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その子は空からやって来た

第三章開幕です!!

「懐かしいな、、、」


もう過去から逃げない。そう決意して実家へ帰ったあとに寄った展望台。


「ぼろすぎだろ、、、」


手すりとかなんかもうがたがたしてる。でも、懐かしい。里佳のお墓参りに行ってきたあとだからか余計に感傷的になっている。




「、、、ええっ!?!?!?!?!?」




どこまでも青い空。きらきらと照りつける日差し。そして。




空から落ちてきた女の子。




ゆっくりと女の子は落下していき、地面が受け止めた。


(これ、受け止めるべきだったのかな、、、)


普通に地面に落ちるまで見守ってしまった。


「だ、、、大丈夫かい?」


「受け止めてよぉ、、、」


白い髪の毛と白い肌。大きな黒い吊り目の8才くらいの女の子。


なんか既視感のあるビジュアルな気がする、、、


「えっと、私の血を分けた人間がこの世に二人いるって聞いたんですけど、、、何か知りません?」


知らんよ。そんなん。


ん?ていうか普通とは違うけどこの気配、、、


「魔物やないかい。」


どうやら僕は本願寺並みのものを拾ったようだった。


***

「ということなんだ。なんとかしてくれ。」


「はい?」

「あほちゃうん。どないせいっちゅうねん」


なんてことだ。今日は早く帰れそうだから早く帰って涼の好きなハンバーグでも作ってやろうと思っていたのに。


「えーっと、、、まず、、、魔物、やねんな?えらい他とは気配ちゃうけど、、、」


「はい。私は800年前に大凶明媚の支配を外れているので。1200年前に魔物になりちょうど400年後に支配から外れました。」


さあ、どこから突っ込もうか。


1 支配って何?

2 よく1200年も生き延びたね?

3 とりあえず君誰?


この手の突っ込みは関西人の本願寺さんに任せたいが、、、


「支配ってなんなん?」


「支配っていうのは大凶明媚が魔物の動向を監視できることですね。大凶明媚の記憶を共有し他の魔物の記憶も共有します。400年間人を食べずにその辺をうろうろしてたら急にがしゃんって外れました。」


「それを信じろと?」


「私は水晶の力が効きません。魔物であれば等しく水晶は弱点だけれど支配を外れた魔物はみんな水晶を克服していました、、、比較対象は三人しか居ませんでしたが。」


「ふーん。えいっ」


「本願寺さん!?!?」


いきなり腕を切って血を魔物に垂らした。


「ちょあぶな「ほんまやな。効かへん。」


「んーで。あんたの目的は?なにしにきたんやったっけ?」


「この世にいる二人の血を分けた人間を探しに来たんです、、、私の二人の姉の子孫なのですが肉親なんていなくなって寂しくて、、、一目会いたいんです。」


「まあ、ええよ。一緒に探そう。心当たりが二人おる。」


「私、魔物だけど魔物を祓うことができるんです。今までもそうやって魔物を祓ってきました。」


「へえ、、、!えらい子やなあ。」


ぱっと顔を明るくした女の子。


「あともう一つ、、、終焉具をこの時代に発現させた方がいると聞いて、、、」


「しゅうえんぐ?」


「はい。神器の域を超えた、、、この世の因果を終わらせる武器。それを発現させた方がいらっしゃると。」


神器の域を超えた武器。奇跡の力とその代償。説明しなくてはいけない。白銀に。彼女は受け止めきれるだろうか。


彼女は親を魔物に殺されたわけではない。幼馴染みを支えるという目的で浄化師になっただけだ。


「心当たりがある。だが、時間が欲しい。もう少しだけ、、、待っていてくれ。」


***

───気まずい。


さあ問題です。私はどこにいるでしょうか。


正解は鹿目さんの書斎です。


浄化師のトップ、鹿目愁さん。全くもって登場しておらず割とこの人が誰かわかりません。


さーて、その部屋には誰がいるでしょうか。


正解はクインテット勢揃いでした。


(本願寺さん、榊さん、水滝原さん、、、あとは知らない人が二人。)


「──っちゅうことやからさ。心晴ちゃん、心当たりとかない?」


「んー。でも私と同じ髪色、、、なのよね?天然で同じ髪色の人なんてまだ会ったことないし繋がりは、、、」


「世良。久しぶりだな。」


「お久しぶりです、、、」



「、、、」


水滝原さんだけぼっちだ。誰とも喋ってない。こちらをじっと見ていて話しかけて欲しそうだがこちらも話す話題なんてものはない。


「光太郎、そこは受け止めるべきやろ。」


「いや、なんか見守ってしまったんだよ、、、」


なんの話題だよ。



「よく来てくれたね。座ってくれるかい。」


「陽翠ちゃんはうちの横座っとき。」


私達はさっと席についた。


「今年も定例会議を行えて嬉しいよ。本願寺、榊。四眷属を祓ったみたいだね。」


「その時のことについて一つ話があるんだ。白銀さん。」


「はい?」


「君には終焉具、、、神器の域を超えた武器が発現した。この武器は大凶明媚をあと一歩で追い詰め心の臓を貫きかけた1000年前の伝説の浄化師、、、夕憐香夏姫ゆうれんこうなつひめを最後に途絶えたんだ。」


『夏姫の、、、』


あの時心刻の言った言葉。夕憐香夏姫ゆうれんこうなつひめ


「発現したときの状況を詳しく教えて欲しい。」


発現したときの状況、、、


「桜月さんの指が、、、落とされました。どうしようって思って、、、その時に羽衣が強く光ったんです。この人を守りたいと強く願ったときに口から勝手に祝詞が溢れてきました。それしか、、、わかりません。」


「文献にあったものと同じだね。夕憐香夏姫は君と同じ羽衣の錬成武器を使用していたそうだよ。そして祝詞。他の終焉具の使い手もそのようなものが発現したと。」


「その終焉具の発現が浄化師の急務となりますね。」


榊さんが口を開いた。


「そうだね。終焉具の発現条件は、、、強い願いや祈りを持つこと。感情を食って生きる魔物のようにまた僕達も感情を使って戦う。」


「ならば私達も急いで鍛錬せななりませんね。」


「そうなんだが、、、もう発現してしまった白銀さんは選ぶことができないけど終焉具が発現した人は、、、




例外なく寿命が四分の一に減る。」





「え?」




本願寺さんから声が漏れた。


「そんなっ、、、!!ほな陽翠ちゃんは残り、、、」


「百生きるのなら25。百二十生きるのなら30。かなり大きい差だな」


水滝原さんがぽつりと呟いた。


「本当に申し訳ない。この年でそんな呪縛を背負わせてしまうことになるなんて、、、」



「別に良くないですか?」



「え?」

「ん?」

「はい?」

「ええ?」

「?」


「だって、、、仮に私の寿命が25歳までになるって言われてもなんかむしろ25歳まで生きられるって保証されてるような気になって、、、その終焉具は大凶明媚を追い詰める鍵なんでしょう?その代償が私の寿命で済むなら良くないですか?」


「君は家族を魔物に殺されたの?」


一番若く見えるクインテットの人が口を開いた。


「いいえ。」


「その覚悟の訳は?」



「、、、友達を守りたい。大切な人の大切な人を守りたい。家族ではないにしろ私は目の前で友人が魔物に殺されたんです。、、、もう好きにはさせない。その代償が私なら受け入れます。」



「へえ、、、」


麗奈のような人はもう出さない。因果は全て私が断ち切る。


「そしてもう一つあってね、、、」


ちらりと鹿目さんが榊さんを見た。



「先日、榊が魔物を拾ってきたんだ。」



「はい?」



新たな物語の始まりは思ったより波乱のようだった。









(世良くんが喋っとる)

(世良が十文字以上喋った)

(煙くんって話すんだ、、、)

(同類だと思ってたのに、、、)

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