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榊光太郎は育てたい・桜月綾星も育てたい

玲瓏ノ雨(れいろうのあめ)


榊さんの振りかざした剣はまっすぐ本願寺さんに飛んでいく。


鏡花水月きょうかすいげつ!」


本願寺さんの身体からでた無数の短刀はそれを榊さんの方向へ返し、さらに軌道を変えて榊さんの元へ飛んでいく。


「えっ、消えた?」


光明輪こうみょうりん


いつの間にか背後に回った榊さんの剣は本願寺さんの胴に向かう。


「えいっ」


胴ほどの位置への素早い攻撃なのに、さらりと飛んで流した。


雪月花せつげつか


短刀を振りかざして首元を狙っても、


光芒流し(こうぼうながし)


さらりと剣で弾かれている。


玉兎の舞(ぎょくとのまい)

残照ざんしょう


2人はほぼ見えないような速さで動き回る。たくさんの短刀を操る本願寺さんと一本の剣で動き回る榊さん。2人の武器が空中で凄い音を立てながらぶつかり、止まった。


ゆっくりとこちらを榊さんが振り返ると、


「桜月さん、この子やっぱり僕が育ててもいいかい?この子は僕と本願寺の動きを目で追えていた。並外れて目が良いみたいなんだ。それに、、、」


「気配がとても薄い。戦いではどこまでも有利な力だよ。」


誰の影が薄いと?


「光太郎教えんの下手くそやん。」


「本願寺は黙って。」


本日二度目の下手くそ攻撃をさらりとかわした榊さんは


「僕の継手にしたい。」

「ですが榊さん。白銀はまだ未熟なんです。基本的な技が使えるようになるまで私が育てます。」


そうしてください。頼むから。


「いや、白銀さんは才能がある。最初からクインテットの継手として育てても問題ないくらいに。」


継手ってなんだ。


「榊さん、あなた多忙でしょう。見回りや任務、それに加えて道端の低級魔物まで片っ端から狩ってるんですから。」


榊さんが劣勢になってきた。


「ほんまにな。せやさかい光太郎は年二で倒れとんねん。ここ数年もう恒例やで。」


年二で倒れるってまさか過労!?とんだブラック企業だ。


「いや、それは改善できるし、、、「光太郎、最初から教えるなんてできんのかー?」

改善できるなら最初からしてくれ。

「できるよ!多分、、、」


多分!?


「多分じゃ駄目でーす。育手勝負はあやせちゃんの勝ちー!」

「諦めてください、光太郎さん。もう少し育ったら訓練してやってくださいよ。」


むふふっとした笑顔で桜月さんは言い放つ。どうやら取り合いは桜月さんの勝利らしい。

榊さんは本願寺さんと桜月さんからのフルボッコにされている。


「桜月さん、でもゆくゆくは僕の継手にしてもいいかい?この子は大凶明媚への最強の手札になるよ。」

「ゆくゆくはね。ですがあなたの継手になればその分危険も上がります。そのことをよく考えてくださいね。」


「了解したよ。本願寺も継手にしなくていいのかい?」

「うちはあやせちゃんがおるから何とかしてくれそうやさかい、そうしてもらうー。」

「ありがとうございます。白銀、そろそろ行くぞ。」


そうして訓練が終わった。


そして時が過ぎた。


桜月さんと訓練をして、雀宮さんが車をぶつけて、榊さんがたまに訓練中にひょこっと顔を出してアドバイスをし、そのアドバイスを元に改善していく。


そして本願寺さんと榊さんにあってからちょうど一週間、適性テストを受けた。ここで光が問題なく使え、馴染んでいたら光を使って働くことになる。


後ろの席には榊さんと本願寺さん。審査員のようなものを桜月さんがお願いしたらしい。


「来い、白銀。」

「はい。」


一週間、習った技を順に桜月さんに仕掛ける。


眩き(まばゆき)

月映え(つきばえ)

玲瓏ノ雨(れいろうのあめ)

光明輪こうみょうりん

光芒流し(こうぼうながし)

月光・朧月夜(げっこうおぼろづきよ)

残照ざんしょう


一通りの技で桜月さんに攻撃し、ゆっくりと2人を見た。


「こんな子ほんまにおるんや。普通ならどれだけ早くても三ヶ月はかかんのに、、、」

「はじめてこんな子は見たよ。光への適性もあるし水晶だって持っている。流凪くんと並ぶ最強の人だ。」


「ありがとうございます。」

「よくやったな、白銀。お前はやっぱり強い。今日は着替えてもう一回こい。」


「訓練はもう終わりですか?」

「今日のところはな。今から流凪に会いに行くぞ。」


ついに。会えるんだ。出帆、出帆。出帆にあえる。ロングワンピースにカーディガンを羽織って走って桜月さんの元へ向かった。


「よし、行くぞ。」


エレベーターの中で桜月さんは


「流凪の状態はまだ変わらずだな。自分の名前をかろうじて覚えているような状況だ。白銀に会って記憶が戻る可能性もあるし戻らない可能性もある。そのことを理解して、会いに行くのでいいか?」


「はい。」


出帆に会えば記憶が戻る可能性がある。その言葉がゆっくりと広がっていった。そうだ。思い出してくれる可能性だってあるんだ。きっと、きっと、、、


「失礼します。浄化2課の桜月です。」

「はい。入ってください。」


部屋の中には背の高い男の人と、、、

出帆がいた。


「いずほっ、、、」


思わず小さく名前を呼んだのに反応しゆっくりと振り向いたあの頃と変わらない姿。

背が伸びたな。私と同じくらいだったのにもうとっくに超されてるなぁ。

長い髪の毛も、中性的な顔立ちも。大きな垂れ目のきれいなきれいな、世界で一番大好きな人は


「…誰?」


とつぶやいた。

こぼれ話9

光の技は光にまつわる諺や言葉が由来になっています。月や水、太陽、煙も同じです。

こぼれ話10 

継手とはクインテットが戦えなくなって座を降りるとき(死亡や身体の欠損)などの時に継いでその座につく人のことです。クインテット直々に教えてもらえると言うことはまずないので競争率が高いですが、より強い魔物に当たるので死亡率も高くなります。


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