JK
遅れてしまいました。すみません。
リーンゴーンリーンゴーン
「うおおおおおおっ!!!走るよ!速く!」
高校生名物、購買ダッシュ。ここでもやんのかよ。
「陽翠足はやっ!」
「葵子がんばれ!」
この学校は人数が多いから購買は争奪戦。午後の授業のやる気はここにかかっている。
パンコーナーは人で溢れかえっていた。
なんとかメロンパンと焼きそばパン、オレンジジュースを購入した。
「みてみてー!おいしそー!皆で食べよう!」
まどかが異次元な大きさの卵蒸しパンを持って呼びかけた。
「うん!そうだね!」
「すいちゃん、椿、葵子、まどか!!こっちこっち!東屋とれたよ!」
「ええっ!?最高!陽翠もいくよ!」
「東屋?」
あずまやってなに?と思ったけれど連れてこられたのは中庭の綺麗な一角だった。花が沢山咲いていてその中にテーブルの置かれた屋根付きのスペースがある。
「ここ綺麗でしょ!お気に入りの場所なんだよ!すいちゃん、ここ座って!!」
私のことをすいちゃん、と呼ぶのは有栖川真姫ちゃん。とてもフレンドリーな優等生。
「あっ!梅宮先輩!」
「みんな来てるのね~。あら、転入生ちゃん?初めまして。梅宮紗里です。よろしくね。」
「へー、この子が白銀ちゃん?小さくてかわいい!私三年の花手毬柚希!よろしくね!」
「この子が!勉強もできるんでしょ!?天才!あたし二年柊組の結城凛!」
「二年桔梗組の美姫朱音、、、」
怒濤の知らない人ラッシュでもうすでに情報量過多ァ!!!助けて桜月さん!
「さー!たーべよ!!いっただきまーす!」
まどかが買った卵蒸しパンをみんなで切り分けて食べ進めていく。
「あたしの組にも転入生来たの!流凪くんって人ですっごいかっこいいんだよ!」
「それ、聞いた、、、きっ、桔梗組の人たちも噂してた、、、」
凛と朱音が言ったことにぴくりと反応した。
出帆、かっこいいしな、、、頼む、取られないでくれ。別に私の所有物でもないが。
「陽翠も人気!柊組の男子が陽翠のこと見に行って四ツ木先生に蹴り飛ばされてた!」
この前の悲鳴はそれか。火事でも起こったのかと思ったわ。
「そうだ!土曜日みんなでショッピングモール行ってみない!?私行ったことないのよ!」
椿が唐突に言い出した。差し出されたスマホの画面には青藍学園から3駅ほどの大きなショッピングモールのサイト。
「見てみて!こんなお店もあるし、げーむせんたーって所にも行ってみたいの!このお店は自分でお肉焼いて食べるみたいだよ!」
普通。焼き肉屋さんは自分で焼いて食べるもの。
「きゃー!楽しそう!!行ってみたい!」
「私達も行きたいわ。あっ、車はどうするの?お父様にお願いしたら運転手付きで貸してもらえるけど、、、」
「あたし電車乗ってみたい!」
「電車!?乗ったことないよ~」
「この観覧車、、、乗りたい、、、」
お嬢様達の会話が新鮮。電車に乗ってみたいって、、、どゆこと?
「切符ってどうやって買うの?予約?」
「待って待って、普通の電車だからいらないよ!椿!」
「すいちゃん、こういうとこ行ったことあるの!?」
「自分でお洋服買ってみたい!」
「からおけっていうのがあって歌ったりできるらしいよ!」
「知ってる!中等部の頃友達と行ったことある!」
「これ美味しそう!」
お嬢様達はその後もわちゃわちゃとお嬢様トークを繰り広げていた。
─────────
部屋にて。
「きゃー!楽しみ!」
椿はただショッピングモールに行くだけなのにしおりまで作ってわくわくしている。
「陽翠は行ったことあるのね。どんなところかしら。」
葵子はもうすでに皆の分の外出許可証を出してきた。
「お父様が楽しんでこいって!皆の分のご飯代送ってくれるらしいよ!」
まどかは見たことないきらきらしさで目を輝かせている。
「梅宮先輩と花手毬先輩、凛と朱音と真姫も来るから、、、9人か!」
多いな。かなり。
「楽しみだなぁ~!電車乗ってカラオケ行ってお洋服自分達で買ってご飯食べて観覧車!」
「帰りは遅くなるからお父様が車派遣させるって。青藍学園まで送ってくれるらしいわ。」
お父様、ナイス判断。財閥の令嬢とか医者と弁護士の娘とか社長の一人娘とか華族の末裔とかを夜の電車に乗せてはいけない。
「梅宮先輩と花手毬先輩めっちゃ楽しみにしてたよ!」
「凛と朱音と遥と真姫もね。朱音のお父様とお母様なんか『朱音が友達と遊びに行くぞ!!』ってとても喜んでたみたいよ。」
すごいな。ショッピングモールだけでこんなにわくわくできるのか。
「陽翠は寿高校の時に友達と行ったんだね!」
高校の時も行ったし麗奈とも行ったことがある。その時よりも数倍大きなショッピングモールだから私もちょっと楽しみ。
「私達JKだしね!」
「じぇーけー?」
まどかの言葉に葵子と椿が?を浮かべている。
「女子高校生って意味らしいよ!女子がJで高校生がK!」
「junior high schoolじゃないの、、、?」
「そうだけど!そうだけどちがーう!!」
今週末は忙しそうだ。
花手毬柚希
三年桃組の先輩。まどかと仲がいい。華道の家元。
梅宮紗里
三年桃組の先輩。柚希つながりで仲良くなった。親が女優。美人。
結城凛
二年柊組。出帆と同じクラス。親が外交官。5カ国語が喋れるマルチリンガル。
美姫朱音
二年桔梗組。引っ込み思案で友達が少ない。
有栖川真姫
二年桔梗組。大体名前を真姫と読まれるが真姫であると言い続けている。




