春愁募ればまた桜雨
第二章スタートです!章が完結したらまたタイトルをつけていきます。
季節は春。出会いと別れの季節。
「なんか春ってさびしいよね」
「そう?そんなことないでしょ」
そんなたわいもない会話を繰り広げていたときに。
「この場所に急げ。独立魔物が2体出ている。」
桜月さんからのメッセージで私達は街を駆けた。この春から私達はバディになり、行動を共にしている。最高速度で目的地にたどり着くと、2体の独立魔物と戦う男の人が1人。
「水鏡」
「玲瓏ノ雨」
「うおっ!?」
男の人の背後に迫っていた魔物を素早く2人で祓った。余裕のできた男の人は続けてもう1体も祓う。
「ありがとよー。2体一緒じゃ戦えるもんも戦えなかったよ。」
「どういたしまして。」
「俺は浄化1課の神楽天馬ってんだ。そこのお嬢ちゃんと坊主は?」
「浄化2課の白銀陽翠です。」
「、、、同じく流凪出帆です。」
ごついガタイの厳つい男の人は神楽さんというようだった。
「2課、、、ってことは桜月のとこか?」
「はい。」
「ねえ、1課2課って何が違うの?」
確かに。何が違うんだろう。
「ええー、2人とも、知らねぇのかぁ?
1課から4課まであって、1課は長期潜入特化、2課は短期大量特化!3課は中期中量って感じで4課は工作とか沢山してて頭良さそうって感じだぁな。」
へぇ。知らなかった。ということはこの神楽さんは長期任務担当ということなのか?
神楽さんは私達の顔をじーっとのぞき込み、
「んんー?お前ら、綺麗な顔してんな。年はいくつだ?」
「16です。」
出帆が嫌そうに神楽さんから私を引き剥がしながら言った。
「わはは!嫌われちまったかな!16か、ちょうどいいな。よし、桜月に許可取りに行くぞ!」
「「は?」」
私と出帆の声がシンクロした。
「じゃあ会社もどっか!!着いてこい!!」
「えっちょっと、、、わっ!」
その人は風のような速さで走った。結局私達は会社まで走る羽目になった。
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風のように走った神楽さんは桜月さんの書斎をノックもせずに開けた。
「よー桜月!!お前んとこのチビ2人借りていいか!?」
「げっ、神楽かよ、、、」
「げっとはなんだよげっとは!!今俺が当たってるのは特大任務!四眷属を祓えるかもしれない任務なんだよ!」
「ていうか、私の所のチビって、、、」
ひょこっと私達が顔をだす。桜月さんの嫌そうな顔が元に戻る。
「白銀と流凪か?確かにお前の任務には使えそうだが、、、ていうかまだ尻尾を掴めてないのか?1年半も居たのに?」
「うるせぇ!結構な信頼が必要な任務なんだよ!」
「あの、、、任務って一体、、、?」
「はあぁ!?お前言わずに連れてきたのか!?」
「あれっ、言ってなかったっけ。」
「中高一貫校に住み着いた四眷属を祓う任務だ。俺は今教師として潜入している」
四眷属って、、、なに?
「四眷属ってのはな、大凶明媚の直属の手下なんだよ!なーんだそんなこともしらな、、、ブフォエッ!!!」
「私の部下をけなすな。」
桜月さんがスニーカーで蹴りつけた。任務帰りなのか。ヒールじゃないだけましだなぁ。
「何なんだよ、荒々しいなぁー。」
蹴られた顔を擦りながら笑う神楽さん。その状況で笑えるのか!?
「別に白銀と流凪が必要なら借りていってくれて構わない。だがな、、、」
何があっても、絶対に返せよ
そう、力を込めて桜月さんが言った。
「、、、わかってーよ。そんなことくらいさ。若い芽は摘ませねぇ。それが俺らリーダーの仕事なんだからよぉ。」
「「えっリーダー?」」
「そうなんだよ。こいつリーダーなんだ。本当に人選ミスだよな。」
「お前ら言ってくれるじゃねーかーよー」
ぴきっと筋を立てた神楽さん。お怒りのご様子だ。
「チビは借りてって良いってことだよな?それなら使わせていただくぜえ。ほら、そうと決まったらお前ら、着いてこい!」
「嫌になったら帰ってこいよ。いつでも待ってるから。」
そう言って私達は中高一貫校に住み着いた魔物を祓うことになった。
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山賊スタイルで脇に抱えられ、連れてこられたのは恐らく神楽さんの書斎だった。桜月さんのような落ち着いた感じはなく、大きな本棚が二面の壁を覆い、壁際の大ぶりな机となぜか床に積まれた書類。沢山の種類の椅子は謎の配置をされていた。
「ほら、座れ。椅子は椅子投げゲームしたときのままだからどの椅子に座ってもいいぞ。話しをする。」
椅子投げゲームとは。せめて取っていただきたい。とりあえずソファを選び、そこに出帆と一緒に並んで座った。神楽さんは大ぶりの肘掛け椅子の肘置きに座っている。個性が強い。
「今回の任務は私立青藍学園への潜入だ。全寮制の学校で俺は今教師として潜入している。わざわざ教員免許も頑張ってとったんだぜ。だが、教師としての立場も限界がある。そこで今回お前らがするのは、」
とビシッとこちらを指さした。
「生徒として青藍学園に潜入してもらう。そこで四眷属を見つけ出して祓うのが俺達の任務だ。」
どうやら私はもう一度高校生になるらしかった。
こぼれ話
神楽さんと桜月さんは同期。桜月さんは腐れ縁だと言っているけれど神楽さんは積極的に関わりに行っています。
こぼれ話
椅子投げゲームとはそれぞれの課のリーダーみんなでお酒を飲んだときに、「せっかくだから遊ぼーぜ!!」となり大量の椅子を持ってきて投げあったようです。泥酔した桜月さんはかなり強かったそう。




