『大楠のプレスマン』
掲載日:2026/05/26
ある村に大きな楠がありました。何百年の木かわからないほど大きな木で、村全体を日陰にしてしまうほどの大きさでした。米も野菜も育たず、村人は貧しい暮らしを強いられていました。村の寄り合いでは、あの楠がなければ、というぐちがいつも聞かれましたが、大きな木には神が宿ると言われるので、切ってしまおうという結論には至らず、寄り合いは、ため息で終わるというのが常でした。
あるとき、この楠に落雷がありました。だからといって、楠には何もなかったのですが、落雷で倒れてしまったことにして切ってしまおうという勢力が、夜中のうちに楠を切り倒してしまいました。翌朝、落雷で倒れたのではないことが、村人全員にわかりましたが、誰も文句を言いませんでした。しかし、信心深い村人が、楠の枝でプレスマンをつくり、楠の切り株の上にほこらを建てて、祭ったところ、その年は米も野菜も豊作になりました。
教訓:落雷があった農地は、窒素吸着により豊作になるという。




