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雀宮千織

呼吸を整えろ。血液を巡られろ。筋肉の筋を感じろ。


走れ。走れ走れ!!!!!!!!!!!


「きもい。きもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいんだよ!!!!!!!!!!!!」


赤い糸は全てなぎ払ってちぎった。気絶しそうなほど痛い身体を舌をかんで意識を呼び覚まして動かす。


「無駄よ!!!」


赤い糸はいくらでも伸びてくる。厄介すぎる武器だが白銀の武器と形は同じ。白銀が魔物の攻撃を全て切ってくれた。


「かはっ、、、」


涼の身体ががたがたと痙攣していた。外傷は治せても毒までは羽衣で治せない。


今しかない。今だけしかない。過去も未来も希望も夢もいつ消えるかわからない。


「来るな!!!!涼!!!!」


必死にナイフを握って戦おうとした涼に怒号を飛ばした。


死ぬな。絶対に。お前を死なせるわけにはいかないんだ!!!!!!!


「あはは!馬鹿じゃないの!!!!名前呼んじゃってんじゃん!!!!!」



「奥義 真名縛り・桜雀」



桜雀。雀が桜の花をついばんで落としてしまうこと。この魔物は涼が私を殺すように動くと思っている。


「ああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」


糸が身体を裂いた。痛くない。痛くない。


「はっ、、、嘘でしょう!?!?なんでっ、術にかからないのよ!?!?!?!?」



「あったりめーだろばーか!!!!!!」



月光を刀に纏わせる。あの技を、、、使うときが来た。




「月紡ぎ!!!!!!!!」




「はっ!?!?!?!?!?」




糸のように繊細で細い攻撃は心臓を貫いた。




「何その技っ、、、そんなの今までの月の浄化師は使わなかった、、、、、、」



「あたりまえだろ。これは私が創った技なんだから。」



月紡ぎ。


水晶の力が弱くても錬成武器が使えなくても。


碧に並びたかった。


追いかけるだけじゃなくて守りたい。追いつきたい、追い越したい。



「ねぇ、、、まさか、、、名前、、、」


ぼろぼろと崩れていく魔物は最高に惨めで滑稽だった。


「偽名特有の、、、違和感も感じなかったのに、、、」


「あったりめーだろ。何年私がこの名前で生きてきたと思ってるんだ」


18年。18年間嘘をついてきた。


「そうだよ。私は桜月綾星さくらづきあやせじゃない。」



親に捨てられた可哀想な五歳の女の子じゃない。健気に上を目指す少女じゃない。私は、、、本当の私はっ、、、!!!!!!




「私の名前は、、、雀宮千織すずめみやちおり!!!!雀宮涼の姉だよ!!!!!!」



息をのむ音が聞こえた。魔物は完全に塵になって消えていった。


「ほんとに、、、さくらづき、、、さん、、、私の、、、お姉、、、ちゃん?」


「涼。今まで言えてなくてごめん。騙しててごめん。こんな姉で、、、ごめん。」


瓦礫の中で強く抱きしめた。


やっと言えた。これは絶対嘘じゃない。


「愛してる」


「感動の再会は済んだ?」



「爆・恋情炎」



*****

「爆・恋情炎」


咄嗟に伸ばしていた羽衣で皆の身体を守った。それでも、、、間に合わなかった。



バアアアアアアアアアン!!!!!!!!



すざましい爆発音。


音が消えた。


視界は全て白で埋め尽くされた。


「はっ、、、」


「あーあ。やっぱりか。まだ私は陽翠のこと好きなのか」


凄惨な光景。


羽衣で守れた雀宮さんと桜月さんは無事だが両方気絶していた。


本願寺さん、榊さん、水滝原さん、出帆、神楽さん、四ツ木さんがいない。



、、、いや、居ないわけじゃなかった。




壁。瓦礫。血。


四ツ木さんの右腕が転がっている。榊さんは本願寺さんを庇う形で瓦礫の中に。血の量がおかしいくらい流れている。神楽さんは右脚が欠損していて出帆は衝撃で壁にめり込むような形になっていた。


「陽翠に当てられなかったや。やっぱまだ好きなのかな」


あめ降る慈光、我が手に集、、、「無駄」


「治したらその分私が攻撃する。そしたら皆殺しコースだけど、、、一個だけ、皆助かる方法があるよ」



「ね、陽翠。私の物になってよ」


「好き。この世で一番好き。愛してる。ずっと隣にいて?流凪なんかいらないよ?私が居るんだから。」


「何言って、、、」


「従ってくれないの?私はこんなに好きなのに」


「じゃあ、皆殺しコースかな、、、」



「陽翠の大切な物、全部奪ってあげるよ?」


凛は私の肩を掴んで浮いた。


「爆・恋情炎」


「まさかっ、、、」


「そう。そのまさか。早く来たら?みーんな、しんじゃうよ?」


桃色の炎は、、、生徒達が避難しているグラウンドへ。



「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「ばーん」


羽衣を板状に伸ばし盾を創る。


動け動け動け!!!!!今できる最善の判断を!!!!!


「逃げて!!!!!!」



「こっちだけを見ててよー。よそ見しないでっ」


爆炎は私の肌を焦がしていく。


「光明輪!!!」


届かない。ぐるぐると巻き付けられた羽衣で直接の心臓の破壊を試みても上手くいかない。


「痛いっ!!!!!」


この声っ、、、まさかっ、、、


「椿!!!!逃げて!!!」


「椿じゃーん。ちょうどいいや。」



「刺・恋情炎」


「つばきっ!!!!!!!!」


迷ってる暇なんかない。羽衣は間に合わない。


「ひすいっ、、、」


抱きしめた。


背中に熱い感覚。貫かれるような、、、そんな心地。


「痛い?ねぇ痛い?私それより痛かったんだけどなぁ、、、」


「つばきっ、、、逃げて、、、」


先生に椿が連れられていく。


この恋情炎は水で消えない。物を燃やし続けて燃え続ける。


「まだ立つの?はやく、、、私の物になってよっ、、、」


「ならない。」


「っ?!なんで、、?」


「私は私だから。それだけ。」




「奪わせないから!!!もう何も失わない!!!覚悟しろよ『アイ』!!!!!!」




「っ、、、もういいよ。そっちがその気なら。」



「戦争を、始めよう」








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