☆第十一話☆『好きなのかな?』
登校六日目。今日の陽はいつもよりもよりいっそう輝いて見えた。
「赤城さん、おはよー」
「あ、坂下くん! おはよー」
「今日も勉強を教えてもらってもいいかな?」
「もちろん!」
「じゃあ、ここのところを教えて!」
「ここ? ここはこうやって……」
陽は坂下くんに、勉強を真剣に教えた。
「なるほど。今回の説明もとても分かりやすい」
「そ、そうかな?」と言いながら、陽は赤面していた。
「うん、分かりやすい。……あれ、赤城さん顔が赤いよ。熱があるんじゃないの?」
そう言いながら、陽の額に手を当てた。
陽は、さらに赤面した。
「……熱は無いみたいだ。大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ」
「一応、保健室に行く?」
「ほ、ホントに大丈夫だよ」と、陽は必死に言った。
「そう、ならいいんだけど」
そんなこんなで朝のホームルームが終わった。
そして、今日の授業も終わり、放課後になった。そして、いつも通りの会議が開かれた。
「陽~、朝のホームルームの時に、坂下くんといい雰囲気になってなかった?」
「そ、そんなこと無いよ!」
「またまたー。顔が赤くなってたわよ」
「桜姫、見てたの?」
「もちろん! 陽は坂下くんのこと……好き?」
「さ、さぁ? どうなんだろう?」
「えっ! 赤城さん、坂下くんのことが好きなの?」
「た、立花くん!? 声が大きいっ」
「ご、ごめん。それで……どうなの?」
「この感情は、好きってことなのかな? 今の段階では分からない」
「今の段階では分からないってことは、今後好きになる可能性は有るってこと?」
「それも分からない」
「そう。もし陽が、坂下くんのことを好きになったときは、私は全力で陽に協力する!」
「桜姫…………ありがとう!」
「ぼ、僕も協力する!」
「立花くんもありがとう!」
(私は坂下くんのことが好きなのかな?)
陽は悩んでいた。こんなに早く、人を好きになるのかと……。
「ねぇ桜姫、立花くん。初めて顔を合わせてから一週間も経たないうちに、人を好きになることってあるのかな?」
「『もちろん!』」
桜姫と立花くんは同時に答えた。
「一目惚れだってあるのよ。人を好きになる早さなんて、人それぞれよ」
「そうだね。陽ちゃんが『この人と一緒に居たい!』と思ったなら、それでいいと思う」
「桜姫、立花くん。ありがとう!」
「陽、今年中にいい恋をして、彼氏をつくりなさいよ!」
「桜姫もね! もちろん立花くんも!」
「僕も頑張る!」
こうして、それぞれの決意が固まり、放課後の会議は終わった。




