表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/24

☆第二十話☆『早期発見』

「あら、赤城さん。気がついたのね」

「はい。美浦みうら先生、すみませんでした」

 美浦先生は保健室の先生だ。

「びっくりしたわよ。急に倒れて、運ばれてきたんだから。原因は寝不足ね。ちゃんと睡眠をとらないとダメよ」

「はい……。そういえば、誰が運んでくれたんですか?」

「ここまで運んでくれたのは男の子だったわ。たしか…………坂下くんだったかしら」

「坂下くんが…………。そうなんですか」

「もしかして……彼氏?」

「……はい。今日付き合い始めました」

「まさか……、彼氏のことを考えすぎて眠れなかったんじゃないの?」

「実は…………そうなんです」

「……青春ねぇ~。うらやましいわ。私も恋がしたーい」

「先生もまだまだ恋できますよ」

「そうかな? 恋できればいいなぁ~。……赤城さん、元気になったら教室に戻っていいわよ」

「もう元気になったので、教室に戻ります」

「彼氏にお礼を言うのよ」

「はい。それでは、失礼しました」

 私は保健室を出て、教室へ向かった。そして、授業が終わった少し後に教室に着いた。

「赤城さん、大丈夫!?」と言いながら、坂下くんが真っ先に近寄ってきた。

「さ、坂下くん……。大丈夫だよ」

「よかったぁ~」

「心配かけてごめんね」

「赤城さんが無事ならそれでいいんだ。次の授業は出れるの?」

「うん。次の授業からは出れるよ」

「あんまり無理しないでね」

「うん。ありがとう」

 午後の授業を全部受け、放課後を迎えた。

「赤城さん……、一緒に帰ろう」

「うん、帰ろう!」

 私たちは一緒に帰ることになった。

 私たちがお喋りをしながら廊下を歩いていると、前からこちらに向かってくる人がいた。

「赤城、坂下。お前たち、随分と仲が良いみたいだな。もしかして……、付き合ってるのか?」

 こちらに向かってきていたのは、原先生だった。

「はい、付き合ってます」と、坂下くんが答えた。

「そうか、それは羨ましいな。……ところで、俺がホームルームの時に言ったことを覚えているか?」

「……すみません。覚えていません」

「そうか、じゃあ思い出させてやる。俺が言ったのは、目標を達成させてやる。それは条件付きで、毎日努力をすること、それと……恋愛をしないことだ。お前たちは目標を達成したいとは思わないのか?」

「目標は達成したいですよ。でも……、恋愛もしたいです!」

「勉強と恋愛の両立は無理だ! 今まで両立出来た奴を見たことがない」

「じゃあ俺たちが、両立できるってことを証明します」

「……好きにしろ」

 原先生はその場から立ち去った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ