☆第二十一話☆『絶対に両立させる!』
私は唖然としていた。坂下くんが、先生に反抗するなんて……。
「赤城さん、さっき先生が言ったことは気にしなくていいよ。俺たちは俺たちのやり方で頑張ろう」
「うん、そうだね」
私たちは途中まで一緒に帰り、それぞれの家路についた。
私は家に帰り着いた。
(坂下くん、私のことを大事に思ってくれてる)
私は、これ以上無いくらいに、坂下くんのことを好きになっていた。
次の日の登校途中で桜姫に会った。
「陽、おはよー」
「桜姫、おはよー」
「昨日は大変だったね」
「うん。まぁ、自業自得なんだけどね」
「それでさぁ、……坂下くんと付き合ってるの?」
「……うん。坂下くんと付き合ってるわ」
「そうなの!? まさか、陽が告ったの?」
「うん、私から告白したわ」
「陽、やるじゃない! 見直したわ」
「桜姫、大袈裟よ」
「いいなぁー。私も彼氏が欲しい~」
「桜姫は切室くんと進展はあったの?」
「ないない。普通に話をするだけ」
「思い切ってデートの約束とかしちゃえばいいんじゃない?」
「それいいかもしれないわね」
「もし行くなら、今週の土曜か日曜がいいんじゃない?」
「うん、そうする」
会話をしながら歩いている間に学校に着いた。靴箱に靴を入れて、教室に向かおうとしたときに後ろから声が聞こえた。
「赤城さん、田中さんおはよー」
「あっ、坂下くん。おはよー」
「坂下くんおはよー。陽、お邪魔虫は先に教室に行くね」
「ちょっと桜姫!? もぉー」
「田中さんはやっぱり面白い人だね」
「うん」
「俺、今日もしっかりと問題を解いてきたよ。また答え合わせをしよう」
「うん」
「勉強と恋愛を絶対に両立させる!」
「そうだね。原先生に『ギャフン』と言わせてやろうよ」
「それいいね」
私たちは教室に着いた。
そして、朝のホームルームの時間が始まった。私たちはいつも通りに答え合わせをした。
「今日は一問ミスだったね」
「残念だよ」
「コラー。そこ、イチャイチャするな! お喋りせずに勉強しろ」
原先生に注意された。
「すみません」
ホームルームが終わり、原先生が教室を出ていった。
「原先生は俺たちの方ばかりを見ていた。先生は絶対に両立は無理だと思ってる」
「そうだね」
私たちが会話をしてるところに篠山くんが来た。
「お前たち、一々注意されんなよ。耳障りなんだよ」
「すまなかったな」
「そっちの女には、邪魔するなって言ったよな?」
「うん、……ごめん」
「俺はお前たちとは違うんだ。いい加減にしろよな」
篠山くんは自分の席に戻っていった。
「私たちって、他の人に迷惑をかけてるんじゃないかな?」
「今日はそうだったかもしれないけど、気にしなくていい。俺たちは俺たちの道を進めばいいだけだよ」




