雀宮涼は戦いたい
「出帆、起きて。ご飯食べよう。」
「んー、うん、、、」
寝ぼけ眼の出帆がこっちをじーっと見ていた。名前を忘れているのかと思って
「しろが、、、
「陽翠。おはよう。」
良かった。覚えててくれた。朝ご飯を食べている最中昨日桜月さんからもらったスマホが二人同時になった。
「今日初めての任務がある。涼と一緒に任務に行くように。涼を起こしてからそっちに連れて行くから1時間ほどで準備をしていてくれ。」
というメッセージに
「わかりました。」
と打って返す。
「どうしたの?」
「仕事だって。出帆は?」
「僕も。みたきはらさんって人から。」
「そっか。」
前髪が一房変な方向に曲がっている。かわいいなぁ。
「昨日よく寝れた?」
「寝れたよ。陽翠は?」
「私もよく寝れたよ。」
時は遡り昨夜十時半。
「おやすみ、陽翠。」
「おやすみ、出帆。」
ご飯を食べてお風呂に入って、出帆の髪の毛が濡れたままだったから乾かして。
ふっかふかのベッドだなぁ。よく眠れ、、、ない!
寝れなーい!だって隣の部屋に初恋の人いるんだもん!ていうか一緒に住んでんだもん!寝れないよこんなのー!
「陽翠ちゃん、寝れてるー?」
雀宮さんからのメッセージが入った。
「寝れません。」
「だよねぇ。今日はどんな感じだった?」
「買い物して、ご飯作って食べて、お風呂入ってって普通です。」
そんな感じのラインを30分間繰り広げ、やっと寝たのは十一時を回った頃だった。
「だめじゃん!私!」
落ち着け落ち着け。私は出帆からしたらただの同居人だ。部屋で着替えながら心を落ち着かせる。
「ねぇ陽翠、、「ぎゃーっ!!!」
「え、ごめん。どうしたの?」
「何でもない何でもない!どうしたの!?」
あっぶねぇ。ぎりぎり着替えてて良かった。急に開けないでよぉー。
「女の人、二人来てるよ。」
「いやーなかなかに良い悲鳴でしたねぇ。外まで響き渡ってましたよぉ。」
雀宮さんに連れられて街の見回りにでた。
「これからこの辺の道は陽翠ちゃんの担当地区になると思いますからよく覚えておいてくださいねぇ。」
桜月さんは玄関先で
「よし。何もされてないな。」
という謎の確認をした後に自分の担当地区の見回りに行った。
「私たちの主な仕事は担当地区の見回りと魔物の浄化依頼なんですよぉ。ほら、早速いましたよぉ。追いましょうかぁ。」
そっちの方向を見るとなんだか暗い霧を纏った女の人がビルの隙間に入っていった。
「うわぁ、たくさんいますねえ。」
陽翠ちゃん、見ててくださいねぇ。と。
「雲煙飛動」
雀宮さんのナイフが銀色の煙を纏ってフラフラした足取りの人達を切りつけた。
「グァァァァァ!!」
切りつけられた人達はばたっと倒れて身体から霞が立ち上って消えていった。
「陽翠ちゃん、そっち頼みましたよ!」
後ろを見るとたくさんの同じような人達。ぎ
ゅっとナイフを握ってそっちに駆け出す。
「玲瓏ノ雨!」
壁を利用した7連撃を繰り出す。
「ギッ、!」
うなり声と共に七人が倒れた。
「月光・朧月夜」
横に構えたナイフを一気に振り抜く。
残りの5人を倒して雀宮さんの方を振り向いた。
「雀宮さんっ!!」
雀宮さんの上に降っていった人を切ろうとするが。
「消えたっ、、、?」
私の腕は宙を搔いた。
「ありゃりゃ。これは面倒ですよぉ。」
私たちの目の前に独立した魔物が立っていた。
「グガァァァァァ!!!!」
「翠煙」
雀宮さんが心臓を狙って飛びつくがかわされた。
「月映え!」
少しでも弱らせようと脚を切り、バランスを崩させた。
「きゃっ!」
魔物がこちらに手を伸ばして、爪で手の甲を引っ掻かれる。
「陽翠ちゃん!!」
そう雀宮さんが叫んだときに。
「ウガァッ!?」
と魔物が私の血が付いたところを掻きむしりだした。
「クソッオ前!水晶ノ、、、」
今だとばかりに2人で心臓を狙う。
「忘れ草!」
「光明輪!」
2人のナイフが深く心臓に刺さって魔物は灰になって消えた。
「陽翠ちゃん!」
手の甲からたらたらと流れる血を雀宮さんがぎゅっとハンカチで抑えてくれた。
「雀宮さん、なんであの魔物急に血の付いたところを、、、」
「水晶ですよぉ。前に桜月さんも言っていましたよぉ。とりあえず会社に戻って手当をして、桜月さんに報告しにいきましょう。」
会社に戻ると新人の私に傷をつけた罰で雀宮さんはずるずると桜月さんに引っ張られていった。
「水晶の力。前にも綾星ちゃんが言うとったみたいやけど陽翠ちゃんにはその力がかなーり強うでてるみたいやな。」
本願寺さんが暇だったとのことで私の傷を消毒して止血をした後に話をしていた。
「水晶の力はいるだけで魔物を弱らせるいわばチートの体質や。うちと綾星ちゃんも持っとるしクインテットなら皆使えるんや。涼ちゃんは恵まれんかったみたいやけどその分体術でカバーしとる。涼ちゃん、結構強いんやで。」
そこで一呼吸置いたあとに
「水晶の力っちゅうのは特に血液に宿る。だから血液が付いたところを嫌がっとったんやろうなぁ。もしかしたら陽翠ちゃんもうできるかもしれんし、ちょっと手のひら上に向けてぐーっと力入れてみて。」
言われたとおりにぐーっと力を入れるとぽわんと水色と金色に淡く光るぽわぽわが出てきた。
「えらい綺麗な色してんなぁ光太郎のは金色一色やったけど陽翠ちゃんは水色もはいっとる。」
そう言って本願寺さんは銀色にきらきら光るぽわぽわを手から取り出した。
「これは人見水晶っちゅうんや。この輝きが強ければ強いほど水晶の力は強いし、これ自体もかなり強なきゃでえへんねんで。」
人見水晶。初耳だ。
「流凪君も水晶の力はあるみたいや。ほんまあんたらはお似合いやなあ」
「なんで皆知ってるんですか。」
「涼ちゃんから聞いたわ。あとなんとなく。えらい甘酸っぱい恋してるみたいやなぁ。」
綾星ちゃんが干からびとったわと。
「今日は見回りもちゃんと終えたし何より初任務で独立魔物一匹倒したんやからほんまに大したもんやで。あ、せや。」
「このあとちょっとつきおうてくれん?うち、行きたい場所あんねん。」
と。果たしてどこに連れて行かれるのだろうか。
おまけ
本「流凪ー。白銀の着替え途中に急にドア開けて入ったらしいやん。やるなぁー。どんな感じやった?」
流「、、、?肌が白かったです。」
桜「本願寺さん、やめてください。流凪、答えるな。」
雀「ええっ!?そんなことしたんですか!?」
水「、、、」
白「へくちっ!噂されてる気がする、、、」




