表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/76

幕間・水桜

桜月さん目線。

私達はカフェに移動した。


移動している間も何だか少しふわふわしたような気持ちになっていた。


肩出しの服、ひらひらのスカート、メイク、、、全力の「女の子」がこんなにも嬉しいだなんて。


(勇気出して良かった、、、)


カフェはとても綺麗なお店だった。水族館のカフェに寿司を出すというなんか狙ってるとしか言えないメニュー表をひとしきり碧と笑った。


「お待たせいたしましたー!」


店員さんが元気よく運んできたのはお寿司と青色と桃色の混ざったドリンク。


「毒々しい。」 

「クラゲイメージってこういうことか」


まず私が一口飲んでみた。


「どうだ?」

「んー、レモン味か?なんだかよくわからない。」


何となくレモン味で完全に見た目重視のメニューだった。


「まあ、寿司は美味しいぞ。流石水族館なだけある。」

「水族館の魚出してるわけじゃないだろう」


んなことしてたら大問題だわ。確かに木の板に乗ったお寿司達はとても美味しい。値段の割に脂がのっているしネタも大きい。


「この次はイルカショーがあるみたいだ。食べ終わったら場所を取りに行くか。」

「そうだな。イルカの七星ちゃん、だったっけ?」

「桜月と名前が似ているな。綾星と七星だ。」

「んだとこら。」


桜月綾星さくらづきあやせ。桜月。綾星。無意識に首元に手が伸びてすっと戻した。


「パンケーキもあるぞ。食べるか。」


全然違う話題に方向転換して話をそらす。


「そうだな。」


そしてパンケーキもビジュアル重視なものが届いた。


──────────

「イルカショー、良かったな。特に輪をくぐるやつ。」

「あれは飼育員さんが普通に怖いだろう。」


七星ちゃんのイルカショーを見終わってまた色々な生き物を見、時刻は四時半になった。


「何時間いたんだ?」

「六時間くらいいたんだな。長すぎるだろ。」


水族館六時間なんて聞いたことがない。でもその六時間は2人で魚のうんちくを語り合い、綺麗だと思うものを共有できた楽しい時間だった。


「ご飯、連れて行ってくれるんだろう?」

「そうだな。六時に予約を取ってある。」


一時間半ほど時間が空いてしまった。


「どこか行きたいところはあるか?」

「えぇ、、、」


碧は困ったようにスマホをいじりだした。近くには大きめのショッピングモールがあり、買い物などができる。その他にも近辺には確か色々と、、、


「ここ行きたい。」


水滝原碧はカラオケを所望した。


─────────

「桜月は歌が上手いな。知らない曲ばかりだが。」

「悪かったな。」


私の好きなジャンルは二次元系。ボーカロイドやVTuberによる曲が大好きだ。


「VTuberは機械じゃないんだな。中に人がいるんだな。」

「中の人とか言うなや」


私の推しのVTuberは低音域をかっこよく歌いこなす人だ。外国の人で歌詞にも外国語が入っているが何度も歌っているので余裕で歌える。


「碧は意外と最近の曲を歌うんだな。」


碧は最近の流行の曲を歌っていて私がサビしか知らない曲を歌っていた。


「本願寺さんも上手かったぞ。連れて行かれたんだ。」

「本願寺さんか。私はよく2人で行くな。」


本願寺さんはカラオケの空気が大好きで常に踊りながらはしゃぎ回っている。1課の榊さんも連れて行かれていた。


「桜月は歌唱力の化け物だが本願寺さんは歌唱力の高い化け物だった。」


碧の感想が妙にツボに入り、大爆笑した。


「そうだ。二課に新人が入るそうだ。聞いたか。」

「いや、知らない。誰から聞いたんだ?」


リーダーに届いてないということは鹿目さんや本願寺さんからか?




「本願寺さんだ。名前は確か、、、


雀宮涼、といったはずだ。」





雀宮。涼。りょう。


「ふーん。知らなかったな。」


生まれた心を押し込め、心が澱のように濁る。受け止めきれない事実が抱えきれず、持て余してこぼれ落ちた。


─────────

「ただいまー。」


1人だけの家だが本願寺さんといたときの癖で言ってしまう。


「ふうっ、、」


とても楽しかった。夕ご飯は少し良いところで食べた料理が美味しかったので今度真似してみたい。


『名前は確か、、、雀宮涼、と言ったはずだ。』


聞き間違えじゃない。そしてこんな特徴的な名字は他に聞いたことがない。


嘘だろ。何やってんだよ、あいつ。


はあっとため息をついて写真フォルダを開いた。今日撮った写真。


クラゲの写真。

ウミガメの写真。

毒々しい色合いのドリンクの写真。

パンケーキの写真。


クラゲの前での碧とのツーショット。

レストランで取ってもらった2人一緒の写真。

イルカショーを喜びながら見る碧の動画。


スクロールするとどんどん溢れてくる。


「今日の写真だ。」


碧にメッセージで全部送るとすぐに


「楽しかった。またいこう」


と返ってきた。


このさっぱり感、関わりやすいんだよなあ。



ほんと、最高の友人だ。


──────────

「あ!これこれ!」


三年前のことを思い出しながら私はクローゼットの中から服を引っ張りだした。


あの日のニットとスカート。まだまだ綺麗で余裕で着れる。


明日が少し楽しみになってきた。

こぼれ話

2人はレストランのカップル限定マグカップがもらえてしまいました。なんかもったいないのでもらったけれど何気に恥ずかしい。

こぼれ話

白地で持ち手が赤のマグカップです。並べておくとハートに見えることにまだ気がついてない様子。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ