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赤い糸

「やばいやばい!楽しみすぎるーっ!!」

「葵子髪の毛巻いてあげようか?」

「ありがとう。おねがい。」


いつにも増してわちゃわちゃしている私達の部屋ではみんながお出かけの準備をしていた。


「陽翠かわいい!下ろすと雰囲気変わるね!」


私はハーフアップをした髪の毛を片側にお団子にした。出帆からのリボンをつけている。


「梅宮先輩と花手毬先輩、そろそろ準備できるって!正門で集合でいい?」

「いいわよ!」


まどかに髪の毛を巻いてもらった葵子はもうすでに靴を履いている。椿は韓国系のファッションにポニーテールを三つ編みにして、まどかはミニスカートとブラウスを着てふたつくくりを揺らしている。


「そろそろでようか。」


「「「うん!!!」」」


お嬢様達によるショッピングが今、始まる。


───────────

「梅宮先輩!花手毬先輩!」

「椿ちゃん!みんなも!」

「あたし昨日楽しみすぎて寝れなかった!」


個性溢れる私除く九人は電車の切符の買い方がわからないようだった。


「えっ、これどうするの!?」

「子供、、、大人?私達未成年よね、、、」

「三つ先の駅だから、、、このボタンとこのボタンかしら?」


中学生以上は大人料金だと知るとこれ以上ないほど驚いた。


「ここにスマホ落っことしそう」

「点字ブロックの色が渋い」


ホームについて電車を待っている間も線路内や踏まれすぎて色のなくなった点字ブロックに興味を示している。


「電車の中ってこんな感じなんだ!」

「窓大きいわね。」


電車の中だから小声になり、わちゃわちゃするお嬢様。なんかもう見慣れてきた。


「すいちゃん、つり革届いてないよ、、、?」


電車に乗るたびにやる短い方のつり革につかまるチャレンジはまた失敗に終わった。


「降りるよ。」


私が声をかけるとお嬢様たちはとことこと電車から降りていく。私たちが乗った駅よりも人が多いこの駅は迷子になりそうだ。


「離れないでね。」

「「「「「「「「「わかった!」」」」」」」」」


とりあえずショッピングモールまでなんとかいけそうだ。


*********

「白銀はなんとかやっているみたいだな。」


白銀が友達と遊びに行くということで様子見がてら尾行をすることにした。


「桜月、お前不審者だぞ。」


ついてきた神楽が言った。


「どこが不審者なんだ。ロングコートと帽子と眼鏡とマスクだぞ。」

「そういうところだよ。」


長身の女の男2人が十人の女子高生を見守る図がそこにあった。


「白銀はうまくやっているようだな。」


「ああ。四ツ木も特に問題なしだと。」


「四ツ木か。あいつ強いよな。四ツ木がリーダーの方が1課は良かったと思う。」


「んだとこら。」


女子高生達はショッピングモールの中に入っていった。ついていくと入ったのはおしゃれな服屋。


「自分で服買ってみたかったの!!」


ポニーテールを三つ編みにした一人が言った。


「服を買ったことがないって、、、どういうことなんだ?」


「さあ?買ってきてもらうんじゃねえか?」


とりあえず向かいのカフェに入り、観察する。女子高生集団は横顔や後ろ姿だけでも美人揃いだった。


「おい、あの赤みがかった髪の毛の女子。梅宮リュカの娘じゃないか。」


私の視線の先には最近話題の女優によく似た女子がいた。芸能人の娘までいるのか。すごいな。


「梅宮か。確かそうだったな。ていうかみんな財閥の令嬢とか医者の娘とかなんだよ。みーんな度を超した金持ちだ。」


「そんな中で白銀はやれてるのか?」


「逆に普通民ポジで人気を集めてるみたいだな。カップラーメンの内側の線に感動できるような奴等だしな。」


その話は私も聞いた。カップラーメンの食べ方を教えると

「この線までお湯をいれるんだ!画期的!」

と言われたとラインで言っていた。


「すごいな。輝いてるぞ。女子高生。」


「そういうもんだ。お前も昔は女子高生だったんじゃないか?」


「確かにそうだったけどあまり本願寺に迷惑をかけたくなかったから基本的には家に居たか学校で自習してたかだったな。」


「暗いねぇー。」


別に暗くたっていいさ。そのおかげで私は今の仕事に就けているんだ。本来あるべき女子高生でなくても気にしない。


「流凪は?」


「あいつは不思議系愛されキャラでやってるよ。天然の素質か知らないけど不思議系でかわいいって人気さ。女子はキャーキャー言ってやがる。」


そうか。そういう奴だしな。記憶を無くしていると潜入任務には向かないと思っていたが意外にもいけているらしい。少し前の体調が心配だったが再発はないようで安心した。


「てめぇはどうなんだよ、桜月。」


「私か?特に変わりはないが。」


相変わらず仕事は忙しいし部下は死んでいくし同僚も何人か死んだし。

碧も変わりない。変わりないことが少し嫌になってきた。


「神楽はなにかないのか。」


「んんー。白銀と流凪は生徒間で怪しいのを見つけたみたいだけどな、、、」


「本当か?」


「噂話で聞いたらしいんだが。まあ、高校生だし効力は高そうだ。引っかかりやすくもあるだろう。」




「恋のおまじないってやつだよ。」




「は?」


「そんなのが流行っているそうだ。紙に名前を正確に書いて学校のとある場所に置く。その夜に階段を後ろ向きに上ったらドアが現れるからドアを開けると天使がいて恋を叶えてくれるそうだ。」


なるほど。高校生が食いつきそうな話題だな。


「こういうのは先生っていう立場じゃなかなか入ってこない話だ。あの二人の手柄だな。」


「その恋のおまじないが関係していると踏んでる訳か?」


「そうだ。実際何人か自殺者がでている。魔物の匂いが少しばかりだがしていた。」


「心を食われたと?」


「可能性はある。」


魔物に心を食われれば人間は気力を失い自死する。そんなおまじないに頼るような人間なら疑いは薄れてしまうだろう。


「おまじないの存在自体は確認できた。重要なのは、、、」


「誰が作ったか。誰が広めたか。誰が犯人か。だろ?」


「ああ。そうだ。」


胸くそ悪い事件の赤い糸口が微かに見えてきた。








おまけ

真「これかわいい!」

葵「買おうかしら。」

梅「どう?似合う?」


店員一同「お嬢様尊い」

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