたについての話」と、桜姫が答えた。
「へぇー、僕についてかぁー。何て話してたの?」
「優しそうだから、友達になりたいなぁー、って話してたの」と、またも桜姫が答えた。
全く会話に入れない私。
「僕と友達になりたいの?」
「う、うん」と、戸惑いながら、またも桜姫が答えた。
「じゃあ友達になろう!」
「はやっ! ……じゃ、じゃあ、まずは自己紹介をしましょ」
「そうだね。僕は、立花流。君は?」
立花くんは、私の方を見ながらそう問い掛けてきた。
「わ、私!? 私は赤城陽」
「陽ちゃんって呼んでいい?」
「あ、はい。私は立花くんって呼びます」
「うん。いいよ」
「ちょっと待ったぁーっ! 何で私の存在を無視するのー!? 立花くん、今まで私と話してたよね?」
「あ、ごめんごめん。さっきまで君とずっと話してたから、次は陽ちゃんと話そうかなぁと思って」
「そうだったの? ……せ、せめて自己紹介だけでもさせてぇー」
「それじゃあどうぞ」
「なんかかなり言いづらいんですけど……。ま、いいわ。私は田中桜姫」
「じゃあ桜姫ちゃんって呼んでいい?」
「OKよ。私も立花くんって呼ばせてもらうわ」
「陽ちゃん、桜姫ちゃん。今日からよろしく」
「『こちらこそ、よろしく』」
こうして私たちは、立花くんと友達になった。なんかかなりあっさり友達になったけど、大丈夫かなぁ? ……ま、いっか。




