小さくて少なくなったアポロチョコ
スーパーの階段を下りる途中に、これ
お買い得ですよ、と言いたげな棚がある。
下りる途中でチラリ目に入ったのは、
アポロチョコの大袋。その中に小袋に
入ったアポロチョコが入ってる。
手に取ってみたら、………軽い。
空気みたく軽い。
明らかに内容量は少ない。
大袋を手にした私の手がそう呟いてる。
でも、久々のことだから
買ってみよう。そうしよう♪
家に帰ってきて夕食用に買った食材はそっち
のけで、まずはアポロチョコ!
………うん、少ない。でも、可愛い。
アポロチョコの見た目は相変わらず可愛い。
だから、値段の割りには高く感じたけど、
でも、可愛いから許す。
1粒食べてみた。
味は……たぶん昔のまま…だと思う。
最後に食べたのがいつだったかも思い出せない
ほどの昔だから。
でも、なんだか懐かしくて面倒くさいから
小袋に入ってる数、たぶん7粒くらい?を
一気に口の中に放り込んだ。
大人買いならぬ大人食い?
甘くてちょっとイチゴ部分が甘酸っぱくて、
満足。
一瞬で口の中から消えた、私の「懐かしさ」
小袋に残ったのは、ピンク色の甘い香りと、
パンパンに膨らんでいたはずの「空気」だけ。
冷静になれば、かつてのアポロはもっと一粒
一粒に重みがあったような気もする。
でも、今の私にはこの「一気に放り込む贅沢」
の方が、ちまちま食べていた子供の頃より
ずっと贅沢に感じられるから不思議だ。
内容量が減っただの、コスパがどうのだの、
世知辛いことはもういい。
結局、ピンクと茶色の三角形がそこにあるだけで、
私の機嫌はちょっとだけ直ってしまうのだから。
さて、口の中が十分甘くなったところで、
ようやく足元に放置していたネギと挽肉に
手を伸ばすことにしよう。
今夜の夕飯は、アポロの甘酸っぱさを引きずっ
たままの、変な隠し味の効いた麻婆豆腐に
なりそうだ。




